商品はF-toys(エフトイズ・コンフェクト)から2005年に発売された1/144 WORK SHOP VOL.5 SEAPLANE COLLECTION 水上機コレクションから『グラマン JRF-5 グース 海上自衛隊 鹿屋航空隊』になります。
外箱開封済み、ブリスター未開封の新品になります。リーフレットもあります。
垂直尾翼には『オ-9013』と識別記号が入ってるので・・・なんで鹿屋(かのや)なのに『オ』? と思って調べてみたところ、アメリカから供与されたJRF-5は、昭和30年10月に鹿児島県の鹿屋基地の鹿屋航空隊に配備されてるのですが、2カ月後の12月には、鹿屋第2航空隊(後に大村航空隊になる)が新編されてそちらに移管されてます。
昭和32年には、鹿屋第2航空隊は長崎県大村基地に引っ越して佐世保地方隊大村航空隊になります。
海上自衛隊のJRF-5は昭和30~32年の間は『カ-901〇』のテールコードだったのですが、その後、『オ-901〇』に変わります。『オ』の時は大村航空隊なので、それを鹿屋航空隊と呼ぶのは変なよーな気が・・・。
『オ-9013』は、昭和36年まで現役で使用されました。その後、千葉県柏市の下総航空基地で教材として使用され、屋外展示。
展示中にボロボロになった『オ-9013』をアメリカ人のトム・ダナハーさんが引き取り、マッキノン・エンタープライズ社で修復&改修。エンジンをターボエンジンに更新し、フロートを主翼引き込み式に変更。型番もG-21Gに代わります。アメリカの民間機として再登録され、持ち主を転々としながら健在。機体全体を真っ白に塗り、赤いラインを引かれて、N70ALの登録番号で2004年まで飛んでた模様(写真がたくさん残ってます)。
2009年頃から再び屋外展示機になったのですが、2014年にアメリカ人の金持ちが購入。9年かけてフルレストア。主翼と胴体のレストアとエンジンの換装、コックピットパネルが交換され、電子機器を現在のアメリカの航空法の規格に更新。
2022年にレストアを終え、飛べるようになりました。70年前ぐらいの機体なのに、未だに現役。凄いな、13号機!
◆趣味のグラマンJRF-5グース
グラマン社の水陸両用飛行艇G-21は、第2次世界大戦前、お金持ち向けに開発された民間機でした。
優秀な性能だった為、アメリカ陸軍航空隊(※後のアメリカ空軍)に偵察機としてOA-9の型番で採用されます。
その後、アメリカ海軍も輸送機としてJRF-1の型番で採用します(J:雑用、R:輸送、F:グラマン社の記号)。
人員輸送機、救難機、偵察機と幅広い用途に使われました。
イギリス空軍も救難飛行艇としてG-21を採用。勝手に『グース』と名付けます(飛行機を型番で呼ばない国、大英帝国)。
飛行艇なので海面に降りる事が出来ます。なので撃墜された英軍機のパイロットの救助に使われました。
2発の飛行艇ですが、タイヤも持ってて、水面だけでなく、滑走路からの離着陸も可能な水陸両用機です(便利ですね)。
海面に着水し、落とされたパイロットを救助。そのまま飛んで、今度は陸の飛行場に着陸。救助者は救急車で病院に向かうとゆー。
海面に降りられるため、救難機としての用途に優れてます。アメリカ沿岸警備隊も採用し、救難機として使用しました。
G-21は購入者によってマチマチな名前で呼ばれてるのですが、沿岸警備隊はアメリカ海軍と同じJRF-〇〇を採用してます。
JRF-1がアメリカ海軍機。
JRF-2がアメリカの沿岸警備隊採用の救難機。担架積載機能あり。
JRF-3が寒冷地仕様機。
JRF-4が翼下に爆雷を装備出来るようにしたもの。
JRF-5は、エンジンを換装した量産型でJRF-2~5までの改良機能を全部搭載したタイプ。
戦後、海上自衛隊に10機が供与されました。内、稼働機が4機で残りの6機が部品取り用です。
この4機は対潜哨戒機として自衛隊に供与された当初は米軍機と同じネイビーブルーに塗装されてたのですが、後にグレーに塗り直されました(※シークレットが塗りなおされた後のグースです)。
機体側面に『海上自衛隊』の白文字が入ってます。
機首に『13』、垂直尾翼に『オ-9013』とマーキングされてるので、3号機になります(海上自衛隊のJRF-5はオ-9011~9014の4機が存在)。
F-toys製なので、出来も素晴らしく、モールドも細かく、塗装も鮮やかです。
全長:約8cm
組立はプロペラの差し込みと、コックピットの差し込み、アンテナの取り付け、タイヤの組立です。
タイヤは部品の差し替えで飛行・着水状態と着陸状態のどちらかを再現できます。
写真の1枚目は、箱と中身全て。
写真の2枚目は、組立見本。
写真の3枚目は、ブリスターの上から。
写真の4枚目は、リーフレット。