歳末セール③です。どれも最近のお土産品ではなく、昔蒐集した今では出会えない品々で、時代や品質については保証します。
こちらは先日一度出品したのですが、良い布ですので歳末セールにと思い、出品途中で取り消しました。コレクター向きの品で、希少さを考慮すると大変リーズナブルだと思います。インドネシア染織がお好きな方に引き継いでいただければと願ってます。
高温多湿の熱帯地方インドネシアで100年以上も前の染織は、本当に残っていないものです。この布は、19世紀末の古布であることを100%保証します。観光客向けの土産品ではなく、高い技術で織られたプリミティブな布です。
これは、インドネシア スマトラ島南部 ランプン州(クルイ地方)の「タンパン」という祭儀用布です。結納品の包み布や新築の際に梁の上に置く魔除け布などとして用いられました。中央部分は、非常に緻密な縫取織がほとんど隙間が無いほどびっしりとなされ(5枚目画像)、周辺部分(6枚目画像)には、浮織が織り込まれています。織り込まれている文様は、死者の魂を天上界に運ぶ霊船文を具象化した文様と祖先・死者であるとされる人物文です。「スマトラ島 タンパン」で検索しても、時代のあるタンパンは、博物館所蔵のもの以外ほとんど出てきません。中でも、このタンパンを選別してコレクションに入れていたのは、以下の3つの理由からです。
まず第一に、織りの緻密さ(密度)と大きさです。白い部分が僅かしか見えないほど、織りの入ったタンパンは少ないものです。更に、正方形の包み布タンパンは、通常40〜50㎝ぐらいのサイズですが、この布は、約84×77㎝(2枚目画像)と大きさがあります。
次に、タンパンの大部分は木綿のみですが、このタンパンは絹と木綿で製作されている点で希少です。7枚目画像や8枚目の繊維の10倍アップ画像から、大部分を占める黄色(おうど色)の縫取織部分は、光沢のある絹糸であることが分かります。
最後に、タンパンのほとんどは、赤茶色や藍色の糸を使って文様が織り込まれていますが、この布のように黄色(おうど色)主体のタンパンは数少なく、あまりありません。この黄色は、ハヌバンと呼ばれる木の樹皮から染色したもので、上質な長い霊船布の染料の一部にも使われている貴重な染料ですので、このサイズのタンパンにはほとんど使われません。
状態ですが、タンパンは通常、その用途から、ボロボロになって一部しか残っていないことが多い布です。このタンパンは、下部の左右に傷み(全体画像や3、4枚目の2分割画像の白い部分)があります。傷み部分のアップ画像(10枚目画像)で状態をご確認ください。この布の時代を考慮すると、全体が残っており許容範囲の傷みかと思います。各画像から確認できる他に、透かして分かる経年による繊維の摩耗や汚れがございますので、古布にご理解のある方のみ、ご入札をお願いいたします。
これほど時代のあるインドネシア染織には、今では出会えないものです。昔のコレクション整理のため、大変リーズナブルかと思います。プリミティブな布がお好きな方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。
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