『ベルリン時代のチェリビダッケ』
ついにRIASオリジナル・マスターより望みうる最高の音質でのCD化が実現!
ガーシュウィン:
・ラプソディ・イン・ブルー
ラヴェル:
・スペイン狂詩曲
ヒンデミット:
・ピアノ協奏曲 (1945) ドイツ初演
ブゾーニ:
・ヴァイオリン協奏曲
ケルビーニ:
・『アナクレオン』序曲
コープランド:
・バレエ音楽『アパラチアの春』、ほか
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
セルジウ・チェリビダッケ(指揮)
抜群の高音質復刻で評判を呼ぶauditeの「ドイチュラントラジオ・クルトゥーア・エディション」に、またまた大物が登場します。
チェリビダッケがベルリン・フィルほかを指揮したCD3枚組セットの内容は、1948年から1957年の間にRIASによってライヴならびにセッション収録されたすべての音源を集めたものです。
【チェリビダッケとベルリン・フィル】
セルジウ・チェリビダッケ[1912-1996]は、地元ルーマニアの大学で哲学と数学を学んだのち、1936年にベルリンに赴き、ベルリン音楽大学で、フーゴ・ディストラーに対位法を、クルト・トーマスとフリッツ・シュタインに音楽理論を、ヴァルター・グマインドルに指揮法を、そしてハインツ・ティーセンに作曲を師事しています。
フルトヴェングラーを心から尊敬していたといわれるチェリビダッケは、第2次大戦後に指揮活動を禁止されたフルトヴェングラーの代役として、1945年にベルリン・フィルの首席指揮者として迎えられ、以後7年間ベルリン・フィルを指揮、1952年にフルトヴェングラーが終身首席指揮者として復帰した後も支え、1954年までベルリン・フィルの復興再建に尽力しました。
【キャリア初期の貴重なドキュメント】
チェリビダッケはごく少数の例外を除いて、レコーディングには否定的な立場を取り続けたことでもユニークな存在でした。ようやく死後に解禁された晩年のライヴ演奏では、ミュンヘン・フィルとのブルックナーなどに代表されるように、入念なリハーサルによる徹底して磨き抜かれた表現と、極端に遅いテンポの採用に特徴が顕著ですが、ここでは、オケに厳しいリハーサルを要求した「完璧主義者」チェリビダッケの一貫した姿勢が垣間見られると同時に、まだ比較的まともなテンポ設定で演奏が行われている点にも気付かされます。
【ガーシュウィン、ヒンデミットそしてラヴェル】
録音嫌いのチェリビダッケの遺したRIASのアーカイヴはキャリア初期のドキュメントとしても貴重なのはもちろんですが、その収録内容もベルリンで活躍していた時期ならではともいうべきたいへん興味深いものとなっています。ピアノの即興演奏などからも知られるように好んでいたガーシュウィンや、精妙なグラデーションにより、かねて得意なことで有名なラヴェル。演奏効果の上がることから、チェリビダッケがコンサートのオープニングのプログラムに組むことが多かった『アナクレオン』序曲のほか、ナチ政権下で演奏を禁じられていたヒンデミットと、その弟子ゲンツマーの作品などが取り上げられています。
【「チェリビダッケの師」ティーセンによる作品】
上記のように、ベルリン音楽大学でティーセンに作曲を学んだチェリビダッケは、1957年、師ティーセンの70歳の誕生日の機会に、ベートーヴェンの第7交響曲をのぞいて、すべてティーセンの作品のみを演奏するためにベルリンへ帰還しました。
ハインツ・ティーセン[1887-1971]は、チェリビダッケに意見できる数少ない人物のひとりで、米兵の誤射でレオ・ボルヒャルトが死亡し、ベルリン・フィルの首席指揮者が不在となった際に、チェリビダッケにベルリン・フィルの首席指揮者のオーディションを受けるように勧めたとも云われています。表現主義への傾向を強めた作風により、やはりナチによってマークされていたティーセンですが、こうして直弟子チェリビダッケの演奏で聴けるのは思いがけない喜びといえるでしょう。チェリビダッケが、すでに疎遠になっていたベルリン・フィルではなく、ベルリン放送響を指揮したこのコンサートは、1992年にシャウシュピールハウスでベルリン・フィルを指揮してブルックナーの第7交響曲を演奏するまでの間、結果的にチェリビダッケにとっての「ベルリン告別」演奏会となりました。
【ベルリンRIAS正規マスターを初めて使用】
ブゾーニ、ケルビーニ、ヒンデミットなど、別のレーベルから出ていたことのある演奏も含まれていますが、このセットのために、RIASのアーカイヴよりオリジナル・マスターテープが初めて利用可能となり、その結果、望みうる最高のクオリティのCD化が実現しました。
なお、時折、低域にブーンというノイズの混入がみられることがありますが、これは1948年6月24日から1949年5月12日にかけて、いわゆる「ベルリン封鎖」によりティタニア=パラスト上空が大渋滞を起こしていたことによるもので、この演奏が行われた当時の時代背景をなまなましく感じさせるものといえるでしょう。(キングインターナショナル)
CD1 (70:12)
・ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
ゲルハルト・プッヒェルト(ピアノ)
RIAS交響楽団
録音時期:1948年10月20日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティタニア=パラスト
録音方式:モノラル(ライヴ)
・ラヴェル:スペイン狂詩曲
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1948年10月14日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティールアレー・ゲマインデハウス
録音方式:モノラル(セッション)
・ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲 Op.35a
ジークフリート・ボリース(ヴァイオリン)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1949年5月9日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティタニア=パラスト
録音方式:モノラル(ライヴ)
・ケルビーニ:『アナクレオン』序曲
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1949年3月7日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティタニア=パラスト
録音方式:モノラル(ライヴ)
CD2 (80:48)
・ヒンデミット:ピアノ協奏曲 (1945) ドイツ初演
ゲルハルト・プッヒェルト(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1949年9月5日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティタニア=パラスト
録音方式:モノラル(ライヴ)
・ゲンツマー:フルートと室内オーケストラのための協奏曲 (1944)
グスタフ・シェック(フルート)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1950年12月9日
ベルリン=ダーレム、イエス・キリスト教会
録音方式:モノラル(セッション)
・コープランド:バレエ音楽『アパラチアの春』
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1950年4月4日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティタニア=パラスト
録音方式:モノラル(ライヴ)
CD3 (65:15)
・ティーセン:ハムレット組曲 Op.30
・ティーセン:サランボー組曲 Op.34a
・ティーセン:交響曲第2番 Op.17『死してなれ』
ベルリン放送交響楽団、合唱団
録音時期:1957年10月7日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティタニア=パラスト
録音方式:モノラル(ライヴ)
・シュヴァルツ=シリング:弦楽オーケストラのための序奏とフーガ(世界初演)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1949年4月11日
録音場所:ベルリン=ダーレム、ティタニア=パラスト
録音方式:モノラル(ライヴ)
セルジウ・チェリビダッケ(指揮)
コンディション良好。
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