カッコいい。パワフルなフィリー・ジョー・ジョーンズのドラミングに乗ってメンバー全員が超ハイテンション
な演奏を繰り広げている。独のピアニスト、ヨアヒム・キューンの奔放なプレイ
にも注目今日までこの作品の演奏にある一種の荒れ具合が良いように評価されてきたように思うが、
なかではフィリー・ジョーの予想を超えたパンキッシュでドシャメシャした演奏が、個人的には下降線の
トップスターが魅せる何ものかを感じさせて好きだ。しかしそんな勝手な憶測よりも本作で
よりも本作のこの面子による壊しぶりが当時の世相を反映したものとして今日では感慨深いところ。
所謂、前衛モードであるが、本作ではそれが観念的ではなくもっと肉体的なそれであって、しかもそれが
ヨーロッパ産にも関わらず決して暗くならず一種若々しい
爽快感があることの方が重要だろう。なんだか陽気なのだ。リーダーであるハンプトン自身のプレイは、
決して荒れてはいないし、いい意味でいつもの彼らしいプレイだが、そのパンキーなバンドと堅
ハンプトンとのミスマッチともつかない妙なバランス感覚で本作は成り立ヨアヒムらしさはこの作品によく
顕れていて全体の壊れたカラーも彼が出しているが、やはり本作のハンプトンの面白さぶっ飛んだ
ペデルセンに尽きる。絶妙な乗りとズレが交互に織り交ぜられた二人のユニークなラインはどの
曲でも絶妙だ。バンドがデ・クレッシェンドした時にスッと出てくる味のあるフレーズは彼ら
一流。CD発売を素直に喜びたいので星5つといったところです。音も良かった。
| 1 イン・ケース・オブ・エマージェンシー
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| 2 ラスト・ミニッツ・ブルース
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| 3 チョップ・スーイ
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| 4 ラメント
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| 5 インポッシブル・ワルツ |