ご存知のように、伝説的な木辺鏡が組み込まれた日本天文学の歴史的名機(1970年製 No4572)です。
木辺氏のサインがミラーに刻まれています。
文化財的価値がありながら、日本のシーイング条件では経験的に眼視観測で最も成果を出しやすいとされる口径15㎝で、しかも庭やベランダなどにも持ち出しやすく取り回しの良い経緯台(鏡筒と架台を簡単に分離できる)なので、実際の観測にも理想的です。
タカハシのアメリカンサイズのアイピースアダプターを着けてありますので、高性能アイピースで実際に土星をのぞいてみると、その素晴らしい解像度の高さには驚くばかりで、博物館に陳列しておくだけではもったいないです。
星見の趣味として、究極のロマンです。
家宝のようなものなので、出来れば手渡しでお譲りしたいと思いますので、九州内の高速PAなどでの引き渡しが希望ですが、発送も可能です。
15cm F7.7 ニュートン式反射経緯台
ファインダー(対物蓋付)、鏡筒用筒先蓋、主鏡用の蓋、接眼部二重式ドローチューブ、三脚載物台付。
各軸や接眼部等はスムーズに動作しています。年代を経たものなので3Nでお願いします。
(2025年 10月 29日 14時 01分 追加)木辺成麿を巡る人脈
* 山本一清: 京都帝国大学の天文学者であり、京都花山天文台の台長を務めた。東亜天文学会の創設者。日本の近代天文学の礎を築いた人物の一人で、当時まだ輸入に頼っていた天体望遠鏡の国産化を提唱し、その実現に貢献した。また、日本初の公開天文台となる倉敷天文台の設立に、主導的役割を果たした。
* 西村製作所: 山本一清の提唱を受け、国産望遠鏡の製造を始めた京都のメーカー。天体望遠鏡の光学系や架台(鏡筒を支える部分)の製作を手がけ、日本の望遠鏡産業を牽引した。
* 木辺成麿: 僧侶でありながら、名人と呼ばれる卓越した反射鏡研磨技術を持つ天文家。京都花山天文台に出入りし、日本の反射鏡研磨の草分けとなった天才的技師中村要から、反射望遠鏡製作の指導を受け、その製作技術を確立した。山本一清が設立した東亜天文学会の遊星面課の課長を務めて、熱心に火星面を観測した。著書『反射望遠鏡の作り方』がある。
西村製作所と木辺成麿
西村製作所は、天体望遠鏡の架台やレンズの製作を担当し、木辺成麿が反射望遠鏡の心臓部である主鏡の研磨を担当するという形で連携した。木辺成麿が研磨した主鏡は「木辺鏡」として知られ、その高い品質から多くの天文愛好家や研究機関から垂涎の的となった。
戦前から1970年代にかけて、多くの西村製作所製望遠鏡に木辺氏が研磨した主鏡が使われ、この連携から、日本の天文学史に名を残す数々の望遠鏡が誕生した。