「道元禅師」上中下・全3巻 ◆立松和平(新潮文庫)

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立松和平が泉鏡花文学賞、親鸞賞をダブル受賞した「道元禅師」上中下・全3巻(新潮文庫)です。状態は、全般にかなり良好です。送料はクリックポストで185円です。 

★内容: 仏教の革命者にして、日本曹洞宗の開祖である道元の人間と思想の全貌に迫り、その生涯を描ききった作品。第35回泉鏡花文学賞、第5回親鸞賞受賞。立松がこれまで至難とされてきたテーマに取り組み、日本から中国へ、膨大な取材と9年間にわたる執筆により生み出した記念碑的な大河小説。

<上巻>源平戦乱の余燼さめやらぬ鎌倉初期、京都の摂関家・藤原基房の娘伊子を母に、村上源氏の流れを汲む名門家の歌人・久我通具を父に生まれた道元は、瞳が二重の「重瞳の子」のため天下人か大聖人になるとの予言を受ける。幼少のうちに母を失い世の無常を身に染みて感じた道元は、真実の道を求めて出家。建仁寺で栄西の弟子・明全に師事したが、正法を求める思い止み難く宋へと向かった。

<中巻>宋の天童寺で念願の師・如浄和尚に出会い修行に励んだ道元は、心身脱落の境地を得て嗣書をさずかり印可を受けた。帰朝すると、ひたすら坐禅を行なう只管打坐によって悟りを目指すその教えを慕い、のちに永平寺二世を継ぐ懐奘らが入門してくる。道元は安嘉門院邦子内親王らの援助を得て、京都深草に興聖寺を建立。初めて自らの道場で、多くの弟子や信者を前に説法をするのだった。

<下巻>弁道生活は順調に流れ、「正法眼蔵」の執筆も進んだ。が、男女や身分による差別を否定する教えに、比叡山の弾圧は日に日に激しくなる。道元はついに京を去って、越前志比庄に下ることを決意。新たに建てた修行道場を、この国に真の仏法が第一歩を記したことを意味する「永平寺」と名づけた。道元の全生涯を描ききった大河小説、ここに完結。

★著者、立松和平は1947年、栃木県宇都宮市生まれ。県立宇都宮高校を経て、早稲田大学政治経済学部卒。在学中に「自転車」で早稲田文学新人賞。卒業後、種々の職業を経験、故郷に戻って宇都宮市役所に勤務した。1980年「遠雷」で野間文芸新人賞、1993年『卵洗い』で坪田譲治文学賞、1997年『毒―風聞・田中正造』で毎日出版文化賞、2002年歌舞伎座上演「道元の月」台本で大谷竹次郎賞、『道元禅師』で2007年泉鏡花文学賞、2008年親鸞賞を受賞。行動派作家として知られ環境問題にも積極的に取り組み、徳島県で「川の学校」の講師も務めた。小説のほか紀行文、絵本、戯曲、など純文学作家としては異例なほど著書が多い。また近年は仏教への関心を深め、その方面のエッセイも多数ある。2010年、多臓器不全で死去(享年62)。大法輪連載中だった『良寛』と、書き下ろしの小説『白い河 風聞・田中正造』が未完の絶筆となった。

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