Lost Quintet の終焉はウェイン・ショーターとマイルスにも終わりをもたらした。十日後の3月17日("Directions" の記載などは2月17日としているが疑義有り)"Duran" の収録が最後となった。ウェインのパフォーマンスに限って云えば、
本レビュー諸兄の評価は残念ながらその通りだと感じる。理由はマイルスを始めメムバーは承知かもしれないが、我我に
は想像の域の話だ。穿って考えれば「消化試合」だったかもしれない。いや、体調が悪かったのだろう・・・?
ウェインの感想を云えば、先ず音が確り出ていない。自分は奏じた事が無いので不明とは云え、肺活量と頬の筋肉を充分使
っている様には聴こえない。アイデアも絶好調時のロスト・クインテットに及んでいないだろう。しかし、録音のクオリティー
がマイルスよりかなり悪いので割を食ったと云えなくも無い。いや、録音条件は同じでマイルスがこの日超人的であったの
かもしれない。等等ウェインが気になる演奏である。但し、アルバム全体は他の低評価には頷けず最高のパフォーマンスです
ウェインについても期待が大きいだけに厳しい評価ですが、私の印象としては件の難点は極一部に付いてで有り彼のアベレージ
の高さに比しての事であります。ご自身の耳で確かめて下さい。然し、前代未聞の 2nd set "Directions” は一体何なんだろう?。
"Directions” のイントロはリズム楽器の繰り返しのメロディに続きマイルスのペットがそれを断ち切る様に食い込んでくる
二段構えの印象的な曲だ。2nd set の "Directions” は聴いた事の無いイントロ・アレンジで、マイルスのペットが馴染みのメロディを
奏でるまでのアドリブが絶妙だ。その後の展開もウェインを意識しているかのような凄まじい聴きもので興奮させて呉れるサプライズ
である
DISC 1
| 1 Directions
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| 2 Spanish Key
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| 3 Masqualero
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| 4 It's About That Time/The Theme |
DISC 2
| 1 Directions
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| 2 Miles Runs The Voodoo Down
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| 3 Bitches Brew
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| 4 Spanish Key
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| 5 It's About That Time/Willie Nelson |