
VICTOR AST-150TS
¥87,000(1960年代後半頃)
解説
SEA装置を搭載したFM/AMレシーバー。
5分割のSEA装置を搭載しています。
SEA回路はコイル、抵抗、コンデンサーによる直列共振回路で構成されており、共振周波数に対して最小インピーダンスとなることを利用した構造となっています。SEAでは、例えば60Hzと150Hzのツマミを両方動かした場合、その中間の周波数における総合特性は、その周波数における両SEA特性の和となります。
また、ディフィートスイッチも搭載しています。
イコライザー部にはICを採用しています。
パワーアンプ部にはトランス類を使用しない準コンプリメンタリーITL-OTL回路を採用しており、歪の少ない周波数特性を獲得しています。
プリアンプ部とパワーアンプ部は独立して使用できます。
2系統のスピーカーが接続できます。
テーププレイヤーが接続できるテープヘッド端子や録音・再生端子などの機能を搭載しています。
FMチューナー部にはFETを採用することで高感度化を図っています。
また、ミューティングスイッチを搭載しており、選局時の不快な局間ノイズを排除できます。
別売りでウッドケースがありました。
機種の定格
型式SEA装置内蔵ソリッドステートユニバーサルアンプ
回路方式高周波1段、中間周波4段、他励発振型スーパーヘテロダイン方式
アンテナ入力300Ω(平衡型)
受信周波数76MHz~90MHz
感度(IHF)1.2μV(84MHz)
イメージ比70dB以上(84MHz)
S/N比60dB以上(100%Mod、1mV入力)
周波数特性10Hz~20kHz ±1dB
歪率0.8%以下(100%Mod)
回路方式バランス検波型、スイッチング方式
セパレーション40dB以上(1kHz)
歪率0.8%以下
フィルターSCAフィルター搭載
回路方式自動発振型スーパーヘテロダイン方式
受信周波数535kHz~1605kHz
感度(IHF)30μV(1000kHz)
イメージ比45dB以上(1000kHz)
アンテナバーアンテナ使用
回路方式準コンプリメンタリーOTL方式
ミュージックパワー60W(30W+30W、歪率1%、1kHz)
実効出力50W(25W+25W、歪率0.5%、1kHz)
周波数特性30Hz~30kHz ±0.5dB(Aux)
歪率0.1%以下(出力22W、1kHz、片チャンネル)
0.1%以下(出力1W、1kHz、片チャンネル)
入力感度/インピーダンスMag:1.5mV/50kΩ
Aux:115mV/100kΩ
Main:1V/100kΩ
Tape head:1.5mV/150kΩ
Tape play:115mV/100kΩ
X-tal:140mV/1MΩ
SEAコントロール60Hz、250Hz、1kHz、5kHz、15kHz
各±10dB
ラウドネスコントロール
(Volume -20dB)+6dB(100Hz)
+6dB(10kHz)
S/N比(Volume max、
トーンコントロール中点、
実効出力時)MAG:-70dB
Aux:-75dB
Tape head:-70dB
イコライザーNF型RIAA
残留雑音0.5μW以下(8Ω)
出力端子スピーカー:4Ω~16Ω
付属回路同調指示メーター
FMモノ-ステレオ自動切換ランプ
AFCスイッチ
FMミューティングスイッチ
SEA装置切換えスイッチ
テープモニタースイッチ
モードスイッチ
ラウドネススイッチ
スピーカー切換スイッチ
プリメイン端子
ステレオヘッドホン端子
DIN録再端子
パワートランジスタ保護回路
使用半導体トランジスタ:32個
FET:1個
IC:1個
ダイオード:24個
電源電圧AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz
ヒューズ定格3.3A
消費電力無信号時:17.5W
定格:60W
最大出力時:125W
外形寸法幅508x高さ112x奥行335mm
重量11kg
メンテナンス済
フルオリジナルの実動品です。
幅約51センチで通常デッキサイズよりも横長です。
ブラックフェイスに浮かび上がるスケールと相まって非常に迫力が有ります。
ラジオ受信感度良好でシグナルも点灯します。
コーション文字は常に電源を入れると点灯しており異常の場合には文字下部に点灯ランプが別に有ります。
調整ツマミ、フェーダー、各所スイッチ共に全て機能しております。
(バランス調整ツマミの文字とボリューム調整ツマミの文字薄いです)
ヴィクターシーシステムイコライザーを搭載した非常に貴重なヴィンテージ機で現存する物、ましてや実動するものは少ないと思われます。
現在のところ問題無く動いておりますが発売から半世紀は経た機種である為
ノークレームノーリターンでよろしくお願い致します。