【 奪い合い必死 】
「カロン・セギュール」の歴史はたいへん長く、
ワイン造りの事実を記す文書は12世紀まで遡ります。
18世紀、セギュール侯爵ニコラ・アレクサンドルは、五大シャトーの「ラフィット」や「ラトゥール」と共にこの「カロン・セギュール」を所有。
侯爵が『われラトゥール、ラフィットを造りしが、我が心カロンにあり』と
その思いを最愛の“ハートラベル”に込めたことはあまりにも有名な話です。
『偉大なカロン・セギュールは何十年も続く可能性を秘めている』
とワイン・アドヴォケイトでは大絶賛されています。
愛らしいラベルとは裏腹に長い熟成期間を経て花開く、力強さを伴った硬質ワインと評されているのです。
クラシカルなボルドースタイルを貫き
『サン・テステフのシャトー・マルゴー』
とも例えられ人気を誇るシャトー・カロン・セギュール。
安定した品質と長期熟成にも耐え得る堅牢なスタイルは、常にボルドー・ラヴァーから高い評価を得ています。
ハートをモチーフにした愛らしいラベルゆえ
ここ日本でもホワイトデーや結婚式の引出物、大切な贈り物としても人気の赤ワインです。
『品質のためにやるべきことは全てやる』
という徹底した品質主義はシャトーの根底に根付き
20世紀に入り五大シャトーに匹敵する程のワインを生産し、大きな成功を成し遂げています。
畑は、サン・テステフのシャトーの中でも最も北に位置しているのも特徴。
手摘みで丁寧に収穫されたブドウは、手作業にて選果されたのち、約20ヶ月の新樽熟成を経ます。
2007年はボルドーの秀逸年。
温暖な春と冷涼な夏によって
※ハングタイムが歴史上最も長くなった
貴重な優良ヴィンテージです。
(※ブドウが樹に実ったままの状態で過ごす期間を指します。これによりブドウはより長く成熟し、風味豊かに実る)
完璧に実ったカベルネ・ソーヴィニョンを
厳しく選果したことにより
クリアな果実味と優美なストラクチャーを備えた
グラン・ヴァンが産まれました。
熟成は既に18年。
グラスをゆっくりと回しながら空気を含ませると、
しなやかな果実の風味がより強調され
非常にシルキーな口当たりとエレガンスが感じられるワインです。
最良を求めるボルドー・ラヴァーが欲しがり、
価格が上昇し始めている人気銘柄ゆえに
奪い合いは必死。
ブドウ品種は
カベルネ・ソーヴィニヨン 65%
メルロ 23%
プティ・ヴェルド 2%
長熟のポテンシャルを十分に備えており、
よりエレガントでクラシックな味わいへと変化していくでしょう。
濃いガーネットの外観。カシスやブラックチェリーの黒系果実とエスプレッソや葉巻などのスパイスのニュアンスが漂います。
凝縮感のある果実味が勢いよく広がり
明るい酸と繊細なタンニンがストラクチャーを形成。
肉付きは良く濃密な果実の風味が特徴です。
余韻には杉、カカオやミントなど様々なニュアンスが感じられ
鼻腔を心地良くくすぐります。
長い余韻も秀逸です。
シャトー・カロン・セギュールは全生産量の約3割程しか造られていません。
残りは格下げワインとなるため、現存する貴重なバック・ヴィンテージとなります。
若い時にはその真価が完全に表現されませんが、
十分に熟成され飲み頃を迎えたカロン・セギュールの味わいは実に見事。
完璧なボトル・コンディションであり、
いつ価格が跳ね上がるかわかりません。
セラー・コレクションとして非常に価値の高いサン・テステフの傑作です。