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11CD
ブルックナー交響曲全集
デニス・ラッセル・デイヴィス&リンツ・ブルックナー管弦楽団
ドイツ・ソニーからデニス・ラッセル・デイヴィス&リンツ・ブルックナー管によるブルックナーの交響曲全集が登場。
この全集は、ORF(オーストリア放送協会)によって、リンツ・ブルックナー管の本拠地であるリンツ・ブルックナーハウス大ホールで実際の演奏会をライヴ収録した音源を使用したもので、かつてARTE NOVAレーベルから単品リリースされていました。
【デニス・ラッセル・デイヴィスとヨーロッパ】
アメリカ生まれのアメリカ育ちで、ルチアーノ・ベリオ[1925-2003]のもと現代音楽バリバリだったデニス・ラッセル・デイヴィスが、ヨーロッパに移り住むきっかけとなったのは、ネーデルランド・オペラでの『ペレアスとメリザンド』の指揮でした。
この公演はもともとベリオの親友でもあるブルーノ・マデルナ[1920-1973]が指揮する予定だったのですが、直前にマデルナが53歳で亡くなってしまったため、ベリオの弟子筋のデニス・ラッセル・デイヴィスに代役が依頼されたというものです。
1974年にアムステルダムでおこなわれたその公演の聴衆の中には、高名な演出家のハリー・クプファー[1935- ]がおり、デニス・ラッセル・デイヴィスを気に入ったクプファーは、ヴォルフガング・ワーグナー[1919-2010]に連絡、ヴォルフガングは1977年にシュトゥットガルトでおこなわれたハンス・ヴェルナー・ヘンツェの反戦オペラ『われわれは川に来た』の上演に出かけてデニス・ラッセル・デイヴィスを高く評価、1978年のバイロイトで『さまよえるオランダ人』を指揮するよう依頼し、ハリー・クプファーの演出で3年連続で上演される大成功となります。
このバイロイトの成功で注目を集めたデニス・ラッセル・デイヴィスのもとに、シュトゥットガルト州立歌劇場音楽総監督兼シュトゥットガルト州立管弦楽団音楽監督という重要な職務への就任要請が舞い込み、1980年にドイツに移住することとなります。
その後、1996年にはオーストリアに移り、以後、現在に至るまで、コンサートやオペラの指揮に加え、夫人の滑川真希とのピアノ・デュオもおこなうなど幅広く活躍。
【デニス・ラッセル・デイヴィスとブルックナー】
ハイドン交響曲全集がベストセラーを記録、フィリップ・グラスの交響曲ボックスも話題となったデニス・ラッセル・デイヴィスの音楽は、古楽から現代音楽に至る豊かな演奏経験を反映した柔軟で視野の広いものです。
このブルックナーの交響曲全集は、デニス・ラッセル・デイヴィスが2002年に音楽監督に就任したリンツ州立劇場のオーケストラである「リンツ・ブルックナー管弦楽団」を指揮したもので、オペラとコンサートの両方に手腕を発揮する楽員たちと共にブルックナーの楽譜に誠実に向きあい、適切なリズムと繊細なフレージング、声部バランスによって各パートが十分に聴こえる演奏を実現しています。
楽譜のヴァージョンが多数存在するブルックナーの交響曲について、デニス・ラッセル・デイヴィスはそのすべてを指揮してみたいとも語っていますが、ここでは全10曲、レオポルト・ノヴァークが校訂した楽譜を使用し、ヴァージョンについては第4番と第8番のみ初期稿、ほかの8作品では一般的なヴァージョンを選んで演奏しています。