ヨーゼフ・ディートリヒ(Josef Dietrich)は、柏・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字章を受章した武装親衛隊上級大将です。愛称はゼップ(Sepp)。ディートリヒは1928年ナチ党入党後に親衛隊に入隊、その後ヒトラーの台頭につれて昇進を重ね、1934年には「ライプシュタンダルテ(身辺護衛連隊)・SS・アドルフ・ヒトラー」(Leibstandarte SS Adolf Hitler, 略称LSSAH)の連隊長となっています。第二次大戦では、ポーランド戦、西方電撃戦、バルカン半島戦、バルバロッサ作戦と連戦し、クルスク戦車戦後にライプシュタンダルテ師団長職から転属しています。その後、第1SS装甲軍団の軍団長としてノルマンディー、アルデンヌの戦いに参加、ハンガリーの戦いで米軍に投降しています。 軍事に関しては素人ながら、クルト・マイヤーやテオドール・ヴィッシュなどの優秀な部下たちが奮戦してディートリヒを支えました。ディートリヒには軍事知識の無さゆえの逸話がいくつもあり、ビットリヒがディートリヒに戦況を詳しく説明したが、まるで理解していなかった話、マンシュタインがディートリヒの軍事知識の無さに唖然とした話など事欠きません。それでも、将兵には絶大な人気があり、「パパ・ゼップ」と呼ばれて親しまれました。