1960年代の銘品 IWC インターナショナル Ref:848A です。
「848A」は、当時のIWCにおけるドレスウォッチの中では比較的に珍しいラージケース(36.5mm)のモデルです。
ペラトン式オートマティックの完成形となった Cal 8541搭載のこのモデルは、前機の8531に比べてハック機能(竜頭を引くと秒針が止まる)やカレンダーのクイックチェンジ機能が備わり、より実用性に長けたムーブメントです。1960年代の”オールドインター”と呼ばれるシンプルでありながらも存在感があり、且つ普遍的な美しさを持った魅力的な時計です。また当品にはGay Frres社製 ライスブレスレットが付帯した秀逸な個体です。
~ペラトン式自動巻きについて~
1950年代、当時IWCの設計部長だった時計師のアルバート・ペラトンによって開発された自動巻き機構のことで、最初に開発されたCal.85から最終型のCal.854まで基本的な設計は同じというほど完成されたムーブメントです。ハート型カムを使った両方向巻上げ機構は、ローターの少しの左右の振れによっても効率よくゼンマイが巻上げられ、しかも耐久性に優れ故障が少なかった事からも、とても優れた設計であると定評のあるムーブメントです。
~当品の状態について~
ケースは経年使用による小傷が全体的に複数見られますが、特に目立った深い傷や打痕はありません。オリジナルのダイヤルは1時方向の際に薄めのシミがありますがそれほど目立ちません。中心が盛り上がったボンベ型ダイヤル、ドーフィン型の針やアップライトのバーインデックスも綺麗で艶があります。ダイヤル円周のドットタイプのミニッツマーカーはひとつひとつ金属球を埋め込んだ“パールドロップ”仕様で、汚れもなく一粒一粒に輝きが残っています。風防は経年による小傷はありますがプラスティックの劣化によるヒビ割れもなく綺麗で透明度が高いです。
~動作について~
現状特に問題もなくとても安定動作しています。2024年(令和6年)1月にオーバホールをしています。ハック機能や竜頭の巻加減や針回し動作にも問題はありません。カレンダーのクイックチェンジも正常に動作します。(針を回して日付が変わる12時付近で針を前後して変更します)今回改めてタイムグラファーを使って数値をチェックしましたが、歩度は+5秒前後/日(身につける人の動作傾向や姿勢差によっても変動します)テンプの振り角も220度前後出ていますし、ビートエラーも殆どありません。自動巻きの巻上げ機能も良好です。実用的な日常時計としても問題なくお使いいただけるかと思います。
以下
当該品の主なスペックです。
メーカー:IWC (International Watch .Co Schaffhausen)
年式:1964年〜66年頃
材質:ステンレススティール
ケース径:幅36.5mm(竜頭を含まない)縦44.5mm(ラグを含む)厚み10.2(風防含む)
ムーヴメント:IWC キャリバー8451
機能:自動巻き(ペラトン式 両方向巻上げ)
石数:21石
振動数:19,800ビート/時(5.5振動/秒)ちらネジ式テンプ
耐震性:インカブロック付き
防水性:日常生活防水 *(ヴィンテージウォッチの為、現状の防水性能には期待できません)
風防 : プレキシガラス
文字盤色:シルバー Pearl -Drop仕様のミニッツマーカー
付帯ブレスレット :Gay Frres社製 ライスブレスレット FF:1A
材質:ステンレススティール
生産国:スイス
なにぶん50年以上前に作られた製品です。ヴィンテージウォッチにご理解がありお好きな方にお勧め致します。ご購入後は迅速で丁寧な対応を心がけ、安全を配慮した梱包にて発送致します。到着当初からの不動や輸送時の破損など以外はノークレーム・ノーリターンでお願いいたします。ただし動作に関しましては、お使いになってみて「あまりに時間精度が悪い」(日差1分以上)や、「手でゼンマイを巻いてもすぐに止まってしまう」などは、取引が終了した後でも、3週間以内であれば「取引メッセージ」よりご連絡を頂ければ、初期不良として適宜修理の対応をさせていただきます。