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こころの声を聴く　河合隼雄対話集　山田太一　安部公房　谷川俊太郎　白洲正子　沢村貞子　遠藤周作　多田富雄　富岡多恵子　村上春樹ほか

子供、老い、自己、性、宗教、物語――本をめぐり、作家や詩人たちと深く語った対話集。

〈身体まで反応するような本にめぐり会ったときは、嬉しくて仕方がない。その上、著者とお会いできたのだから、こんなに幸いなことはない〉。
ユング心理学の第一人者が、日本を代表する作家や詩人、学者、医者たちと著書をめぐり語り合う。テーマは子供、老い、自己、性、魂、宗教、物語など。対話は次第に深まって、無意識の領域にまで分け入ってゆく。こころの謎が解ける対話集。

【目次】
読書のよろこび、語り合うたのしみ:河合隼雄
1:魂のリアリズム/対話者:山田太一
2:境界を越えた世界/対話者:安部公房
3:常識・智恵・こころ/対話者:谷川俊太郎
4:魂には形がある/対話者:白洲正子
5:老いる幸福/対話者:沢村貞子
6「:王の挽歌」の底を流れるもの/対話者:遠藤周作
7:自己・エイズ・男と女/対話者:多田富雄
8「:性別という神話」について/往復書簡:富岡多恵子・河合隼雄
9:現代の物語とは何か/対話者:村上春樹
10:子供の成長、そして本/対話者:毛利子来
[解説]対談の比較論:テッド・グーセン(ヨーク大学準教授)

【著者の言葉】
二人の人がそれぞれ自分の世界、自分の意図をもって「語る」とき、それは「語り合う」ような相互作用をもつだろうか。下手をすると、それぞれの世界の並列、つまり、「語り放し」にならないだろうか。そうならないためには、対話をする人は自分自身の世界を確実にもっていながら、幾分かはそれを相手に対して「開く」ことが出来ねばならない。そして、それぞれが異なる世界をもつことを認め合った上で、なおかつ共通の何かを見出したりつくりあげたりしようとする意図が、ある程度はなくてはならない。ここに「ある程度」とわざわざ書いているのは、そのような意図が強すぎると、対話の「妙」が消えてくる。……(本書「読書のよろこび、語り合うたのしみ」より)