
御存知!名手山木秀夫参加 奇才名手故近藤等則・IMA 前衛系Jazz/Rock・テクノ・ファンク・和楽/雅楽融合大傑作「Human Market」国内盤中古でございます。
盤に擦り傷。ジャケットに経年の黄ばみと汚れ、表右下に爪痕。また詳細クレジット表にも汚れと爪痕がございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは興味深い名手揃い。
故近藤等則(Trumpet、Vo)、富樫春生(Key)、山木秀夫(Ds、Per)、Reck(Friction):(G)、酒井泰三(G、B)となります。
ゲストに和楽器奏者、バックコーラスの参加がございます。
プロデュースは故近藤等則自身。
録音は神奈川県川崎”Metal Box Studio”、追加録音は米国ロサンゼルス”Mowgli Studios””One on One Recordings”となります。
尚ミキシングは米国ロサンゼルス”Conway Studios””Record Plant ”、同ニューヨーク”Quad Recordings Studios”、東京”Delta Studios”(CM用楽曲のみ)となります。
マスタリングは米国ニューヨーク”Masterdisk”にてHowie Weinbergによるものでございますが、CD用を含めたディジタル・マスタリングは東京にて、がミソでございます。
さて今作。
かの渡辺香津美”MOBO倶楽部”~今作参加の名手山木秀夫、笹路正徳らによる”Kazumi Band”~かの名手Bill Brufordとの”Spice of Life”プロジェクト、
そしてその名手Bill Bruford率いる”Bill Bruford's Earthworks”に繋がる音楽性でございます。
されど、”Crossover”や”Jazz/Fusion”というよりは「前衛系の鋭角さを持つJazz/Rock」という感。
それも雅楽・和楽やファンク的な要素を練り込み、前衛性とテクノ性の鋭い感覚を強めた色彩感溢れる音楽性でございます。
また大衆性も持ち合わせるという不思議なもの。
CMに使用された楽曲のみならず、重い雰囲気を纏う昔のムード歌謡的な音楽性をジャズ/テクノ感覚で仕上げた楽曲をも含み、
ごった煮感があるものの非常に綿密に整った作品でございます。
「Milesが造るジャズが、明日のジャズになる」と言われた巨匠名手故Miles Davisが七十年代中期に「ミュージシャン特有の私生活問題」で活動停止。
半年程で治療・復帰の予定が大幅に伸びてしまい、復活は八十年代。
復活し新バンドを構築、新たにシーンに乗り込むものの嘗ての様な時代の先を走る鋭さは消え、以前同様奉られるものの嘗ての様な時代を牽引する姿は見られなかった当時。
されど、新しいジャズを模索する姿は同じ。
その故Miles Davisの指向したアイデアを発展させた感のある今作でございます。
”Crossover”から”Jazz/Fusion”へ、そして七十年代後期から日本での再評価や若手ミュージシャン新作制作も絡み、名手Wynston Marsalis登場で大きなうねりとなる”モダン・ジャズ復興運動”、そして八十年代。
当時は”ポピュラー系ジャズ/フュージョン”が飽和状態になりつつある時代。
そして日本が大きな転換点となる”バブル経済”へと突入した時期。
上記のWynston Marsalis提唱の”モダン・ジャズ復興運動”に対して、「彼は音楽を演奏しているのを見た事がない」「彼は音楽の発展を妨げようとしている」と辛辣な意見が投げつけられる中で、
「ジャズの進化とは何か?」「ジャズの自由とは?」を体現した感がございます。
当時様々な音楽分野で海外制作が話題となりましたが、ミキシングやマスタリングを日本国内で行うと結局音が甘く緩くなり意味がない、との指摘がございました。
それを鑑みた感のある制作ではございます。
制作は国内の自身所有のスタジオであっても、ミキシング及びマスタリングを当時の海外の第一線級スタジオやエンジニアで行う。
勝手知ったる自身のスタジオで創作、音の調整は海外の一線級で近藤等則自身が望む音の色彩感・躍動感含めた鋭さを加える、という感がございます。
当時は未だレコードが主流という時代。CD用マスタリングは日本にて、というもの。
時代を感じさせるものでございます..................................................
後にかのDavid Sylvianとも活動をする前衛系ジャズ・トランペット奏者Nils Petter Molvael等々が大きく注目を浴びる事となりますが、その登場の礎になった感がございます..............................
今尚、鋭さを伴う新鮮さを持つ作品でございます...........................................
現在では入手困難。この機会に是非。