ポップス(=サッチモのもう1つの愛称)のオハコを集めて歌ったとかではなくて、彼女のVerve時代の貴重なシングル盤を網羅した、リラックスして聴ける楽しい2枚組だ。表紙には第1集と銘打っているが、
今に続くまで、第2集が発売されたというハナシは聞けないまあ―、このセットだけでもかなりの
ヴォリュームだし良しとしますか!? ♪ヴァーヴの間ということで、録音は'56年から'67年までという長き
に渡が、やはり最初の年間の音源は、ジャズはないウィングのうちのエラらしい番号がならぶ
―中にはオムニバスLPにも入っていた#3,6や、レディ・デイのキャピトルへの吹き込みを彷彿とさせる
#14なんかが印象的。カリプソ仕立ての#9,10等も面白い。 ♪クロノジカルな配列なので、ディスク2は'
59年~ということになるが、注目すべきは彼女がデンマークで録音した2曲のアメリカン・ソングの独語
Ver.だろう(#3,4)。 '62年には早くもジョビンの名曲#8を進めているが、ボサというよりジャズ・サンバの
ヴォーカル版てなカンジ―高速テンポの#9に言っては、典型的な「米国産広報ボサ」風な珍妙な(?)仕上げ
がりだ―ついでに言えば5年後の#17('67)とかは、本場のボサにひけをとらないシットリとした味わい
を醸し出しており、当時のボサがすでに世界音楽化していたことを知っている。
タイトル通りの時流にのったゴキゲンなポップ・チューン。モッズ調で迎えるフリップの#13も極グルーヴィー
だ!!ヴァーサタリティが売りのエラだけあってこの手のヒップな曲も意外に悪くない―これも
彼女のレッキとした一面なのです。 Disc 1 1 ステイ・ゼア
2 今朝輝くのを忘れた太陽
3 ブルースにはトゥー・ヤング
4 イッツ・オンリー・ア・マン
5 ビール・ストリート・ブルース
6 美しい友情
7 サイレント・トリートメント
8 ヒア・マイ・ハート
9 堀田ショコラッタ
10 Aチケット、Aタスク
11 泣き方を教えて
12 スウィンギン・シェパード・ブルース
13 あなたの赤いワゴン
14 トラベリン・ライト
15 ああ、なんて愛の夜
16 夢は子供たちのために作られる
17 でも私のためではない
18 クリスマスソング
ディスク2
1 クリスマスの秘密
2 われら東洋の三人の王は/おお小さなベツレヘムの町
3 Ich Fhle Mich Crazy (あなたは私を狂わせている)
4 ユール・ハヴ・トゥ・スイング・イット(パガニーニ氏)
5 コール・ミー・ダーリン
6 ビル・ベイリー 家に帰ってもらえませんか
7 オールド・マン・モーゼ
8 デサフィナード
9 スターダスト・ボサノバ
10 オール・ザ・ライブ・ロング・デイ
11.私はポーチドエッグ(トーストなし)
12 リンゴビート
13 アイム・フォーリン・イン・ラブ
14 彼女はただの静かな女の子
15 ウィースリー (私のエコー、私のシャドウ、そして私)
16 笑顔の影
17 恋人たちの場所
18 ロンリー・イズ