F4232 ウリキリ!仏蘭西 星羅棋布の輝き コルロフ フランス 絶品ダイヤモンド0.40ct 最高級750YG無垢婚約指輪 #11 4.4G 6.42mm

F4232 ウリキリ!仏蘭西 星羅棋布の輝き コルロフ フランス 絶品ダイヤモンド0.40ct 最高級750YG無垢婚約指輪 #11 4.4G 6.42mm 收藏

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こちらは今回のターンでウリキリます〜〜

■ 商品説明
ご入札をご検討いただき、誠にありがとうございます。
これは単なる宝飾品ではございません。一つの物語であり、哲学であり、これから人生の荒波に漕ぎ出す、すべての勇敢なる魂に捧げる護符(アミュレット)でございます。
長文となりますが、このジュエリーが宿す本当の価値をご理解いただくため、しばし私の拙い筆にお付き合いいただければ幸いです。


【F4232 コルロフ 仏蘭西 星羅棋布の輝き 総0.40ct 750YG婚約指輪】

第一章:古都の門、愚者の問い

鎌倉の谷戸(やと)の奥深く、その庵はまるで時が歩みを止めたかのようにひっそりと佇んでいた。名を「無作庵(むさあん)」という。主は北大路蒼山(きたおおじ そうざん)。陶芸家であり、書家であり、そして何よりも飽くなき美食の探求者。齢八十を超えたその男は、世間からは偏屈の極み、あるいは生ける芸術そのものと、畏怖と賞賛をない交ぜにした目で見られていた。わしのことだ。
その日、無作庵の苔むした門前に、一台の黒塗りの高級車が音もなく滑り込んできた。降りてきたのは、上質なスーツを着こなした一人の若者だった。歳の頃は三十手前か。線の細い、いかにも育ちの良さそうな顔立ちだが、その眉間には深刻な悩みが深い影を落としている。
「……高遠 誠(たかとお まこと)と申します。蒼山先生にご紹介を賜り、参上いたしました」
若者は、恭しく一通の封書を差し出した。わしはそれを受け取ると、封も切らずに傍らの火鉢にくべた。ぱっと小さな炎が上がり、白い灰が舞う。
「ふん。紹介状などというくだらん紙切れに意味はない。わしの前に立つに値するかどうかは、お前さん自身の眼と、肚(はら)と、そして持ってきた『物』が語る。用件を言え」
火箸で灰をかき混ぜながら、わしは若者を一瞥もせずに言い放った。若者は一瞬怯んだが、意を決したように懐から小さな桐の箱を取り出した。箱は古いが、丁重に扱われてきたことがわかる。彼が蓋を開けると、中には黒いビロードの台座に鎮座する一つの指輪が姿を現した。
「これを、先生に鑑定していただきたく……」
わしはようやく顔を上げ、その指輪に目をやった。
瞬間、庵の薄暗い空気が、きりりと引き締まったのを感じた。
それは、黄金の腕を持つ指輪だった。中央には、深く、そしてどこまでも澄んだ青緑色のダイヤモンドが、満月のように円いベゼルに抱かれている。その周りと両腕には、夜空の星々のように清冽な輝きを放つ小さなダイヤモンドたちが、主石を讃えるように寄り添っている。
「ほう……」
思わず、わしの口から低い声が漏れた。これはただの石ではない。ただの指輪ではない。そこには、血と、歴史と、そして揺るぎない哲学が宿っている。
「婚約指輪、でございます。彼女に、贈るべきか、迷っておりまして」
誠と名乗る若者は、か細い声でそう言った。
「迷う? この逸品を前にして、何を迷うことがある。金か? お前さんの甲斐性では足りぬとでも言うのか」
「いえ、そういうことでは……ございません。この指輪は、素晴らしいものです。ただ……私と彼女が、この指輪に相応しいのか。いや、そもそも、私たちは結婚するべきなのか、わからなくなってしまったのです」
「くだらん」
わしは一刀両断にした。
「小僧、貴様は根本的な勘違いをしている。結婚相手というものを、まるで自分にとって都合の良い、居心地の良いパズルのピースか何かのように考えているのではないか。甘ったれるな。お前さん、彼女と相性が悪いのだろう?」
若者の目が、驚きに見開かれた。図星だったのだ。
「な、なぜそれを……。はい。正直に申しますと、ことごとく意見が合いません。食の好み、休日の過ごし方、金銭感覚、果ては映画の感想まで……。いつも喧嘩ばかりです。こんなことで、この先何十年も共にいられるのかと……」
「道理だ」
わしはこともなげに言った。
「皆、そこを勘違いしている。結婚相手とはな、自分と一番相性の悪い人間と添い遂げるのが道理なのだ。それこそが、人がこの世に生を受けてきた意味であり、課せられた唯一無二の修行なのだ。お前さんは、その入り口に立って怖気づいているに過ぎん。愚か者めが」
わしは立ち上がると、桐箱から指輪をそっとつまみ上げた。黄金の重みが、冷たく、しかし心地よく指先に伝わる。4.4グラム。軽すぎず、重すぎない、覚悟の重さだ。
「よかろう。その指輪が、そしてわしが、お前さんの腐った根性を叩き直し、本物の男にしてやろう。だが、それには時間がかかる。今日はここに泊まっていけ。まずは、この指輪の『声』を聞くことからだ」
わしは指輪を掌に載せ、その中央に輝く碧きダイヤモンドと、それを取り巻く星々を見つめた。
商品番号F4232。コルロフ。750イエローゴールド。中央の碧き瞳と、脇石の煌めき、その総計0.40カラットの小宇宙。そして、その背後に隠された、壮大な物語の始まりだった。

第二章:コルロフの血、星羅棋布の理(ことわり)

「まず、この指輪の出自を知れ」
わしは誠を茶室に通し、自ら点てた一服の薄茶を差し出した。彼が使う茶碗は、わしが若い頃に焼いた志野だ。意図的に歪ませた高台と、緋色の抜けが見事な、わしながらの会心作である。若者は作法も知らんのか、ただただ戸惑ったように茶碗を眺めている。
「飲め。話はそれからだ」
誠は慌てて茶を啜った。そのぎこちない仕草に、わしは嘆息する。
わしは指輪を白地の絹布の上に置き、拡大鏡(ルーペ)を手に取った。
「この指輪の作り手は『コルロフ(Korloff)』。フランスのジュエラーだ。だが、その根は凍てつく大地、帝政ロシアにある」
わしはルーペを覗き込みながら語り始めた。誠は、茶碗を置くと居住まいを正した。
「コルロフ家は、サンクトペテルブルクの貴族だった。しかし、1917年、革命の嵐が吹き荒れ、ロマノフ王朝は崩壊。多くの貴族が処刑され、あるいは国外へ逃れた。コルロフ一族もまた、その渦中にあった」
わしは指輪の側面を照らした。そこには、見事なパヴェセッティングで小さなダイヤモンドが敷き詰められている。まるで、凍てつく冬の夜、シベリアの雪原を照らす星々のように。
「彼らは、一族に伝わる一つの伝説と共にフランスへ亡命した。それが、世界最大級のブラックダイヤモンド『コルロフ・ノワール』の伝説だ」
「ブラックダイヤモンド……」
「そうだ。88カラット。漆黒の闇そのものを固めたような、不気味なまでに美しい石だ。伝説によれば、この石に触れた者には、幸福と幸運がもたらされるという。コルロフ一族が、革命の動乱を生き延び、パリで新たな人生を築くことができたのも、この黒い護符のおかげだと信じられている」
わしはルーペから目を離し、誠を見た。
「だがな、小僧。幸福だの幸運だのという言葉を、安っぽく捉えるな。それは、棚から牡丹餅が落ちてくるような類の話ではない。コルロフの言う『幸運』とは、『困難を乗り越える力と勇気』そのものを指すのだ。彼らは全てを失った。故郷も、財産も、地位も。だが、誇りと、この黒いダイヤモンドが象徴する『不屈の魂』だけは失わなかった。だからこそ、パリのヴァンドーム広場に店を構えるまでになれたのだ」
わしは指輪を裏返し、アームの内側を誠に示した。精緻な刻印が彫られている。
「『750』の刻印。これは金の純度、18金を示す。そして、この菱形の刻印だ。これは、この指輪を創り上げた職人、あるいはメゾンの誇りを示す『メイカーズマーク』。国が品質を保証するホールマークと共に、誰がこれを作ったのかという責任と矜持の証でもある。そして、見ろ。この最も特徴的な部分、センターの石座を支えるようにデザインされた、分厚い金の側面に隠されたコルロフの『K』のイニシャル。これこそが、亡命貴族の矜持だ。声高に叫ばずとも、我々の血と誇りはここにある、と。わかるか? この指輪は、ただの宝飾品ではない。一つの家の、壮絶な歴史と哲学を背負った『証』なのだ」
そして、わしは再び、石に視線を戻した。今度は、指輪全体の構成を捉えるように。
「さて、誠。この指輪のダイヤモンド、カラット数はいくつだ?」
「は、はい。確か、合計で0.40カラットだと……」
「そうだ、合計で、だ。そこが肝心なのだ。鑑別書にはこう書かれているだろう。『ブルーダイヤモンド(TREATED)』、そして脇石のメレダイヤ、トータル0.40カラット。お前さんは、この『合計』という意味を、考えたことがあるか?」
誠は、きょとんとしていた。
「いいか。この中央の、深く碧い石。これは、お前さん自身だ。まだ若く、青く、しかし無限の可能性を秘めた魂。おそらくは人の手(トリートメント)によってその美しさを最大限に引き出された石だ。生まれ持ったままの才能に胡坐をかくのではなく、努力と研鑽によって輝くべき、お前さんの未来の姿そのものだ」
「私の……」
「そうだ。だがな、もしこの指輪が、この碧い石だけで0.40カラットあったとしたら、それはただの独りよがりの輝きに過ぎん。物語が、あまりに浅い。この指輪の真骨頂はそこではない」
わしは、ルーペで両脇に配された、星屑のような小さなダイヤモンドを指し示した。
「この脇石たちを見ろ。清らかで、しかし力強い輝きを放つ、無色のダイヤモンド。これが、お前さんの言う『相性の悪い』彼女だ。そして、お前たちを取り巻く家族、友人、これから出会う人々でもある。主役一人では物語は成り立たん。主役は、脇役がいてこそ輝くのだ。この指輪は、中央の石だけで成り立っているのではない。この周りの星々があって初めて、この『0.40カラット』という一つの世界が、一つの価値が完成する。人生そのものではないか!」
わしの声が、茶室に響いた。
「お前さん一人の力など、たかが知れている。彼女がいて、初めてお前さんの人生は完成に向かうのだ。この中央の強烈な個性を持つ碧い輝きは、周りの清冽な白い輝きに支えられ、引き立てられて、初めてその色の深みを増す。逆に、この脇の輝きもまた、中央に確固たる主役がいるからこそ、その存在意義を得て、より一層煌めくのだ。互いに依存し、互いを高め合う。これこそが夫婦の、いや、人間関係の極意、『星羅棋布(せいらきふ)』の理(ことわり)よ!」
わしは指輪を誠の前に置いた。
「どうだ、小僧。それでもまだ、この指輪を贈ることを迷うか? この指輪は、お前さんのような甘ったれた若造にこそ相応しい。これは、お前たち二人が、これから始まる壮大な『修行』を乗り越えるための、いわば『武具』なのだ。相性が悪い? 結構じゃないか。それこそが、この指輪が最も輝く舞台だ」
誠は、言葉を失っていた。彼の目は、先ほどまでの迷いではなく、畏敬の念を持って、目の前の小さな黄金の輪を見つめていた。彼の頭の中で、婚約指輪というものの概念が、そして「自分」という存在の概念そのものが、ガラガラと音を立てて崩れ、そして再構築されていくのが、わしには見て取れた。
「……腹が、減っただろう。最高の『不調和』を、わしが食わせてやる。ついてこい」
わしは立ち上がり、厨房へと向かった。これからが、本当の修行の始まりだ。

第三章:不調和の饗宴、土と火の教え

わしが「厨房」と呼ぶ場所は、最新の調理器具が並ぶステンレスの空間ではない。土間であり、大きな竈(かまど)と囲炉裏があり、壁には年季の入った調理道具が黒光りしながらぶら下がっている。そこは、食材と、炎と、そして人間の魂が真剣に向き合う、神聖な闘技場だ。
「座れ」
わしは囲炉裏の前に誠を座らせ、自らは手際よく準備を始めた。
「小僧、美味いものとは何だと思う」
「え……? それは、新鮮な食材を、丁寧に調理したものでは……」
「馬鹿者。そんなものは当たり前だ。赤ん坊の離乳食の理屈だ。真の美味とは、そんな生温いものではない。それは、『闘い』の果てに生まれるのだ」
わしはまず、朴(ほお)の大きな葉を取り出し、火で軽く炙って香りを立たせた。その上に、自ら仕込んだ二年熟成の赤味噌を塗り、細かく刻んだ胡桃と、驚くべきことに、フランス産の青カビチーズ、ロックフォールを散らした。
「なっ……! 先生、味噌とチーズを……?」
誠が素っ頓狂な声を上げる。無理もない。日本の発酵食品の王と、西洋の発酵食品の王。どちらも個性が強すぎる、まさに水と油。普通に考えれば、互いの良さを殺し合うだけの愚行だ。
「黙って見ていろ」
わしはそれを炭火の上に置いた。じゅう、という音と共に、味噌の香ばしい匂いと、ロックフォールの刺激的で芳醇な香りが混じり合い、むせ返るような、しかしどうしようもなく食欲をそそる香気が立ち上る。
「いいか、誠。相性の良いもの同士を組み合わせるのは、凡人の仕事だ。誰にでもできる。それでは、予定調和の、退屈な味しか生まれん。芸術とは、料理とは、そして人生とは、一見すると全く相容れないもの同士をぶつけ、その間に生まれる火花、その緊張関係の中にこそ、至高の美と、新たな価値を見出す営みなのだ」
味噌がふつふつと泡立ち、チーズがとろりと溶けて、互いに混じり合おうとせめぎ合っている。その様は、まるで異文化の男女が激しく口論しながらも、次第に互いを理解し、溶け合っていく過程を見ているかのようだった。
「ほら、食え」
わしは焼きあがった朴葉味噌を、自作の粗末な、しかし力強い織部の皿に乗せて差し出した。誠は恐る恐る、箸で一片を口に運んだ。
その瞬間、彼の顔が驚愕に変わった。
まず、味噌の深いコクと塩味が舌を打つ。次に、ロックフォールのシャープな塩気と、羊乳独特のクリーミーな甘みが追いかけてくる。そして、胡桃のカリカリとした食感と香ばしさがアクセントを加える。それらが口の中で渾然一体となり、互いの角を削り合いながら、これまで経験したことのない、重層的で、複雑で、そして悪魔的なまでに美味い一つの味へと昇華されていく。
「……美味い……。なんだ、これは……信じられない……」
「だろう。これが『不調和の調和』だ。互いの個性が強いからこそ、拮抗し、高め合う。どちらかが弱ければ、強い方に飲み込まれて終わりだ。お前さんと彼女の関係も、これと同じだ。喧嘩ばかりだと言ったな。結構なことだ。それは、互いの個性が強く、まだどちらも相手に屈していない証拠だ。そこからが始まりなのだ」
次にわしは、分厚く切った寒ブリを取り出した。冬の日本海で荒波に揉まれた、脂の乗り切った極上品だ。普通なら、山葵醤油で決まりだろう。
だが、わしはそれを分厚い備前の大皿に盛り付けると、添えたのは醤油ではない。ヒマラヤの岩塩をガリガリと削り、そこに最高級のイタリア産エキストラバージンオリーブオイルをたっぷりと振りかけた。さらに、刻んだディルとピンクペッパーを散らす。
「さあ、これも食え。日本の海の幸と、地中海の太陽の恵みだ。これもまた、出会うはずのなかった組み合わせだ」
誠は、もはや疑うことなく箸を伸ばした。ブリの濃厚な脂が、オリーブオイルの若々しい香りと融合し、岩塩のミネラル感がその甘みを極限まで引き立てる。ディルの爽やかさとピンクペッパーの微かな刺激が、後味をすっきりとさせる。刺身でありながら、まるで完成された一つの料理だった。
「……これも、美味い……。魚の味が、もっと濃く感じられます」
「そうだ。相手の良さを引き出すとは、相手に合わせることではない。己の個性をぶつけることで、相手の中に眠っていた、本人さえ気づかなかった魅力を引きずり出すことなのだ。お前さんの婚約者も、お前さんという『異物』とぶつかり合うことで、彼女自身が知らなかった自分の一面を発見するだろう。そしてお前さんもまた、然りだ」
わしは立ち上がり、窯場へと誠を誘った。そこには、まだ火の気が残る大きな登り窯と、棚に並べられた数々の陶器があった。成功作もあれば、見るも無惨な失敗作もある。
「わしの仕事も、これと同じだ」
わしは、大きく歪み、亀裂の入った大壺を指差した。
「この壺は、失敗作だ。だがな、わしはこの歪みが、この亀裂が、愛おしくてたまらんのだ。なぜだかわかるか?」
誠は首を横に振った。
「土と、火。これほど相性の悪いものはない。土は水を求め、安定を好む。火は空気を求め、全てを焼き尽くそうとする。この窯の中で、わしが練り上げた土は、千三百度の炎に焼かれ、責めさいなまれる。泣き叫び、身をよじり、元の形を保とうと必死に抵抗する。その壮絶な闘いの記録が、この歪みであり、この亀裂なのだ。これは、失敗作ではない。闘いの勲章なのだ」
わしは誠の肩を掴んだ。その痩せた肩は、小刻みに震えていた。
「いいか、誠。ツルリとした、傷ひとつない、完璧な関係など、この世には存在しない。そんなものは、プラスチックのまがい物だ。本物の関係とは、この壺のように、傷つき、歪み、時にひび割れながらも、それでもなお、共に在り続けようとする、その意志そのもののことだ。お前さんたちがこれから重ねる喧嘩の一つ一つが、お前たちという『作品』に、二度と再現できない、唯一無二の景色を刻んでいくのだ。それを恐れるな。むしろ、それを楽しめ」
誠は、窯場の薄明りの中、ただ黙って、歪んだ壺を見つめていた。彼の背中は、来た時よりも少しだけ、大きく見えた。

第四章:修行の道理、相性の悪さという至福

夜が更け、庵は静寂に包まれた。囲炉裏の火だけが、ぱちぱちと穏やかな音を立てている。わしと誠は、わしが密かに寝かせておいた古酒を酌み交わしていた。誠は、もうすっかり酔いが回っているようだった。
「先生……」
誠が、ぽつりと言った。
「私は、ずっと勘違いをしていました。私は『幸せな結婚』というものを、穏やかで、波風の立たない、快適なものだと思い込んでいました。だから、彼女との衝突が怖かった。意見が違うことが、不幸の始まりのように感じていたんです」
「愚か者め。それは幸せではなく、ただの『退屈』だ。例えばいくら仮想通貨や株投資で成功してファイヤーし、儲けや配当で金銭的に安心に暮らしても。暇と退屈は不眠うつ。結局のところ不幸の始まりじゃ」
わしは猪口をあおった。
「考えてもみろ。自分と全く同じ考え、同じ好み、同じ価値観の人間と暮らして、何が面白い。それは、ただの鏡だ。己の姿を映すだけの、冷たいガラスだ。何の発見も、驚きも、成長もない。そんなものは、生きているとは言えん。ただ時をやり過ごしているだけだ」
誠は、じっとわしの目を見ていた。その目は、酔っているにもかかわらず、真剣な光を宿していた。
「いいか、よく聞け。人間がなぜ、わざわざ他人と連れ添うのか。なぜ、一人では生きられないようにできているのか。それはな、『修行』のためだ」
「修行……」
「そうだ。自分とは全く違う、理解不能な他者と一つ屋根の下で暮らし、否応なく向き合う。それが、この世で最も厳しく、そして最も尊い修行なのだ。相手の言動に腹を立て、己の正しさを主張し、そして打ちのめされる。その度に、己がいかに狭い世界で生きてきたか、いかに自分勝手な理屈で物事を判断していたかを思い知らされるのだ」
わしは、自分の左手の薬指に目をやった。そこには、長年着け続けてきた、簡素だが、深い味わいのある金の指輪がはまっている。それは、とうの昔に逝ってしまった、わしの妻の形見だった。
「わしの女房はな、それはもう、わしとは正反対の人間だった」
わしは、遠い目をして語り始めた。
「わしが東を向けば、あいつは西を向く。わしが『これが美だ』と言えば、『どこがです』と鼻で笑う。わしが作る器を、『こんな歪んだもの、お料理が可哀想だわ』と平気で言いのける。わしが命懸けで手に入れた食材を、『もっと安いものでも、愛情をかければ美味しくなるのよ』と説教する。毎日が戦争だった。一日たりとも、心穏やかな日はなかった」
誠は、息を飲んでわしの話に聞き入っていた。
「だがな……。今にして思えば、あいつこそが、わしにとって最高の『砥石』だったのだ。あいつの辛辣な一言が、わしの凝り固まった美意識を打ち砕き、新たな視点を与えてくれた。あいつの現実的な金銭感覚が、芸術家気取りで世間知らずだったわしを、地に足の着いた人間に叩き直してくれた。あいつの言う『愛情』とやらが、わしの料理に、それまで欠けていた『温かみ』というものを教えてくれた」
猪口の酒が、少ししょっぱく感じた。
「相性が良いなどという言葉は、怠け者の言い訳に過ぎん。互いに楽をしたいだけだ。真の愛情とは、楽なものではない。むしろ、この上なく面倒で、厄介で、骨の折れるものだ。その面倒な『不一致』から逃げずに、相手の理不尽さも、理解できなさも、丸ごと引き受けてやるという覚悟。それこそが、愛なのだ。相性の悪さこそが、互いの魂を磨き上げ、成長させるための、神が与えたもうた最高の贈り物なのだ」
わしは誠に向き直った。
「お前さんの彼女は、きっとお前さんの甘さを、的確に見抜いているのだろう。お前さんが目を背けたい、己の弱さを、容赦なく突いてくるのだろう。ならば、感謝するがいい。彼女は、お前さんを本物の男にするために現れた、観音様の化身かもしれんのだぞ」
「観音様……」
誠は、彼女の顔を思い浮かべているようだった。いつも口うるさく、現実的で、夢見がちな自分を諌める彼女の姿を。しかし、その顔はもはや、ただの「相性の悪い相手」ではなく、自分を導く、尊い存在に見えているに違いなかった。
「結婚とは、完成された二人が始めるものではない。未完成で、デコボコで、どうしようもない二人が、互いを削り、磨き合い、共に一つの『作品』を創り上げていく、長く、果てしない旅路のことだ。その旅路の始まりに、お守りとして、覚悟の証として、あのコルロフの指輪ほど相応しいものはないだろう」
わしは、立ち上がり、窓を開けた。ひやりとした夜気が、酔いを醒ます。空には、満月が煌々と輝いていた。
「もう、お前さんの答えは出ているはずだ。そうだろ?」
誠は、ゆっくりと、しかし力強く頷いた。
その顔には、もう迷いの色も、不安の影もなかった。そこにあったのは、これから始まる長き『修行』に挑む、一人の男の覚悟の表情だった。

終章:覚悟の証、藍田生玉の輝き

翌朝、夜明けと共に目覚めた誠の顔は、昨日とは別人のように晴れやかだった。わしが淹れた熱い番茶を啜ると、彼は深く、深く頭を下げた。
「先生。ありがとうございました。私の目は、完全に開かれました」
「ふん。わしは何もしておらん。お前さん自身が、己の弱さと、そして一人では生きていけぬという真理に向き合う覚悟を決めただけのことだ」
わしは桐箱を手に取り、誠に手渡した。
「これを持って、さっさと行け。そして、彼女に渡すのだ。プロポーズの言葉など、気の利いたものでなくていい。『俺は一人では不完全だ。お前という全く違う輝きがあって初めて、俺の人生は意味を持つ。俺と一緒に、最高の喧嘩をしながら、一つの輝きを創り上げていってくれ』とでも言うがいい。殴られるかもしれんがなw」
誠は、わしの冗談に初めて声を出して笑った。それは、迷いのない、腹の底からの笑い声だった。
「はい。そう伝えます。そして、この指輪の物語も。中央の石だけでは成り立たない、この星々の物語を」
「ああ、そうしろ。コルロフ一族の不屈の物語と、相性の悪い土と火が創り出す、不調和の調和の物語をな。この指輪は、ただのダイヤモンドリングではない。お前たちの戦いと、和解と、成長の歴史を、その碧き瞳と周りの星々で静かに見守り続ける、証人となるのだ」
誠は再び深く一礼すると、朝日が差し込み始めた庭を抜け、門へと向かっていった。その足取りは、昨日とは比べ物にならないほど、力強く、確かだった。
車が去っていく音を聞きながら、わしは庵に戻り、あのコルロフの指輪が置かれていた絹布を眺めた。そこには、もう指輪はない。しかし、あの深く、静かな碧色の輝きと、それを取り巻く無数の白い光の残像が、目に焼き付いて離れなかった。
「藍田(らんでん)、玉(たま)を生(しょう)ず、か……」
わしは、ふと、そんな古い言葉を口ずさんでいた。良い土地からは、美しい玉が産出される、という意味だ。だが、わしの解釈は違う。
コルロフという、苦難を乗り越えた名門(藍田)から、この指輪(玉)が生まれた。そして、これから誠(碧き石)と彼女(白き石)という、全く異なる土壌(藍田)から、喧嘩と和解を繰り返すことで、唯一無二の、美しい関係性という名の新たな宝石(玉)が生まれていくのだろう。
それでいい。それがいい。
わしは縁側に座り、自らの左手の指輪をそっと撫でた。歪み、傷だらけになった、わしの人生そのもののような金の輪。あの口うるさい女房との、三十年に及ぶ壮絶な『修行』の記録。
ああ、会いたいものだ。もう一度、あの憎たらしくも愛おしい顔を見て、最高の喧嘩がしたい。
空は、どこまでも青く澄み渡っていた。
まるで、あのコルロフのダイヤモンドが、周りの星々の光を受けて、より一層深く輝いているかのように。これから始まる、新たな物語の始まりを祝福するかのように。
F4232。
それは単なる商品番号ではない。
それは、人は一人では輝けず、他者との関わりの中でこそ磨かれるという、人生の真理を宿した、勇気と覚悟の記号なのだ。
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huj******** 53 19000 07/02/2025 04:48:34
銀河の絵里香 224 18500 07/02/2025 00:02:57
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ももクリ 2011 17500 07/01/2025 17:43:31
Ygeca08797 144 17000 07/01/2025 00:28:08
his******** 158 16500 06/30/2025 22:40:10
tat******** 245 10000 06/30/2025 10:28:31
rm1******** 596 1050 06/30/2025 19:53:49
SUN 119 71 06/30/2025 17:14:40
xan******** 9 51 06/30/2025 15:18:10
rudbw_65141 2478 31 06/30/2025 13:54:57
けん 127 11 06/30/2025 13:19:38

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