9.9×20.5㎝
題箋上部少し剥がれ
墨付 21丁
上巻 1丁表~15丁裏
下巻 16丁表~21丁表
白紙 5丁
【内容】
題箋にあるとおり『蕉門むかし語』からの抜き書きである。
この『蕉門むかし語』の編者は無外庵既白。
1丁表には 「序文雪中庵蓼太・五升案蝶夢二通畧」とあり序の本文は省略されている。
ところで、ネットで『蕉門むかし語』を検索すると、板本として、『早稲田大学図書館蔵本』及び『愛知県立大学図書館蔵』の二本を見つけた。いずれも「明和二(1765)年・京・橘屋治兵衛刊のようである。
「抜書」と板本を比べてみると、
上巻は、二つの序文の本文以外は略「板本」をそのまま書き出している。
板本には上部に「○」印が付いていて(初めの部分はその印し無し)、⑪の内容について書かれていることが判る。ただ、12丁裏十二行目からは俳諧作品になっていて、幾つかの「歌仙(36句)」も見られる。
下巻は最初以外は全て「俳諧作品」なのでそれらの句からの「抜書」で、なかなか同じ句を探し出すのは難しい。(作者に「蝶夢」の名が見える。)かろうじて最初六句は照合することが出来た。
後は、落札して下さった御方にお任せします。
『参考』
画像〈8〉は上巻の「蓼太の序の前半」(早稲田大学図書館蔵本)
画像〈9〉は「蝶夢の序の後半」と「蕉門昔語」の書き出し
画像〈10〉は下巻の巻末(静岡県立大学図書館蔵本)
【因みに】
⑪の内容であるが、
②我翁俳諧に古人なし
⑤むかし去来云々
⑥李白が法外の風流を得て云々
⑦路通は故翁の勘当し給へるよし云々
等、昔故翁(芭蕉)とその門下が色々な場で、色々なことを語ったものと言うわけだ。
それらの典拠は、「去来抄」や「三冊子」等の俳論に求められるかも知れない。
出版年 [明和2年(1765)序]
※全体的に、経年によるくすみ、汚れ、虫食いあり。