
井堂雅夫による、賢治誕生100年記念画文集「宮沢賢治 心象の風景」です。河出書房新社刊、オールカラーの見やすい中型ムック。128ページ。状態は、全般にかなり良好です。送料は、クリックポストで185円です。
★内容: 透明な風、凍る銀河。暮れゆく北上川。躍動する鹿踊り・・・。宇宙や自然との融合を求め、森羅万象と対話した賢治の精神世界を、多色摺り木版画やタブローでイメージ豊かに表現する井堂雅夫の清冽な作品群。地元紙「岩手日報」に2年間に渡り連載した作品も収録。オールカラー。
★木版画家、井堂雅夫(いどう まさお)は1945年、中国東北部生まれ。終戦後に帰国、幼少期を岩手県で過ごし15歳の時に京都に移り住む。幼い頃から絵を描く事が好きだった井堂は、伝統工芸士(染色家)・吉田光甫に弟子入りし、20歳で染色職人として独立。その後、木版画家・斎藤清の作品に感銘を受け木版画制作を始める。1973年に日本版画協会入選、日動版画グランプリ入選、三軌会新人賞など数々の賞を受賞。以後国内はもとよりアメリカ、スイス、中国など世界各地で個展を開き、日本の伝統芸術の継承発展に力を注いだ。2016年死去(享年70)。
木版画について: 木版画は周知のとおり、江戸時代に多色摺りの浮世絵として大いに発展。北斎や広重など天才絵師の作品は世界中に驚きを与え、芸術文化に多大な影響を及ぼした。木版画制作は完全な分業制で行われ、「下絵」「彫り」「摺り」の3工程をそれぞれ熟練の職人が担当し、一体となることで高い完成度の作品が生まれる。井堂雅夫は、木版画制作において絵師の役割を担い、構図から描写、色彩まで作品のすべてを決定する。次いで、絵師が描いた下絵を元に版木を彫る「彫師」、顔料を調合し紙面に摺る「摺師」が続き、色や摺りの具合について厳しい審査を経たうえで作品完成となる。
★宮沢賢治は1896年(明治29年)、岩手県稗貫郡川口村(現・花巻市)生まれ。1918年、盛岡高等農林学校(現:岩手大学農学部)卒業。研究生を続けこのころ童話の創作を始めるが、結核によると思われる肋膜炎を患い、後に肺炎をいくども患う要因となった。1921年、稗貫農学校(現:花巻農業高校)教師に就任。1922年に最愛の妹トシが亡くなり、2年後にその心象を綴った詩集『春と修羅』を出版。1926年に教師を退職、別宅で農業や芸術を教える生活を始め、その傍らで郷土岩手に基づいた創作を行った。自然と農民生活で育まれた独特の宇宙的感覚や宗教的心情にみちた詩や童話をかき、作品中に登場する架空の理想郷に岩手をモチーフとしてイーハトーブと名づけた。主な著作に『注文の多い料理店』、『雨ニモマケズ』、『銀河鉄道の夜』、『風の又三郎』など。1933年死去(享年37)。生前は無名に近かったが没後、草野心平らにより作品群が広く知られ国民的作家となっていった。
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