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★商品説明★ | 和田はつ子著 「口中医桂助事件帖1~10」 小学館文庫 「南天うさぎ 口中医桂助事件帖」 2005年 11月 文庫初版 「手毬花おゆう 口中医桂助事件帖2」 2006年 3月 文庫初版 「花びら葵 口中医桂助事件帖3」 2006年 7月 文庫初版 「葉桜慕情 口中医桂助事件帖4」 2006年 11月 文庫初版 「すみれ便り 口中医桂助事件帖5」 2007年 6月 文庫初版 「想いやなぎ 口中医桂助事件帖6」 2007年 12月 文庫初版 「菜の花しぐれ 口中医桂助事件帖7」 2009年 4月 文庫初版 「末期葵 口中医桂助事件帖8」 2009年 5月 文庫初版 「幽霊蕨 口中医桂助事件帖9」 2009年 12月 文庫初版 「淀君の黒ゆり 口中医桂助事件帖10」 2010年 4月 文庫初版 定価 514円~571円+税 253頁~325頁 |
★著者略歴★ | 東京都生まれ。日本大学大学院修士課程終了。出版社勤務の後、TVドラマ「お入学」の原作「よい子できる子に明日はない」で注目される。「多重人格殺人」「ママに捧げる殺人」などの推理小説で注目を浴びる。最近は時代小説や捕物帖シリーズを精力的に書いている。 |
★作品内容★ | 呉服問屋の息子でありながら口中医(はいしゃ)をしている桂助、彼の幼馴染で医者の娘志保、彼らより二つ年上で楊枝職人の鋼次の3人を中心とした捕物帖。 <1> 大奥にも出入りしている呉服問屋の長男だが、長崎に遊学して儲からない歯医者をしている桂助。当時、ちゃんとした歯医者にかかるのは貴族や金持ちだけで、庶民は香具師などに頼んだりして歯を抜いていた。虫歯の治療などちゃんと頼んだら高いし、薬をつけて痛みが引くのを待つか抜くしかなかったのだ。「南天うさぎ」実家の呉服屋が大奥に収めたはずの着物”南天うさぎ”がすり替わっていた。下手をすれば実家はおとがめを受け、大奥の出入りを禁じられるだろう。桂助らは盗まれた着物を古着屋などに当たって探す。その犯人と、黒幕は。「天上蓮」鋼次は、腕を見込まれて寺の飾り物の蓮を作ることになったが、その裏庭の蔵で閉じ込められている子供たちを見る。「しろつめくさ」白牛酪(現代の練乳のようなもの)は滋養もあり桂助も大いに使いたいが、将軍など身分の高い物しか渡らない高貴なものだった。その横流し事件。シロツメクサは別名”馬肥し”とも呼ばれ牛馬の餌となる。もともとは白い花の咲く”詰め草”の意味で、昔箱詰めする壊れ物のクッション材として日本に入ってきた。「よわい桃」桂助の妹が婿取りをして盛大な婚礼を挙げるがその後体調がおかしい様だ。一方桂助は大奥に呼ばれ将軍側室の治療にあたる。「まむし草」”南天うさぎ”の事件以来の謎がすべて繋がり、連作としてまとまり翌第1巻が終わる。 <2> 今回は春の桜に始まって、朝顔・菊・はこべ・忍冬と1年の季節の花を追う。「手毬花」手毬の柄の着物を売り出して好評の呉服屋の美人・女主が桂助のもとに来て、やきもきする志保。けれど、彼女が雇人の婚礼のための相談に来ていると聞き、その優しさをほめる。けれど彼女が、放火の容疑者として捕まってしまう。真犯人を探す。「朝顔奉公」手毬柄を売り出したおゆうに、父親想いの娘の奉公先をあっせんしてもらったのだが、なんか不穏な様子があり、病弱な父親が相談に来る。「菊姫様奇譚」菊職人に惚れてしまった桃姫様は、自らを菊姫と呼ぶようにするなどなど我がまま娘。けれど相手の菊職人の目つきは怪しい。「はこべ髪結い」”ハコベ”が冬の物ではないが、歯磨きに混ぜて使えば効用がある。髪結いの株を買ってくれた恩人に二階を明け渡すが、どうもそれには裏がありそう。「忍冬屋敷」側用人の岸田に頼まれて気丈な叔母さんの治療にあたるが、第1作から因縁のある”おゆう”が背後に絡んでいる。悲しい結末。 <3> シリーズも第3巻。1・2巻の好評を受け、長編シリーズとして本腰を入れたか。「笹の花、竹の花」阿片密売の疑いを受け、大店の主たちが捕らえられ処断される。けれどそこには裏があった。「ふじ抄紙」よろず始末人という組織が、盗みに入り盗んでいったのは、かつての恋文など表に出したくない品物だった。弱みもあり表立っては訴えないが、それを弱みにゆすられていた。「蕎麦の里」よろず始末人に脅された人たちの元凶を探るため桂助たちは、蕎麦の里でもある信濃まで旅をする。そこは、かつての盗賊が開いた村だった。岩田屋に弱みを握られ、ゆすられていたのだ。「花びら葵」岩田屋の手の物が、桂助の診療所や実家の呉服問屋まで忍び込む。その捜しているのは謎の”花びら葵”。「佐渡小豆」ついに花びら葵の謎が明らかにされ、桂助の出生の秘密も明らかに。シリーズ帖変化に伴って、今まで伏線とされていたものが次第に明らかにされる。 <4> 桂助は、偽の”花びら葵”を宿敵の岩田屋に掴ませ、一応事を収めるが、岩田屋の策謀は続く。「梅花凶事」偽の歯医者桂助が現れる。祝言間近の女主が殺され、その犯人として桂助が捕らえられたのだ。じきに真犯人が捕まり桂助は釈放されるが、裏で動いていたのは、「葉桜慕情」しあわせ間近だった店の女主が死に、その弟も不審な死体として見つかる。不良畑本の次男の悪行。「匂い花」再び偽医者、阿片を使って極楽に導いてくれるという医者頼る。「冬瓜患い」わざわざ遠いところからの歯の治療依頼。その裏に隠されていた陰謀。ついに偽医者の正体が明らかに。「直山柿」東北の小藩の字直な侍が殺される。それを見ていたという夜鷹も殺される。どうにもできない、小藩の苦しみと、それを餌に金を儲けようとする男たち。 <5> 桂助が今も思い出す長崎時代の思い出の人物との再会。「すみれ便り」桂助が今も思う、長崎時代の女性と、同じころ修行していた医者の末路。出世のために。「樒壺」樒(しきみ)は、墓前に供える木として知られるが、毒もある。「五臓花」信頼していた入れ歯師が死んだ。かつての犯罪の後悔の為だったのかもしれない。鋼次は、桂助の助けになろうと入れ歯師を目指すが、その奥深さにあきらめる。ともかく、入れ歯師を求めて八王子にやってきた桂助たち。「寒梅地蔵」歯の治療を助けてくれるという、地蔵の前で、一人の浪人と出会った桂助。仇持ちだったがその相手が旅の途中で亡くなったと聞き、命を絶とうとしていたのだが、迷い犬を助けたことから桂助と知り合う。男は入れ歯師だった。「花散里」杏の花が咲き誇るひなびたところにその料理屋はあった。そこでは、様々な陰謀が語られていた。また巻き込まれる桂助。 <6> 桂助を将軍に付かせ、陰から支配しようとする岩田屋は、桂助の知り合いや仲間を襲うことから、医者をあきらめさせて、支配下に置こうと画策する。今回は、そのために起こる5つの事件。背後に岩田屋が昔くんでいた盗賊”鬼あざみ”の姿も。「孝行かぼちゃ」最近者も食べなくなり引きこもている義父のために相談に来る娘。歯草のために歯が亡くなり口臭が出ているためではないかと推測する桂助。そんなとき、ひぼうするビラがまかれ、鋼次は怒る。「想いやなぎ」鋼次が出会った娘は志保似のむすめ。けれどその店はどこか奇妙だ。鋼次をはめるための罠。「柘植災い」桂助の妹のお房は、縁談が失敗した後商売に精を出すが、それでも女心で惹かれる相手もいた。その相手の父親に入れ歯を贈ったのだが、それをはめてお茶を飲んだとたん死んでしまう。お房と、新しく信頼する入れ歯師の両方をはめるための罠。「鬼あざみ」今度は志保がはめられる。老齢の尼に頼まれて寺子屋の手伝いをしていたのだが、彼女が攫われる。残された文に”鬼あざみ”の名が。「詫び桔梗」盗賊”鬼あざみ”の最期。やはりその背後には岩田屋がいた。 <7> 今回は3編で構成される。7・8巻はセットで、シリーズの第1期が終わる。「椿禍」藤屋とライバル関係の紬屋の嫁が急死する。成り上がりの質屋から嫁入った娘は、わがまま放題で老舗の紬屋の身代さえ危うくなっていた。当然殺しの疑いもかかるが、桂助は真相を見破って治める。「さくら湯」新しい登場人物が加わる。湯屋の二階で出張診療を始めるが、その途中でごろつきに襲われる。それを救ってくれたのが、旗本の部屋住だという橋川慶次郎。剣の腕もたち人柄もいいのだが、どこか常識外れ。彼が惚れた芸者に頼まれた事件に巻き込まれる。「菜の花しぐれ」桂助の養父の藤屋はかつて妻・お絹をめぐって恋敵になっていたこともある紬屋。ところが、妹のお房が、その息子と恋仲に。藤屋はかつての恋敵に頭を下げ、仲直りを申し出るのだが、そのまま帰らず、ついには罪ギヤの主殺しの罪で奉行所にとらわれる。岩田屋に借金もあるし、藤屋のかつての恨みもある紬屋の主が仕掛けた罠とは。 <8> シリーズの一区切り。ついに宿敵・岩田屋との戦いが終止符。「雛すみれ」養父を町奉行にとらえられた桂助は、岩田屋の命ずるまま歯の治療に向かう。勝也助は12代将軍の息子。13代将軍家定は病弱でその後継者粗層が進む。紀州慶福派と一橋慶喜派だ。その両者の間に入って桂助を将軍にしてか影で支配しようとするのが岩田屋だ。今回はその一方の紀州藩の付家老の家に診療に向かわせられる。「葡萄若君」そして今回は一橋派の慶喜の父親・水戸家に診療に向かわせられる。どちらでも家中の陰謀を見せつけて桂助にゆさぶりをかけるつもりだ。「末期葵」ついに、岩田屋は岸田や、藤屋の家族にまで圧力をかけ、ついに本物の将軍家血筋を証明する”花びら葵”を手に入れようとする。最後の瞬間に現れたのは、橋川慶次郎。彼の正体は。 <9> 前巻で一応の区切りは着き、新章の始まり。桂助周辺は平穏を取り戻したのだが、いまだに慶福と慶喜の決着はついていない。「牡丹屋慰問」お房と紬屋の息子の祝言が無事運ばれることが決まるが、そこで出される料理”百獣(ももんじ)”でひと騒動。水戸斉昭らは、牡丹屋の主に難癖をつける。何故牛肉を出さないのかと。牛肉は紀州派の井伊家がほぼすべてを出荷していたのだが、それを出さないのは裏金を作るためではないのかという。その巻き添えを食う形で牡丹屋の主が殺される。「さざんか散らし」牡丹屋の主の殺しにこだわる橋川慶次郎は、その真相を探るべく行動する。桂助も協力することに。「幽霊蕨」1年前に焼けた岩田屋の跡地に幽霊が出るという噂が。岩田屋の隠し金をめぐり、橋川慶次郎が探索する。鋼次の長屋に慶次郎が越してきて飴つくりの修行をするところなどは愛嬌がある。 <10> 「桜草売り」春の風物詩・桜草を買ったが、売っていたのは元植木商の娘で、ヤクザな男と知り合い、若くして子供を産んだが、親から勘当されていた。その死んだはずの息子が現れたと助けを求めてきた。「病葉」親殺しの罪でとらえられた男。聴けば息子は真面目で父親は伊達男を決め込み遊び歩いていたという。同情はするが、親殺しは重罪。しかし、彼に惚れていた廻船問屋の娘が、真実を暴いてくれと言ってきた。「淀君の黒ゆり」藩の留守居役と主君の奥方、側女が続いて殺される。残されていたものから”絵本太閤記”の一エピソードに見立てた仇討と見破る。罪を憎んで人を憎まずというのは前篇につながる。「やなかげ茶屋」若い娘を集め歯磨きさせることで設けている茶屋(そういえば耳かき喫茶などという物も一時流行った)だが、その裏で、売春させて設けていた。桂介が乗り込む。 |
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