インドネシアの布を蒐集する過程で、現地の村で昔入手した木彫です。こちらも市場では出回ることの無い珍しい品で、観光客向けのお土産物ではないことを100%保証します。
　これは、インドネシア ロンボク島 ササック族の木製カレンダーです。大きさは、縦約30㎝×横約8㎝×厚約1.7㎝、20世紀初頭のものです。
　上部に鳥が、右端には人物が彫られています。経年の良いパティナが付いており、拡大画像を見ると角が取れて、新しいものでは無いことが分かります。うっすらと赤い染料の名残が確認でき、美しいと思います。
　バリ島やロンボク島では、儀式を行う祭礼日や吉日を決めるのに、地域由来のカレンダー（暦）が使われてきました。バリ島のカレンダーは横型、ロンボクのは縦型になっており、バリ島のものより数が少ないです。大きなものは、以前に出品したことがありましたが、このような携帯サイズのものは、今回初めて出てきました。
　縦に20、横に5のマス目が並んでいます。昔のものなので、実際にどのように使わてきたか今となっては不明なのですが、バリやロンボクでは、Panca Wara（パンチャ・ワラ） という5日周期が暦の基本で、イスラム儀礼と土着信仰の融合されたササックの文化圏では、20日・40日・100日は、家の儀礼・新築・寺院の完成などの伝統儀礼を行う重要な日とされていますので、それらの日を決めたのだと思います。
　目に付く傷みはありませんが、経年の傷やスレがありますので、古いものであることをご理解の上、ご入札をお願いいたします。整理のための出品で、一般に出回ることの無い貴重な民俗資料ですので、リーズナブルかと思います。プリミティブなものがお好きな方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。

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（2025年 12月 11日 19時 12分 追加）
　手放して今はもう現物はありませんが、かつて所有していた品を撮影したデータの中に、このカレンダーの使い方が少しだけ分かる画像（画質が悪いのですが）が見つかりましたので、8枚目に追加しました。左側の穴に差し込んだ棒をずらしていくことで、紙カレンダーの日（または週？）めくりのようにして使ったのではないかと思われます。右側マス目部分の穴は、出品の品同様に深さが浅いので、こちらは長年に渡り繰り返し突いてできた穴のようです。硬い木でもあり、8枚目画像の品に比べて、出品の品は、かなり使い込まれてきた様子が窺えます。※×＋○の印に規則性が見られず、身近に飾ると面白いと思います。