特徴:
1、 全作品を系統的・編年別に集大成
宮本百合子の思想的・文学的な成長・発展が全体として系統的に分かるように、本全集ではじめて、全作品を小説・評論ごとに編年別で編集。
2、多数の新収録文献を収めた決定版
旧版全集後に発見された110点の評論・感想・書簡とともに、新たに整理された未発表遺稿を網羅。
3、充実した解題・注と全巻に月報
解題では、発表された当時の原形が分かるように初出後の主な異同、改定の概略も示し、また書簡・日記には背景や交友、作品などについての懇切な注、全巻に百合子の人と作品の理解を助ける月報を付す。
4、厳密な校訂、読みやすい版面
本文は再訂のうえ新仮名づかい、新漢字で統一、大きな字を採用し、漢字にふり仮名(ルビ)をふやして読みやすくした。
目次
●第一巻 小説1(1916~1919年) 「貧しき人々の群」「日は輝けり」「禰宜様宮田」「面積の厚み」「一つの芽生」「地は饒なり」「三郎爺」「風に乗って来るコロポックル」「津軽の虫の巣」「一つの出来事」「美しき月夜」「渋谷家の始祖」
●第二巻 小説2(1920~1926年) 「いとこ同志」「加護」「宵」「我に叛く」「南路」「午市」「黄昏」「猿」「火のついた踵」「唖娘スバー」「光のない朝」「顔」「古き小画」「対話」「二つの短い話」「伊太利亜の古陶」「心の河」「或る日」「小村淡彩」「格子縞の毛布」「七階の住人」「秋の反射」「杏の若葉」「墓」「氷蔵の二階」「部屋」「蠅」「縫子」
●第三巻 小説3(1927年~1927年) 「伸子」「一太と母」「牡丹」「白い翼」「沈丁花」「海浜一日」「明るい海浜」「街」「高台寺」「白い蚊帳」「未開な風景」「帆」「毛の指環」「一本の花」「ヴァリエテ」(資料「冬眠」)
●第四巻 小説4(1928年~1934年) 「赤い貨車」「ピムキン、でかした!」「ズラかった信吉」「ペーチャの話」「共同耕作」「舗道」「一九三二年の春」「だるまや百貨店」「刻々」「小祝の一家」「聟」「鏡餅」「鈍・根・録」
●第五巻 小説5(1935年~1943年) 「乳房」「突堤」「雑沓」「海流」「道づれ」「猫車」「築地河岸」「鏡の中の月」「二人いるとき」「その年」「日々の映り」「杉垣」「おもかげ」「広場」「三月の第四日曜」「昔の火事」「夜の若葉」「朝の風」「紙の小旗」「雪の後」「杉子」「今朝の雪」
●第六巻 小説6(1946年~1947年) 「播州平野」「風知草」「二つの庭」
●第七巻●第八巻 小説7、8(1947年~1950年) 「道標」(第一部・第二部・第三部・資料)
●第九巻 評論・感想・小品1(1917年~1928年) 「親しく見聞したアイヌの生活」「アメリカ文士気質」「花袋・秋声の祝賀会に際して」「野上弥生子様へ」「芸術家と国語」「ジムバリストを聴いて」「貧と富の自覚」「法律的独立人格の承認」「有島さんの死について」「処女作より結婚まで」「異性の何処に魅せられるか」「文字のある紙片」「田端の坂」ほか
など…