美術手帖 2020年10月号 コロナ禍に考えるポスト資本主義とアート
美術出版社
●内容
新型コロナウイルスは世界を大混乱に陥れた。グローバル経済に伴う人の移動がウイルスを拡散させる新たなリスクになり、加速し続ける資本主義というシステムを再考させる契機にもなっている。現在私たちが社会の前提としている、商品や労働の概念は、資本主義が生み出したものであり、作品が「商品」として市場で売買され、作家の創作活動が「労働」ともされるアートの「生産関係」もまた同様である。本特集では、それらをとらえ直し再構築するために、資本主義社会への問いを投げかけるアーティストやアートプロジェクトを取り上げる。われわれはその経済システムとの関係をどうつくり変えることができるか?資本主義社会の新しいかたちとその可能性を、アートを切り口に探りたい。
●目次より
SPECIAL FEATURE
ポスト資本主義とアート
作品は商品か? 制作は労働か? 社会は普遍か?
PART1 資本主義社会とアートの関係学
マルクス・ガブリエル
かないみき=聞き手
マルクスからおさらいする
アートと資本主義の関係
白井聡=文
「贈与」から考える美術と社会
白川昌生×白井聡
コラム:白川昌生『贈与としての美術』を読む
福住廉=文
PART2 資本主義をとらえ直すアーティストの実践
レンゾ・マルテンス
河南瑠莉=聞き手
丹羽良徳
熊倉晴子=聞き手
アマリア・ウルマン
永田康祐+布施琳太郎=聞き手
資本主義とどう付き合うか?
遠藤水城×卯城竜太
PART3 来るべき、新しい「連帯」と「労働」
アーティストサバイバルの最新形
喫茶野ざらし/カタルシスの岸辺/四谷未確認スタジオ
ポスト資本主義社会における「芸術生産」
毛利嘉孝×田中功起×清水知子
[論考]ポスト・コーポレーション
新しいコレクティビズムをめぐる2つの物語
河南瑠莉=文
PART4 資本主義との交点から見る、美術と社会の制度
アイザック・ジュリアン
近藤健一=聞き手
ヨアー・ナンゴ
かないみき=聞き手
[年表]資本主義の余白としての、ベッドルームにおける「展示」の試み
布施琳太郎=文
[論考]後期資本主義/ミュージアム/文化理論を日本において考える
小田原のどか=文
[翻訳論考]アートとポスト資本主義
デイヴ・ビーチ=文 中野勉=翻訳 清水知子=解説
ARTIST PICK UP
ラクス・メディア・コレクティブ/鴻池朋子
WORLD NEWS
London /Berlin /Insight
ARTIST INTERVIEW
内藤礼
星野太=聞き手
特別寄稿
「あいだ」と写真
『太陽の鉛筆』の余白、ではなく写真集の「潮間帯」をめぐって
北澤周也=文
REVIEWS
「ヨコハマトリエンナーレ2020」
椹木野衣=文
桑原正彦展「heavenly peach」
清水穣=文
BOOK IN BOOK
台湾アートシーンの現在
武玉玲/何采柔/張徐展/幾米/游文富
栖来ひかり=文
●状態
図書館のリサイクル本です。表紙カバーのシュリンクや、印・ラベルなどがあります。裏表紙に折れあとあり。
それら以外は全体的に良好な状態です。