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78862-25【EL CANDOR】月の雫、時の鎖 Ruby 18K Earrings SPAIN New 重さ10.2g 幅27.0×22.7mm
78862-25【EL CANDOR】月の雫、時の鎖 Ruby 18K Earrings SPAIN New 重さ10.2g 幅27.0×22.7mm [浏览原始页面]
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月の雫、時の鎖

序章:令和の静寂と見知らぬ記憶

東京の片隅にある、古い洋館を改装したアンティークジュエリー店「時のかけら」。そこで働く水野莉奈(みずの りな)は、ショーケースに並ぶきらびやかな宝石たちを眺めるのが日課だった。どれもが美しい物語を秘めているように見えたが、莉奈自身の人生は、まるで色のない映画のように単調だった。大学を卒業し、なんとなくここに就職して三年。情熱を注げるものもなく、かといって不満があるわけでもない。そんな宙ぶらりんの心に、そのイヤリングは突然、強い光を放って飛び込んできた。
海外のオークションでオーナーが競り落としたばかりだという一対のイヤリング。三日月を二つ合わせたような、優美で大胆なフォルム。磨き上げられた18金イエローゴールドの柔らかな光沢。そして、その中心で蠱惑的なまでに深い赤色を湛える、カボションカットのルビー。
「78862-25【EL CANDOR】Ruby 18K Earrings SPAIN New 重さ10.2g 幅27.0×22.7mm」
添えられたカードの無機質な文字情報とは裏腹に、イヤリングはまるで生きているかのように強烈な存在感を放っていた。スペインの工房「エル・カンドール」で作られたものらしい。莉奈は、吸い寄せられるようにそれを手に取った。ずしりとした10.2グラムの重みが、心地よく肌に沈む。
その夜、残業を終えた莉奈は、オーナーの特別な許可を得て、そのイヤリングを耳につけてみた。鏡の中の自分は、いつもより少しだけ大人びて、知らない誰かの横顔に見えた。金属が肌に触れた瞬間、ふわりと、めまいのような感覚に襲われる。耳元で、知らない言語――情熱的な響きのスペイン語の歌が聞こえた気がした。
その晩、莉奈は夢を見た。
抜けるような青空。白い壁にゼラニウムの赤が映える、南スペインの邸宅。テラスに立つ、自分ではない誰か。艶やかな黒髪を風になびかせ、莉奈が今つけているはずのイヤリングを揺らしている。彼女の心は喜びに満ち、愛する人への期待に胸を高鳴らせていた。夢の中の自分は「エレナ」と呼ばれていた。すぐそばには、少し心配そうに彼女を見つめる、妹らしい少女の姿があった。
夢から覚めた莉奈の頬には、一筋の涙が伝っていた。それは、夢の中のエレナが感じていた幸福感の余韻なのか、それとも、その後に訪れる何かを予感させる、哀しみの雫なのか。
莉奈はまだ知らない。そのイヤリングが、時を超えた二つの魂を繋ぐ鎖であり、忘れ去られた愛と悔恨の物語を、令和の東京にいる彼女に解き明かすよう求めていることを。月の雫のようなルビーは、過去の持ち主の強い感情を記憶していた。そして、莉奈の心が、その記憶の扉を開ける鍵となってしまったのだった。

第一章:過去からの囁き

あの日以来、莉奈の世界は静かに変容し始めた。イヤリングを身につけると、決まってあのスペインの邸宅の夢を見るのだ。夢は次第に鮮明になり、断片的な映像から、連続した物語へと姿を変えていった。莉奈は、自分の意識を保ったまま、まるで透明な観客のように、エレナという女性の人生を追体験していた。
1985年、アンダルシア地方のグラナダ。
エレナは、地元の名士であるアルバロ家の長女として、何不自由なく育てられた奔放な女性だった。太陽のように明るく、情熱的で、誰もが彼女に惹きつけられた。夢の中で、莉奈はエレナの視点を通して世界を見る。風に揺れるオリーブの葉の音、遠くに見えるアルハンブラ宮殿のシルエット、そして庭に咲き乱れる薔薇の甘い香り。すべてが五感を通して生々しく伝わってくる。
「お姉様、とてもお似合いですわ」
そう言って微笑むのは、妹のソフィア。彼女は姉とは対照的に、物静かで内向的な少女だった。姉の輝かしい美しさと存在感の影で、いつも少しだけ寂しそうな目をしていた。
莉奈が見ているこの日の出来事は、エレナの二十歳の誕生日パーティだった。父親がマドリードの宝飾店「エル・カンドール」に特注した月のイヤリングが、彼女に贈られたのだ。
「おめでとう、私の太陽。お前の未来が、このルビーのように情熱と輝きに満ちたものであるように」
父親の言葉に、エレナは満面の笑みを浮かべる。しかし、その隣で拍手するソフィアの笑顔には、一瞬、翳りが差したのを莉奈は見逃さなかった。ソフィアもまた、父の愛情を一身に受けたいと願っていたのだ。姉に向けられる称賛と愛情が、彼女の心に小さな棘となって突き刺さる。
そして、そのパーティにはマテオがいた。マテオは、アルバイシン地区にアトリエを構える、貧しいが才能あふれる若い画家だった。彼の描く絵は情熱的で、その瞳はエレナと同じくらい力強い光を宿していた。エレナはマテオと恋に落ち、マテオもまた、エレナを女神のように愛していた。
二人は家族に内緒で逢瀬を重ねていた。オリーブ畑での口づけ、アルハンブラの泉の前での誓い。莉奈は、エレナの胸の高鳴りも、肌を撫でるマテオの指の感触さえも、自分のことのように感じていた。それは甘美であると同時に、他人の秘密を覗き見るような罪悪感を伴う体験だった。
だが、この恋は、姉妹の間に決定的な亀裂を入れることになる。ソフィアもまた、密かにマテオに想いを寄せていたのだ。彼女は、自分のスケッチブックをマテオに見せては、ささやかな助言をもらうことを楽しみにしていた。それは淡い恋心だったが、ソフィアにとっては世界のすべてだった。
ある月の美しい夜、莉奈の見る夢は、これまでとは違う緊迫感を帯びていた。
ソフィアは、マテオに渡したいスケッチブックを抱え、彼のアトリエを訪れる。窓から漏れる明かりに、人の影が二つ見えた。マテオと、そして姉のエレナだった。
「君を描きたい。君のすべてを、このキャンバスに永遠に閉じ込めたいんだ」
マテオの情熱的な声。それに応えるエレナの甘い笑い声。二人は抱き合い、深く口づけを交わしていた。
ソフィアの足元で、スケッチブックが音を立てて落ちる。パラパラとページがめくれ、そこに描かれたマテオの拙い肖像画が、月明かりに虚しく照らされた。
愛する人と、敬愛する姉からの、二重の裏切り。ソフィアの世界は、その瞬間に音を立てて崩れ落ちた。彼女は踵を返し、涙で滲む夜の道を、屋敷へと走って逃げ帰った。
パーティの夜、ソフィアが感じた笑顔の翳りの意味を、莉奈は今、痛いほど理解した。イヤリングが記憶しているのは、エレナの幸福な時間だけではない。その輝きの裏で、深く傷ついていたもう一人の少女の、声にならない悲鳴もまた、ルビーの赤い石の中に封じ込められていたのだ。

第二章:引き裂かれた月

ソフィアがアトリエでの出来事を目撃してしまった夜から、アルバロ家の空気は重く沈んだ。ソフィアはエレナと一切口を利かなくなり、その瞳は冷たい拒絶の色を浮かべていた。エレナは妹の態度の理由がわからず、戸惑い、心を痛めた。
「ソフィア、どうして怒っているの? 私、何かした?」
庭で薔薇の手入れをするソフィアに、エレナが話しかける。イヤリングが耳元で優雅に揺れていた。その輝きが、今のソフィアには耐え難いものに見えた。
「……別に。お姉様には関係ないことですわ」
ソフィアは、姉から視線を逸らしたまま、棘のある薔薇の茎を無造作に剪定ばさみで切り落とした。その行為に、彼女の行き場のない怒りが込められているようだった。
「関係なくなんかないわ! 私たちは姉妹でしょう? 話してくれなきゃわからないじゃない」
エレナがソフィアの肩に手を置いた瞬間、ソフィアはまるで炎に触れたかのようにその手を振り払った。
「触らないで! いつもそう。お姉様はいつも全部手に入れる。お父様の愛情も、あのイヤリングも……そして、マテオの心さえも!」
最後の言葉は、ほとんど叫び声に近かった。ついに、心の堰が切れたのだ。
「マテオ……? あなた、見ていたの?」
エレナの顔から血の気が引いた。
「ええ、見たわ! アトリエで、恥ずかしげもなく抱き合っていたじゃない! 私の気持ちを知っていて、なんてひどい仕打ちをするの! この泥棒!」
「違う! あれは……!」
エレナが何かを言い募ろうとするが、嫉妬と絶望に我を忘れたソフィアの耳には届かない。
「もうあなたの顔なんて見たくない! どこかへ消えてしまえばいいわ!」
ソフィアが叩きつけた残酷な言葉は、鋭いナイフのようにエレナの心を抉った。エレナは真っ青な顔で立ち尽くし、その瞳からは大粒の涙が溢れた。彼女は何も言わず、背を向けて屋敷から走り去った。耳元のルビーのイヤリングが、彼女の絶望を映して、血のように赤く揺らめいていた。
それが、姉妹が交わした最後の会話だった。
その夜、エレナは帰ってこなかった。
翌日になっても、その次の日になっても、彼女の行方は知れなかった。警察による大規模な捜索が行われたが、エレナの痕跡はどこにも見つからなかった。ただ、数日後、街から少し離れた崖の下で、片方だけのイヤリングが見つかった。強い衝撃で歪み、ルビーには細かな傷が入っていた。
崖から転落したのか、それとも事件に巻き込まれたのか。真相は闇の中だった。
エレナの失踪は、アルバロ家を深い悲しみの淵に突き落とした。特にソフィアの受けた衝撃は計り知れないものだった。自分が最後に投げつけた言葉が、姉を死に追いやったのかもしれない。その罪悪感は、一生消えることのない十字架となって彼女の心に重くのしかかった。
マテオもまた、深く傷つき、絵筆を握れなくなった。彼は、エレナを失った悲しみと、彼女の失踪に自分の存在が関わっているという自責の念から、しばらくしてグラナダの街を去っていった。
夢の中でこのすべてを目撃した莉奈は、激しい動揺と共に目を覚ました。自分の胸が、まるで自分のことのように痛む。ソフィアの絶望も、エレナの悲しみも、すべてが現実の感情として流れ込んでくる。これはもう、ただの夢ではない。イヤリングに宿った魂が、自分に何かを伝えようとしている。忘れられた真実を、歪められた運命を、正してほしいと叫んでいる。
莉奈は決意した。この物語の結末を、自分の目で見届けなければならない。そして、もし可能なら、八十年以上もの間、癒されることのなかった魂たちを、解放してあげたい。
彼女はまず、イヤリングについて調べることから始めた。オーナーに頼み込み、オークションの出品者情報を辿ってもらった。すると、意外な事実が判明する。このイヤリングは、長い間片方だけで日本の個人コレクターが所有していたものを、もう片方をヨーロッパのオークションで見つけ出し、奇跡的に一対に戻されたものだという。そして、その最初の片方を日本に持ち込んだのは……莉奈の曽祖母だった。
外交官の妻としてスペインに駐在していた曽祖母が、現地の蚤の市で、物語を秘めていそうな片方だけの美しいイヤリングを買い求めた、と古い日記に記されていたのだ。
運命の糸が、過去と現在、スペインと日本、そしてエレナと自分を、確実につないでいることを莉奈は確信した。彼女は、有給休暇をすべて使い、スペインへ飛ぶことを決めた。手には、片割れが見つかった場所を示す、古いグラナダの地図を握りしめて。

第三章:時の交差点、グラナダ

グラナダの空港に降り立った瞬間、莉奈は肌を焼くような陽光と、乾いた風に混じる甘い花の香りに包まれた。夢で何度も見た風景。しかし、実際にその地に立つと、五感に訴えかけてくる情報のすべてが、夢とは比較にならないほど鮮烈だった。
莉奈は、曽祖母の日記と古い地図を頼りに、エレナたちが住んでいた屋敷を探した。かつてアルバロ家の邸宅だった建物は、今では「カサ・デ・ラス・メモリアス(記憶の家)」という名の、小さなホテルとして改装されていた。白い壁、ゼラニウムが咲き誇る窓辺。夢で見た光景そのものだった。
莉奈は吸い寄せられるように、そのホテルの扉を開けた。
レセプションにいたのは、深く刻まれた皺に、穏やかさと、そして消えない哀しみを湛えた一人の老婦人だった。胸騒ぎを覚えながら、莉奈はチェックインを済ませる。その時、老婦人の視線が、莉奈の耳元に釘付けになった。
莉奈は、お守りのように、あのイヤリングを身につけていたのだ。
「そのイヤリング……」
老婦人の声は、微かに震えていた。
「まあ、なんてことでしょう。それは……エレナの……」
老婦人こそ、年老いたソフィアその人だった。
ソフィアは、莉奈を中庭の見えるサロンへと招き入れた。テーブルの上には、レモネードの入ったグラスが二つ置かれた。ソフィアは、震える手でイヤリングに触れ、遠い昔を懐かしむように、静かに語り始めた。
「あの日……私が姉に酷い言葉を投げつけた日、姉はマテオのアトリエに向かったそうです」
ソフィアの告白は、莉奈が夢で見た光景の続きを紡ぎ出すものだった。
「姉は、私とマテオの仲を取り持とうとしてくれていたのです。私がマテオを想っていることに気づいていたから。あの夜、アトリエで二人が会っていたのは、マテオに私の絵の才能を認めさせ、画家として大成する彼が、いつか私の想いに気づいてくれるようにと、頼み込んでくれていたのでした。私が見たあの口づけは、感謝の気持ちを伝える、頬へのキスだったと……後からマテオ本人に聞かされました」
それは、あまりにも残酷な誤解だった。嫉妬に目がくらんだソフィアは、姉の優しさを、最も醜い形で裏切りと誤解してしまったのだ。
「姉は、私に誤解されたまま、屋敷を飛び出した。そして、雨上がりのぬかるんだ道で足を滑らせ、崖から……。ですが、姉は死んではいなかったのです」
ソフィアの言葉に、莉奈は息を飲んだ。
エレナは、崖から落ちた衝撃で記憶のすべてを失っていた。近くの村人に助けられ、身元がわからないまま、サクロモンテの丘にある修道院に引き取られたのだという。彼女はそこで「ベロニカ」という新しい名前を与えられ、過去をすべて忘れたまま、穏やかながらも、どこか満たされない心を抱えて、数十年前に静かに息を引き取ったのだという。
「私は、何年も経ってからその事実を知りました。でも、会いに行く勇気がなかった。記憶のない姉に、私が誰であるかを告げ、あの日の罪を告白することが、あまりにも恐ろしかったのです。姉の穏やかな生活を、私のエゴでかき乱してはいけないと……そう、自分に言い訳をして、逃げたのです。私は、姉からすべてを奪った。名前も、記憶も、愛する人も、そしてこのイヤリングさえも……」
ソフィアの頬を、長年心の奥に溜め込んできた悔恨の涙が、止めどなく流れた。
莉奈は、イヤリングをそっと外し、ソフィアの皺だらけの手に握らせた。
「エレナさんは、あなたを恨んでなんかいません」
莉奈は、夢の中で感じたエレナの感情を、自分の言葉で伝えた。
「彼女は、あなたのことを誰よりも愛していました。あなたの才能を信じ、あなたの幸せを心から願っていました。最後の瞬間まで、あなたのことを……」
イヤリングが、ソフィアの手に温かい光を灯す。その瞬間、莉奈の脳裏に、最後のビジョンが流れ込んできた。
それは、修道院で静かに祈りを捧げる、年老いたエレナ(ベロニカ)の姿だった。彼女は記憶を失っても、時折、理由のわからない懐かしさと切なさに胸を締め付けられていた。特に、月の美しい夜には。彼女は、心の奥底で、大切な妹の面影と、愛した人の名前を、無意識に探し続けていたのだ。そして、彼女の最後の言葉は、「ソフィア……幸せに……」だった。
莉奈がその言葉を伝えると、ソフィアは子供のように声を上げて泣いた。それは、六十年以上もの間、彼女の心を縛り付けていた罪悪感と後悔の鎖が、解き放たれた瞬間だった。

終章:令和に咲く新しい花

ソフィアの告白から数日後。莉奈は、彼女に連れられて、サクロモンテの丘にある小さな墓地を訪れた。白い石で作られた質素な墓石に、「ベロニカ」とだけ刻まれている。
ソフィアは、持ってきた一対のイヤリングを、そっと墓石の前に置いた。
「お姉様、ただいま。そして、ごめんなさい。……遅すぎたけれど、やっとお返しできます」
まるで片割れを探し続けた月が、ようやく満月になったかのように、二つのイヤリングはアンダルシアの強い陽光を浴びて、穏やかに輝いていた。長い時を経て、ようやく本来の持ち主の元へと還ってきたのだ。
そこに、一人の青年が息を切らして駆け寄ってきた。
「おばあ様、大丈夫ですか? 急にいなくなるから心配しましたよ」
彼は、ソフィアの孫のミゲルだった。彼は、祖母のホテルを手伝いながら、祖父であるマテオの跡を継いで、画家として活動していた。
「紹介するわ、ミゲル。こちらは莉奈さん。日本から、お姉様の魂を連れてきてくれた、大切な人よ」
ミゲルは、驚いたように莉奈を見た後、その優しい瞳で深く微笑んだ。彼の面影は、どことなく若き日のマテオに似ていた。
莉奈は、スペインでの滞在を少しだけ延ばした。ソフィアから姉妹の思い出話を聞き、ミゲルにグラナダの街を案内してもらった。アルハンブラ宮殿の夕暮れ、アルバイシンの白い迷路、タブラオで繰り広げられるフラメンコの情熱的なリズム。そのすべてが、莉奈の空っぽだった心を満たしていった。
ミゲルは、莉奈の話に静かに耳を傾け、時を超えた物語に深く心を動かされていた。そして、彼は莉奈自身の物語にも、強く惹かれていった。
日本に帰る前日、ミゲルは莉奈を自分のアトリエに招いた。そこには、描きかけのキャンバスがあった。描かれていたのは、月の光の下で、穏やかに微笑む莉奈の肖像画だった。
「あなたの話を聞いて、インスピレーションが湧いたんだ。エレナさんとソフィアおばあ様の物語は、悲しいけれど、あなたが時を超えて繋いでくれた。それは、新しい希望の始まりでもある。この絵のタイは、『令和の月』だ」
ミゲルはそう言って、小さな箱を莉奈に差し出した。中に入っていたのは、彼がデザインした銀のネックレス。三日月のモチーフが、小さなルビーの原石をそっと抱きしめているデザインだった。
「イヤリングは、本来あるべき場所に戻った。だからこれは、君自身の物語のためのジュエリーだ。いつか、このネックレスに合うイヤリングを、僕に作らせてくれないかな」
それは、不器用だけれど、精一杯の告白だった。莉奈の頬が、夕陽の色に染まる。
東京に戻った莉奈は、もう以前の莉奈ではなかった。彼女の瞳には、自分の人生を自分の足で歩いていくという、強い意志の光が宿っていた。彼女はアンティークジュエリーの仕事に、新たな誇りと情熱を見出した。一つ一つの宝石に宿る物語を、持ち主の想いを、丁寧に次の世代へと繋いでいく。それが、自分の天職なのだと気づいたのだ。
数ヶ月後、莉奈の元に、ミゲルから一通の手紙が届いた。そこには、ソフィアが安らかな顔で天国へと旅立ったこと、そして、彼が日本で個展を開くために、近々来日することが記されていた。
令和の東京。個展のオープニングパーティで再会した二人は、どちらからともなく微笑み合った。莉奈の胸には、ミゲルから贈られた月のネックレスが輝いている。
時を超え、国を超え、イヤリングが繋いだ運命の糸。それは、過去の魂を癒し、そして未来に生きる二人の男女を、固く結びつけた。
月の雫のようなルビーが紡いだ物語は、悲しみを乗り越え、令和の時代に、新しい愛という名の、素敵なハッピーエンドを迎えたのだった。
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