【基本情報|Release Information】
レーベル:King Records
品番:SKK-353
フォーマット:LP, Stereo, ペラジャケ
国:Japan
リリース年:1967年
タグ:Kayokyoku, Pop, Japan, 1960s, Flipback Jacket, Vocal Performance
【構造と文脈|Structure & Context】
『小指の想い出』を再生するとき、まず最初に耳に触れるのは声ではなく、声が立ち上がるまでの無音に近い空気の圧だ。伊東ゆかりの歌声は、明確な輪郭を持って現れるのではなく、呼吸とともに空間ににじむ。それは、言葉になる直前の感情や、まだ意味が定まらない情景のようなものと、どこかで交差している。
録音は極めて内省的で、マイクの配置も、楽器の距離感も、どこか慎ましく抑制されている。音はあたかも床の反射や壁の湿度に気を遣いながら配置されたように、そっと鳴る。演奏は歌に寄り添いながら、演奏そのものを主張することなく、ただそこに居合わせているような気配を持つ。
この作品には「悲しみ」や「別れ」といった感情の言語が含まれているはずだが、それらは言葉ではなく、母音の長さやブレスの方向にだけわずかに表れる。歌は、歌としてではなく、感情の痕跡が音に姿を変えて残されたものとしてそこにある。
ジャケットは軽やかなペラ仕様で、手に取るたびに紙が少し軋む。その物理的な弱さは、音そのものの輪郭と響きあう。厚みのない紙、重さのない言葉、湿度を帯びた声。これらは互いに干渉しながら、ひとつの聴取環境を形成する。
このアルバムは、ストーリーを伝えるものではない。むしろ、意味を取り落とした言葉と、それを包む静かな音場をじっと聴くための記録物である。空間の余白に耳を澄ませるとき、そこに漂うのは、感情の断片ではなく、時間のゆるやかな流れそのものかもしれない。
【状態詳細|Condition Overview】
メディア:EX-(全体に軽い汚れ、再生良好)
ジャケット:EX-(薄い汚れ、ややリングウェア、裏面に小さな書き込みあり)
付属品:なし(帯・インサート欠品)
【支払と配送|Payment & Shipping】
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
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