自宅保管の品です。中身は大変美品ですが古いもので表紙など経年変化はございます。画像にもありますように、帯の背にごく小さな破れがございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
封印作品の謎 2 安藤 健二 (著)
あの国民的名作も消されていたーー
発掘/復刻ブームも最終段階に入った現在、それでもまだ目にできない一部の作品たち。その知名度とは裏腹に「なかったことにされた」これらの物語は、一体なぜ消されているのか ?
さらにスケールの巨大化した封印事件の真相を追う。
第1章 引き裂かれたリボン(『キャンディ・キャンディ』)
第2章 悲しい熱帯(『ジャングル黒べえ』)
第3章 怨霊となったオバケ(『オバケのQ太郎』)
第4章 ウルトラとガンダムの間に(『サンダーマスク』)
第1章 『キャンディ・キャンディ』編
『冬ソナ』の影で/プリクラから始まった混乱/裁判へ/『キャンディ』誕生の背景と講談社/判決の行方/増殖するグッズ/単行本とアニメも巻き添えに/裏目に出るキャラクタービジネス/漫画原作システムのはらむ矛盾/そして2人の母親が残った
第2章 『ジャングル黒べえ』編
「ちびくろサンボ」復活の一方で/抗議は本当にあったのか?/「忘却」する関係者たち/黒人が消えた日/抗議する側とされる側、それぞれの立場/ 「黒人差別をなくす会」とは/現在の「なくす会」の対応/ステレオタイプな楽園/タブーとなったキャラクター
第3章 『オバケのQ太郎』編
消された思い出/理由の見えない全面封印/スタジオ・ゼロの時代/抹消される合作/87年、コンビ解消前後/出てこれないオバケ/さよならもいわないなんて
第4章 『サンダーマスク』編
発狂したヒーロー/迷作か名作か/1人歩きする噂の数々/フィルムはどこだ?/未来を知らなかった約束/創通エージェンシーの封印された過去/ウルトラマンを超えて/ガンダムに倒された男
内容説明
「失われた物語」は、まだ存在する。あらゆる“名作”が発掘・復刻され尽くされつつあるなか、それでもいまだ目にすることができない一部の作品たち。長大なシリーズとして多くの人々の記憶に残りながら、その一部だけでなく、シリーズ全体がなかったことにされている物語。ほんの数年前まで再放送されながら、今ではフィルムが存在するかどうかすら確認できない物語。そして、国民的知名度を誇りながら、誰も知らないあいだに消されていた物語。彼らは、なぜ「封印」されたのか…?戦後の特撮、マンガ、アニメを中心に関係者の証言を徹底的に集め、その“謎”に迫る。大反響を呼んだ新世代ルポルタージュ、待望の第2弾。
レビューより
キャンディやオバQなど、現在見ることができない4作品の歴史をひもとく本。前作と違って、単回の封印ではなく、シリーズでの封印だったから、業界内の利権やゴタゴタが面白かった。本当のファンは読みたくないかも? でも知りたい内容ですね。
キャンディキャンディとサンダーマスクは解りやすく整理されていて読み易い。一方でオバQとジャングル黒べえは、関係者へ果敢にアタックしている努力が伺えますが、ほとんど切り崩すことが出来ておらず、『結局闇のままだった』で終わってしまって既出情報の整理整頓にとどまっており、この2エピソードを目的に買うのであれば、すでにマニアの域に達している方ですと拍子抜けしてしまうかも知れません(まったくの初心者なら逆に優秀な教科書です)。しかし頑強な一枚岩となって口を閉ざす小学館/藤子プロを相手に堂々と立ち回った筆者の労苦を追うドキュメントとして、なかなか面白い一本であります。