1966年生まれ、フランスはブルターニュ地方フィニステール県サンテック出身のトラッドフォーク系シンガーソングライター、デネスプリジャンの03年発となる通算6作目のソロ名義作。オリジナルリリースはフランスのトラッドフォーク系インディーズ、Rosebudから綴じ込みブックレット付の豪華なデジブック装丁で限定枚数のリリースだったもので、現在ではやや入手困難。LP盤でのリリースは無く、CD初版がリリースされてから少なくとも3回は再発されていることと、13枚ものアルバムをリリースして現在でも順調に活動継続中であることから日本では全く無名なものの、90年代以降のトラッドフォーク系としてはフランス国内では既に大物として著名な存在。この人の音楽的な特異性は出身地であるブルターニュ地方出身という、いわばブルトン人としての強固なアイデンティティーを表現コンセプトに置いていて、この地に伝わるフォークソングスを主に採り上げ、当然その歌詞でさえフランス語では無いブルトン語で歌う事になるわけで、この傾向は既に幼少の頃からの嗜好だったという経緯が海外のサイトでは記載されているとうり。で、普通の流れとしては、まあそういう音楽性の民謡歌手なのだなという事で特にどうということも無く埋もれてしまうわけだけれども、ここから始まるのがこの人の面白いところで、93年になって突如その音楽性を、いわばヒップホップ文化の音響的な側面に於けるエレクトロニックな要素をブルターニュ音楽へとレイヤーさせるという大胆な考えがいきなりスパークしちゃったものだからさあ大変。この経緯は93年にフランスのレンヌで開催されたレイブパーティー!に参加しろというプリジャンの伴侶のススメで、プリジャンご自身はこういうのに否定的な偏見を持っていた(ご自身の弁)にもかかわらず参加したとのことで、実際にフェスを体験してみたら目から鱗が出たといわんばかりに、現代のエレクトロニックな手法とブルターニュ音楽は互いに類似したリズムと音に基づいていることに気付いたってなコメントが全てを物語っているという次第。その新機軸を基にしたアプローチは3作目で完成されながらその後も続き、では本作6作目ではどうか。といってもやはりエレクトロニックとの折衷技で一貫した音楽性に変化は無く、リズム面ではダンサンブルな乗りがやや抑制されているという意味では初期のスタイルを再びクローズアップし、逆に歌の伴奏パートに着目すればより巧みにエレクトロニック化が進んで、全体的にモア~っとした音響とか、残響やホールエコーやそういう持続音成分に対してより繊細な感覚で挑んでいるといった印象。なので、結果的にはJUNE TABORやアイルランドのEnyaの諸作にも通じる音響テクスチャーもあって、とにかくこのモア~っとした湿った暗さは音楽性は異なるけれどもフレンチシンフォニックロック系にも通じちゃってるのが不思議。DENEZ PRIGENT-sarach(barclay)
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