基本情報
- フォーマット:LP(12インチ)
- レーベル/品番:Express ETP-72254(白ラベル見本盤)
- 製造国/年:日本, 1977年
都市の夜の息吹を感じさせる独特な声質と、精密に調整されたスタジオサウンドが見事に融合。ジャズ、ファンク、メロウ・ポップが心地よく溶け合い、記憶の中に鮮やかに刻まれる名作。
音楽的特徴
本アルバムはシンガーソングライター・りりィの7作目。A面は佐藤博のアレンジ、B面は独自の音楽性が際立つ構成となっており、全編を通して鈴木茂のギターワークが繊細かつ緻密な音の織物を生み出しています。
A面は比較的明快な楽曲構成を基調としながらも、「かくれんぼ」(A3)ではコード進行とパーカッションの配置に独特の間(ま)が生まれ、即興的な余白が聴き手の感覚を新鮮に揺さぶります。「こんなに遠くにいても」(A4)では、ジョー山中のコーラスワークとジャズサックスが空間に奥行きを与え、バックグラウンドの音が波のように前面に押し寄せる瞬間が印象的です。
B面になると時間感覚がさらに柔軟になります。「午後のチャイム」(B3)では、ローズピアノとスネアドラムの絶妙な重なりが「何かが終わった後の静けさ」を表現し、続く「灼けた砂」(B4)では、メロディの下層に潜む反復パターンが記憶の中の感情を静かに呼び覚まします。
録音技術とEQ処理も特筆に値し、アナログ機材を通した中音域の艶やかさが、言葉では表現しきれない質感として聴き手の心に残ります。このアルバムは「聴く」というより「体感する」作品と言えるでしょう。
歴史的背景
1977年は、ニューミュージックが日本の音楽シーンで市民権を得る直前の過渡期でした。りりィの音楽性は、フォークでもニューミュージックでもない、独自の「声」を都市空間に漂わせるものでした。佐藤博と鈴木茂という卓越したミュージシャンを起用したことも、単なる業界慣習ではなく、「音の微細なコントロール」に長けた才能を求めた結果と言えます。
本作に見られる緊張と弛緩のバランスは、後の渋谷系音楽(特に高橋幸宏や小西康陽の作品)の美学を先取りしています。また、りりィの独特のヴォーカル表現は、後年のCharaや一十三十一に見られる声質の実験的処理にも影響を与えたと考えられます。
エンジニアとして鴨田幸司(Freedom Studio)の参加も本作の音響的特徴に重要な役割を果たしており、当時の録音技術の中でも先進的なアプローチが随所に感じられます。
商品状態
- ディスク:NM(目視で傷・スレなし)
- ジャケット:VG+(背表紙・表面に軽微な汚れや使用感あり、大きなダメージなし)
- インサート付属
- 特記:白ラベル見本盤仕様
発送・支払情報
- 配送方法:匿名配送(ゆうパックおてがる版 80サイズ)
- お支払い:!かんたん決済(落札後5日以内)
- ご注意:中古レコードの性質上、再生環境による微細な音質差などはご了承ください。重大な欠陥を除き、ノークレーム・ノーリターンでのお取引となります。