"Lesser-known masterpieces of Japanese acid folk from the 70s"
基本情報|Release Information
レーベル: RCA Records
品番: JRT-1395
フォーマット: 7" EP, 45 RPM, Stereo, White Label Promo
国: Japan
リリース年: 1974年12月
タグ: Folk Rock, Kayokyoku, New Music, Japanese Folk, 1970s, Promo Press
作品の解読|Decoding the Work
信州の山懐に響く声の断片が、時を超えて私たちの知覚に届く。1974年12月、RCAレコードから放たれたこの盤は、単なる商業音楽を超え、戦後日本の音楽的変遷における重要な分岐点を刻印している。
葛城ゆきのデビュー作「木曽は山の中」は、ヤマハポピュラーソングコンテスト最優秀賞受賞作として、1970年代中期のニューミュージックシーンに独特の地理的感性をもたらした。松田篝による楽曲は、都市化が加速する時代にあって、山間部の孤独と郷愁を現代的な音響構造で包み込む。福井峻のアレンジメントは、フォークの素朴さとポップスの洗練を架橋し、のちの葛城ユキ名義でのロック転向を予告するハスキーボイスの原型を、まだ瑞々しい形で定着させている。
この録音が捉えているのは、高度経済成長期の終焉と石油危機という歴史的転換点における、個人的感情の地理学である。「木曽は山の中です 誰も来やしません」という歌詞は、物理的隔絶を恋情の比喩として用いながら、同時に都市部への人口集中が進む中で取り残される地方の実存を暗示する。この二重性こそが、本作を単なる演歌的郷愁や若者向けポップスの枠を超えた、時代の深層心理を映す鏡たらしめている。
音響的には、アコースティックギターを軸とした比較的シンプルな編成ながら、ストリングスの控えめな使用と、当時としては先進的な多重録音技術により、山間の静寂と内面の熱情という対照的な要素を同一平面上で共鳴させることに成功している。B面の「いつか、そっと」では羽田健太郎による編曲が、より都市的で洗練されたサウンドを提示し、A面との対比で作品全体の振幅を拡大している。
状態詳細|Condition Overview
メディア: EX+ (良好。軽微なスレはあるが再生に影響なし)
ジャケット: EX- (テープ跡あり。全体的な保存状態は良好)
支払と配送|Payment & Shipping
発送: 匿名配送(おてがる配送ゆうパケット)
支払: !かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項: 中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。