#久山町長の実験―地方が中央を越えるとき (1982年
地方が中央を越えるとき
#大谷健
町長は町民のために献身し、役場の職員もまた親切。時代に迎合せず、地方自治の一つの手本をつくりあげた小早川町長の奮戦記。
地域社会の新しいヴィジョンの実現をめざすニュー・リーダー
荒廃する一方の農地、急騰する地価、おしよせる都市化の波、汚れほうだいの空気・水、破壊されゆく山や川、そして自然。危険な公害とさわがしい騒音、ただでさえ赤字の家計を圧迫する医療費の増大、すさむ教育と人の心、おきざりにされる老人と子どもたち…・。
豊かな社会を得る代償とひきかえに、あまりにも多くの目に見えない貴重な財産を失った日本。この大河にも似た急激な近代化の波の前に、両手をあげて立ちはだかりストップをかけた男・小早川新。
彼は福岡が生んだまぎれもない新しい型のリーダーである。大都会福岡市に隣接する久山町の町長として、これらの問題と真正面から取り組み、解決し克服するために数々の卓抜した施策を約20年にわたって「実験」と称して断行してきた。その成果は、土光敏夫臨調会長に「きみ、総理大臣になりたまえ！」とまでいわしめたのである。本書は、つねに実践に裏打ちされた小早川新の斬新で独創的な「実験」のすべてと、その根底にある思想を自らがあますところなく語った貴重な証言集である。人をつきはなしたような自立論と意表を衝く発言の裏には、必ず徹底した調査と緻密な分析があり、さらにその奥には、日本人の活力を頼する温かい血がかよっている。
ローマが貧しさからではなく、豊かさゆえに滅んだことが切実な意味をもってきた現在の日本で、その轍をふまねための明確なヴィジョンと現実的な提言をもりこんだ警世の書である。
いま注目される小早川新と久山方式
●西日本新聞「実験・町の政治」（1）いまなぜ久山なの
か（2）久山方式をどうみるか（3）久山、解剖から生涯医療へを昭和57年1月1日より45回にわたって連載。
〇日本経済新聞 土光敏夫氏「私の履歴書」昭和57年2月2日に小早川新とその実験を賞賛。
朝日新聞「私の言い分」に行革先取りの町として小早川新登場。昭和57年3月15日。入札は自己紹介を読んでからご理解頂いた上でお願い致します
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