大型図録本 古唐津焼 作品集 写真集 解説 日本陶磁全集17 カラー97点101図
桃山茶陶 茶道具 茶碗 奥高麗茶碗 絵唐津 斑唐津 彫唐津
中央公論社
竹内順一 著
昭和51年初版 1976年
79ページ
34×27×2cm
函入 ハードカバー
作品図版フルカラー 解説参考図版モノクロ
※絶版
フルカラー大型図録本、古唐津焼図鑑。函入大型愛蔵版。
桃山後期から江戸時代初期(16世紀後期~17世紀初期)を中心に、古唐津の作品97点、101図を収録。
全作品の詳細な説明、ほか論考テキストも充実の一冊。
本巻では古唐津焼の在銘茶碗、奥高麗茶碗、壺、花生、水指、茶入、香合などの茶道具ほか、向付、大皿、鉢、皿、徳利、ぐい呑、手鉢などその全貌をフルカラー写真で紹介。
厳選された国内最高峰の優品を網羅して収録。
収録作品の配列は、あらゆる器形を網羅し、作風の展開のさまがわかるように掲載、
写真に加えて、巻末には全作品の寸法、全作品の解説。
作品名については、全作品に英文表記あり。また、巻末に英文の論考テキストも収録。
美術館・博物館所蔵などの高名な銘品から、
めったにお目にかかることのできない個人蔵の銘品優品を多数カラーで写真解説したもの。
斯界の研究第一人者による解説論考テキストは、参考作品の写真を多数もちいてその器形、様式の展開をていねいに考察。
また「古唐津古窯跡分布図」では陶片をモノクロ写真で地域別に整理分類、唐津の祖型―李朝の陶磁を紹介。
巻末のやきもの風土記は、唐津の陶芸家・人間国宝の十三代中里太郎右衛門、唐津の古窯跡、岸岳を訪問。
十三代中里太郎右衛門の言葉、古窯跡のある岸岳を訪ねて古の朝鮮陶工、波多氏の跡を見ていく内容など、こちらも楽しく内容充実の読み物。
本書は大型本のため、各作品の写真も大きく、細部まで見て楽しむことができる、
陶芸家、茶道具、デザイン、古陶磁、骨董品愛好家等に必携の大変貴重な資料本です。
【目次】
作品カラー写真図版
概説 和風の李朝陶 佐藤雅彦
唐津の魅力と特色 唐津焼の歴史 初期の唐津窯 斑唐津と叩唐津 彫唐津と奥高麗 奥高麗茶碗 地域別による唐津窯の系統区分 唐津焼と織部焼―茶陶の展開 茶会記に見る唐津 有田磁器の新興と唐津焼 文禄・慶長の役以後の唐津 奥唐津 三島唐津 備前唐津 瀬戸唐津 三彩唐津
唐津焼古窯跡群分布図 松浦系(甕屋の谷 金石原 岳野 権現谷 道園 藤の川内 他)、武雄系(川古窯の谷 小峠 古屋敷 弓野山 内田皿屋 黒牟田高麗 ほか)、多久系(高麗谷)、平戸系(平戸御茶碗窯 中尾山 牛石 木原山 ほか)
参考図版(モノクロ)唐津焼古窯陶片写真 唐津の祖型―李朝の陶磁
作品解説 佐藤雅彦
やきもの風土記17 角田守男 十三代中里太郎右衛門訪問対談、唐津古窯跡訪問記
作品目録
参考文献
英文梗概
英文目録 LIST OF PLATES
【凡例】より
本巻には桃山時代(16世紀後期~17世紀初期)を中心に、唐津の作品97点、101図を収録した。作品と図版の数え方は、原則として同一作品で異なる角度から見た図版の
ある場合。これを一点二図とし、部分図を除き一括して名称を付した。
収録作品の配列は、あらゆる器形を網羅して編年を行い、作風の展開のさまがわかるようにした。
巻末には英文による梗概、および図版目録を併載した。
ほか
【概説】より一部紹介
唐津の魅力と特色
―美濃ものと対抗する西の雄、唐津焼とは一体どんなやきものなのであろうか。西日本では、いまでも陶器のことを唐津もの、陶器商を唐津屋と呼ぶことが多い。つまり唐津は、東の瀬戸ものと同様に、やきものの代名詞なのである。その代表的な特色はどのへんにひそんでいるのだろうか。唐津陶の魅力とか特色とかはとらえがたいためか、あまり的確に語られていないように思う。
(中略)
これに対して唐津陶の方は、渋い暗色調が持ち前であり、形もすべて轆櫨作りによる円形・球形を基本とする。だからその印象は少しも晴やかなところがない。それは晴着とふだん着との違いといってもいいだろう。唐津にはほっとした安らぎ、くつろぎがあり、人はそれを手のなかに抱えていとおしむのである。唐津の魅力はこの親しみやすさに尽きるといっても過言ではあるまい。唐津陶がそれほど長くない歴史の問に、莫大な製品を世に送ったのは、この点で人々の心を魅了したからにちがいない。
さて、そこで唐津焼の歴史と作品について概略を述べることにしよう。唐津焼はその名のとおり(以下略)
【作品目録】一部紹介、全作品の寸法記載
絵唐津柿文壷 出光美術館
絵唐津草文壷
絵唐津菖蒲木賊文壷
絵唐津草文壷 田中丸コレクション
絵唐津唐草文提灯壷
絵唐津葦文壷 出光美術館
絵唐津千鳥片輪車文壷
斑唐津点斑文壷 重要文化財
絵唐津草文壷
絵唐津点斑文壷 田中丸コレクション
斑唐津彫文壷 根津美術館
朝鮮唐津花生
朝鮮唐津注口付壷
絵唐津唐草文大鉢
絵唐津竹梅藤文鉢
絵唐津草花文手付大鉢 出光美術館
絵唐津山文手付大鉢
絵唐津枝垂柳文大皿 梅沢記念館
絵唐津菖蒲文大皿
絵唐津沢瀉文四方皿
絵唐津松文大皿 梅沢配念館
絵唐津沢瀉文小鉢
絵唐津菖蒲文鉢 サントリー美術館
絵唐津梅樹文鉢 出光美術館
絵唐津薄文鉢
絵唐津柳燕文沓鉢
黒唐津片口 田中丸コレクション
絵唐津伽字文沓鉢
絵唐津竹文徳利
朝鮮唐津徳利 逸翁美術館
奥高麗茶碗 銘深山路
奥高麗茶碗 銘真蔵院
奥高麗茶碗
奥高麗茶碗 銘秋の夜 出光美術館
奥高麗筒茶碗 銘ねのこ餅
奥高麗茶碗 糸屋唐津
奥高麗茶碗
奥高麗茶碗 銘筑波
奥高麗茶碗 是閖唐津 銘三宝 重要文化財
奥高麗茶碗 中尾唐津
朝鮮唐津茶碗
斑唐津茶碗
絵唐津木賊文茶碗
絵唐津菖蒲文茶碗 田中丸コレクション
絵唐津草文茶碗
唐津片身替茶碗
絵唐津筒茶碗
絵唐津茶碗
絵唐津鶴丸文茶碗
絵唐津屈輪文茶碗 出光美術館
黒唐津茶碗
絵唐津葦鷺文茶碗
絵唐津山水文沓茶碗
彫絵唐津茶碗
彫唐津茶碗
黒唐津茶碗銘あさぎ 田中丸コレクション
絵唐津束熨斗文沓茶碗
黒唐津白線文茶碗
絵唐津的矢文天目形茶碗 出光美術館
瀬戸唐津皮鯨茶碗 滴翠美術館
絵唐津草花文四方筒茶碗
三鳥唐津茶碗
朝鮮唐津耳付花生 出光美術館
唐津櫛刷毛目花生 田中丸コレクション
絵唐津耳付花生
朝鮮唐津耳付花生
備前唐津耳付花生 田中丸コレクション
備前唐津平水指
絵唐津水草文矢筈口水指 岡山美術館
朝鮮唐津水指
三島唐津耳付水指 田中丸コレクション
備前唐津手付水指 田中丸コレクション
絵唐津瓢形水指
絵唐津百合柳文高脚香炉 梅沢記念館
朝鮮唐津茶入 銘残雪
絵唐津肩衝茶入 東京国立博物館
絵唐津葦文香合 滴翠美術館
唐津茶入 銘思河 畠山記念館
朝鮮唐津香炉 田中丸コレクション
絵唐津網引文香炉
絵唐津木賊輪違文六角向付
絵唐津串団子文四方向付
絵唐津月兎文香炉 畠山記念館
絵唐津檜垣文四方向付
絵唐津草花文四方向付 五島美術館
絵唐津椿文輪花向付 田中丸コレクション
絵唐津秋草文撫四方向付
斑唐津手鉢 畠山記念館
絵唐津橋文桃形向付
絵唐津盃台
絵唐津四方向付
絵唐津蔦文ぐいのみ ぐい呑
絵唐津木賊文ぐいのみ
唐津皮鯨ぐいのみ
斑唐津ぐいのみ
絵唐津高脚小鉢 梅沢記念館
朝鮮唐津向付
【著者について】刊行当時の情報です
佐藤雅彦
一九二五年(大正十四年)、東京に生れる。
現在、京都市立芸術大学教授・美術学部長。東洋陶磁学会常任委員。
著書「茶道美術全集1」(求龍堂・淡交社)、「乾山」(三彩社)、「中国の土偶」「白磁」(以上平凡社)、「陶器講座4」、共著「陶器講座3」(以上雄山閣)、「乾山古清水」(中央公論社)。ほか多数。
監修 谷川徹三
編集委員 佐藤雅彦
坪井清足
楢崎彰一
林屋晴三