自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので経年変化はございます。ご理解頂ける方に、ご検討をお願い致します。
饒舌にして豊饒な日々――驚きの逸話が満載!
作家として政治家として半世紀余、常にその最前線を駆け抜けてきた石原氏と、文芸編集者として同時代を歩んできた坂本氏。敗戦の記憶と戦後の復興、情熱と逸話にあふれたかつての文壇、時代と読者から遠ざかる現代の文学状況への危惧――五回に及ぶ対話を通して、文学から政治、死生までを縦横に語り合う。
目次
I 知性への反逆
小林秀雄の「バカヤロウ」 半世紀を越える創作活動 三島由紀夫との入
れ札 絵画と簿記会計の素地 獅子文六の予言 同じものは書かない
II 時代の刻印
悪筆を「邦文和訳」 安保闘争と「若い日本の会」 敗戦の屈辱と原体験
骨箱と知覧の鬼火 「三島君が来たよ」 大岡昇平のダンディー、川端とい
う天才 伝説の座談会「文学の不易流行」
III 文学と悪
「悪党」を書く小説 太宰とは逆の陽気な背徳 懐かしき文士たちとの旅
有無を言わせぬ小林秀雄の迫力 田中角栄にも「バカヤロウ」 ノンフィ
クション・ノベル
IV 文学と死
観念派よりも肉体派として 最後の未知、最期の未来 分身だった弟への
喪失感 父親の死に対する予感 運輸大臣が文学賞に ベトナム戦争で
従軍取材 輝く人生のフラグメント 法華経とアンドレ・マルロー
法華経は仏教哲学の神髄 失われた戦中戦後体験
V 政治と文学
文壇の核、カリスマの不在 同世代作家との率直な交歓 文壇的いやらし
さへの怒り ヤクザな作家として 共産化を危惧して政界へ 都政と創
作の同時並行 政治とは発想である 美濃部都政という虚実 ゲーテに
相通じるもの 昭和、平成から令和へ
略年譜
登場する方々
坂口安吾 吉田健一 シェイクスピア ゲーテ
白洲次郎 佐藤栄作 岸信介 舛添要一
小池百合子 鳩山邦夫 三島由紀夫 松本清張
獅子文六 石原裕次郎 安藤組 力道山
安藤昇 今東光 舟橋聖一 ユング
花形敬 大江健三郎 谷川徹三 江藤淳
川端康成 大岡昇平 小林秀雄 城山三郎
中村光夫 岡晴夫 三浦朱門 村松剛 毛沢東
アンドレマルロー 村上春樹 徳川夢声 サド
神楽坂はん子 安岡章太郎 モンテ・クリスト
バルザック 田中角栄 佐々淳行 今日出海
高見順 サルトル 曽野綾子 中島敦
河野多恵子 平林たい子 開高健 井上靖
佐藤春夫 丹波文雄 宇野浩二
サムペキンパー ベートーヴェン 寺山修司
有吉佐和子 篠田正浩 大川周明 東條英機
樺美智子 西部邁 ジャンコクトー 浅見淵
高橋和巳 柴田錬三郎 アルチュールランボー
坂本忠雄 川崎長太郎 永井龍男
横山隆一 那須良輔 水上勉
石坂洋次郎 武田泰淳 伊藤整 平野謙
浅利慶太 吉田直哉 江利チエミ 石川達三
海野十三 北方謙三 田原総一朗 林房雄
カポーティ 生沢朗 鳩摩羅什
アリストテレス ドゴール 渡辺美智雄
アインシュタイン 加藤道夫 鄧小平
宮本輝 吉田喜重 和田誠
谷川俊太郎 大島渚ほか多数
なかにし礼は歌の版権売って銀座通い
吉行淳之介みたいな才能のない男、大喧嘩した
福田和也はいいやつだ 西村賢太 との対談
遠藤周作 が幽霊を見た話
岡本太郎が 三島由紀夫邸を嫌いだと帰った
レビューより
昭和の文学者(文士)たちの興味深いエピソードがてんこ盛りで、楽しめる。石原慎太郎のまっすぐな物言いが、ある種、爽快だ。三島由紀夫、川端康成、小林秀雄、大江健三郎、江藤淳、大岡昇平、開高健など、印象的。石原の肉体派で健全な精神に比して、三島、川端、大江、江藤らが「如何に歪んでいたか」が浮き彫りになっていて、面白いな。それにしても、昭和の時代は、多士済々の文士が、作家専業で生きていけた、希有な時代だったんだ。文士の講演旅行で、地方でスター並にもてはやされたっての、今だと信じられない。