基本情報|Release Information
レーベル:Blue Note
品番:BLP-1509
フォーマット:LP, Compilation, Reissue, Remastered, Mono
国:Japan
リリース年:1983
タグ:Jazz, Bop, Blue Note, Pre-MJQ, Historic Session, Monk-Related
作品の解読|Decoding the Work
これは単なる再発盤ではない。
むしろ、それはある共同体がまだ名乗る前の、匿名の夜の記録である──モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)結成前夜、Milt Jacksonのヴィブラフォンを中心に、John Lewis、Percy Heath、Kenny Clarke、Lou Donaldson、そしてThelonious Monkらが交差する、1948〜52年の3つのセッションが刻まれている。
その音は「完成」ではなく、「揺れ」のなかにある。たとえば「Lillie」や「Bags’ Groove」には、後年のMJQ的な厳密な構造美の前触れがありながら、即興性がまだ生々しく残っている。一方、「Mysterioso」や「Four in One」など、Monkが参加したトラックは、コード進行の隘路を遊歩するような奇妙さと詩情に満ちており、"演奏" ではなく "発話" に近い律動を持つ。
本盤は、1983年・東芝EMI制作の国内盤リマスターで、Rudy Van Gelderによる再マスタリング、Reid Milesのアートワークも忠実に再現されている。日本語ライナーとともに、当時の切り抜き記事が付属する本体は、リイシューという形式そのものが「記録の再読=再表象の行為」であることを明示する一冊とも言えるだろう。
録音は、Apex Studios(1948年)、WOR Studios(1951, 1952年)というBlue Noteの初期を支えた現場。Art BlakeyやShadow Wilsonなど、ドラムの交代もまた、セッションの時代的断面を映し出す。音の響きは決して整えられ過ぎておらず、かえって空白と残響の配置がリアルタイムの空気感をたたえている。
ここには、まだ名前のない集団性と、すでに強固な個の声とがせめぎあう、ジャズ史における珍しい「生成」の瞬間が収められている。モンクもジャクソンも、ルイスもドナルドソンも、まだ誰でもない「音」だった時代の、あまりに静かな証言。
状態詳細|Condition Overview
メディア:NM(美再生・盤面無傷)
ジャケット:M(完全美品・シュリンク付帯丸シールあり)
付属品:インサート、当時の記事切り抜き付属(資料的価値あり)
支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
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