
【絶版 稀少海外マジック 日本語解説書付】
WORD OF MIND
by Terry Rogeres
ワード・オブ・マインド
by テリー・ロジャース
1986年に発表されたテリー・ロジャースの驚くべき作品、ワード・オブ・マインドです。
現象
演者はNYのグリニッジビレッジのカフェに置かれてるような演劇評が書かれた一枚のフリーペーパーを客に渡す。
両面に11の芝居についての記事があり、数百語が並ぶ中から単語を一つ心の中で選ぶよう指示する。
難易度を上げるため、接続後のinやtoを除く4文字以上の単語であれば制限はなく、書き留めさせたりしません。
ただ思い浮かべるだけです。
客の準備ができたら、メンタリストは集中し始め、ゆっくりと一文字ずつ客の心の中に浮かんでいる単語を明らかにして当てていきます。
まさにダイレクトです。
客が別の単語を選べば、すぐに繰り返すことができます。
習得も実行も簡単で効果は圧倒的。
これ以上何を求めるでしょうか?
以上、海外サイトの紹介文を編集。
このエフェクトの種明かしすると、実はこんな手順を踏んでマインドリーディングを成立させてます。
まず、簡単なアナグラム文を使ってます。
覚えておいたアナグラム文を一文字ずつ口にしながら、客の脳を瞳からハッキングし心のうちに入り込み、客が頭のなかで唱えてる単語を言い当てていく演技をしていくのですが、その過程は大変です。
まず、アナグラム英文を記憶する。
次に、各ワードに対応して分岐する手順の流れも完全に把握し、頭を使わなくても反射で自動的に進めるよう身につけなければなりません。
そして、分岐ルートは最終的に4つに分類された単語リストへと向かうので、4分類の分け方と各リストに並ぶ単語の数々も順を間違えずに覚えねばなりません。
それらを記憶しすっかり身につけた土台の上で、演技の流れがに沿って分岐ごとにセリフは変化し、その流れは4つに分かれた単語リストへと向かい、各リストの単語から正解の言葉がどれか瞬時に出てくるようになれば、正に免許皆伝となり、この奇跡のパフォーマンスをいつでも演じられるようになります(笑)。
まあ、そもそもマジックは常に新たに覚えては演技をする趣味嗜好の果てにある芸事です。
大抵のメンタリストやメンタルマジック専門家なら、この手の膨大な記憶が必須のネタの一つか二つは持ってる人は少なくないと思います。
技法派閥の人にもネモニカスタックがしっかり入ったカーディシャンの方や、常に記憶の宮殿技法を使うクセがついてるメンタリストの方なんかは、既に嬉々として腕まくりしてるかもしれませんけど、普通の人は「はい、無理むり」と放り投げてる事でしょう(笑)。
ところが、このネタが凄いのは必要ないのです!
いま明かしたタネを記憶する必要がないのです
信じられますか?
普通は、何百と言葉が並ぶ演劇評の中から心のなかで自由に選んだ1ワードを手がかりなしで当てるとすれば、そりゃ上記の手順くらいの分岐の流れと多数の正解ワードの記憶くらいは必要不可欠にならざるを得ません。
ですが、その覚えるべきアナグラム文も、分岐の際に言うべき文字も、そこから紡がれる手順の流れも、最終的に行き着く4つの単語リストとリストに並ぶ正確な単語たちの順番も、全て目の前にあるのです!
そう、この演劇評のなかには、カンニングペーパーが巧妙に仕込まれてます。
アナグラムも、文字を言う順番も、手順の流れも、最後に読み当てる単語も、全てがこの紙一枚…いえ、正確には表面1ページ内に、見事に巧妙にバラバラに組み込まれてます。
『バラバラに? 探すだけでも面倒そう…』
と思いますよね?
それが違うのです。
この多段的な手順の流れに沿って、とてもわかりやすい法則で文字や言葉が仕込まれてるのです。
演劇評の表面を目の前に置き、説明書の内容を把握するまで念の為に3回読み直してください。
それで、その場ですぐに演じられるはずです。
とは言え、全体の流れが抜け落ちずに演じられるには、連続で数回演じなければならないでしょうけど、誰かを引っ掛けに行くのは皆さん大好物と思います。
さほど苦もなく身につける事でしょう。
一度把握してしまえば、必要なのはこの演劇評の紙ペラ1枚のみです。
しかも、決して相手にバレる事はありません。
なんたって、この紙を客に渡して、読ませて、そこから言葉を覚えさせるのですから、怪しげな所があれば台無しです。
いったいどこを見て、どうやって言葉を抽出してるのか?
種明かしをされてからでも、手順の全てを明かすのは困難極まりない作業となるでしょう。
それほどまでに、「よく、こんなの作ったな…」と感心ひとしきりとならざる得ない驚愕の作品なのです。
日本語版も作れるでしょうが、物凄くめんどうで労力が必要なのは想像に難くありません。
この傑作を作り上げたテリー女史は、英国で活躍した女性腹話術師です。
マジック研究家としても多数の作品を発表したクリエイターで、当時のライバルの1人がルーバー・フィドラーだったそうです
ルーバー・フィドラーと切磋琢磨してるだけあり、ポール・ハリスがリンキング・カードの即興エフェクト『イマキュレート・コネクション』を発表すると、即座に弱点を全て補完した仕掛けカードネタ『ボロミアン・リンク』を発表。
さっそくポール・ダニエルズが自身のTVショーに取り入れたり。
カードの裏面同士が糊で接着され、真ん中に四角の穴がくり抜かれたカードパズルが軽く折り曲げて開くと表面同士に変化しているトポロジカル・マジックの傑作『スターゲート』などクリエイティブの才のある人でした。
なかでも真骨頂はメンタリズム系の作品で、特に彼女のオリジナルブックテスト『マスターキー』は、同じ相手に繰り返せて、対象から離れた場所でも実行できるため、ポール・ダニエルズやクレスキンがラジオやTVショーに取り入れ実演し絶賛されました。
マスターキーも当品同様に、テリーの研究と作品作りに対する真摯に積み重ね研鑽した時間が完成させる傑作となってます。
そしてタネを知れば、なるほど!これはパズルトリックの名手が考えたロジックだわ!と納得しつつ感心させられる事しきり。
なにより、マックス・メイビンなら膨大なカンニングペーパーを太めのマーカーペンに仕込んで演じるようなネタを、ここまでシンプルに刈り込み、たった一枚の紙…それも客に手渡す演目に必須のアイテムに絞り込み、それでいて演者にしかわからない形で組み込み成立させてしまう努力に驚かされます。
この組み込み方が秀逸で、バラバラな箇所に仕込まれたカンニングペーパーを演者が「どこだ?どれだ?」と探す必要がないというのが離れ技です。
この手の作品の研究家ならぜひ一度触れてみるべき傑作と思います。
OPPパック、段ボール包装、ゆうパケットポストminiにて発送します。
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