まるでポストロック風なこのジャケットからは想像もできない内容。イタリア出身で2008年にデビュー作をリリースしたカンタベリー派ジャズロック最前線、マグネティックサウンドマシンの2010年発となる2作目。リリースはかのデウスエクスマキーナを輩出したLizardレーベルからで、バンド総体としてのポテンシャルやアンサンブルが放つインシティーの高さなど、そのデウスエクスマキーナ以来、久々に出現した待望の新鋭といった印象もある鮮烈さ。とはいえこちらは70sイタリアンヘヴィプログレ伝来の過激派邪悪系では全くない点ではそれとはかなり異なってもいて、このバンドの場合はどちらかというとカンタベリー派ジャズロック的なセンスを濃厚に湛えたような、例えばこの辺りの感覚はハットフィールドアンドザノース、ナショナルヘルス、ギルガメッシュ、或いはレインダンス~ブレスレスの頃のキャメル、米国のマフィンズ、フレンチTV、フランスのPotemkinなどと共通のエッセンスに加えて新しい所ではスペインのAmoeba Split、イギリスのZoppなんかにも共振する現代的な洗練化という鍛錬を経て独自の音楽性とした印象もあるのが本作の際立った内容。編成はベース、ドラムス、ギター、キーボード、サックスによる布陣で、いずれのメンバーもテクニック的には過不足なく上手いのに他のプログレシーンやジャズ系との絡みが無い無名ばかりというのも昨今の新鋭バンドに共通する同時代性というべき。で、内容としてはこれが上出来すぎるほどで、上記の要素に加えて特にエレクトリックピアノ、サックス、ドラムスにはコンテンポラリージャズ経由の手法が用いられているのに対して、エレクトリックギターはプログレ寄りの訛りがあるという部分で非常に面白いコントラストとなっているのがこのバンドの個性でもあり、この感覚はアモエーバスプリットやZoppなどのド直球なカンタベリー感を、あえて紙一重で中和しているとも言える絶妙な塩梅。まあ、フィルミラーのインカフッツは良かったけれども、どこかコンテンポラリージャズ寄り過ぎのアブストラクトな側面が強すぎてという向きには本作はまさにそこの所のツボが良く解っているというか、奇数拍も複合拍もあえて外しているのも含めて本当はインカフッツはコレだったのならと思わせるような意味では意外にマニアックな内容。MAGNETIC SOUND MACHINE-chances and accidents(lizard)
コンディション:★盤は中古盤として並品(軽いキズ、スレがあります。音トビ無し、再生に影響無し)、ジャケットは中古盤として並品(目だたない程度のスレ、キズ、経年のヨレがあります。端にツメの噛み跡あり)、プラケースは中古盤として並品(スレ、キズが散見されます、ヒビ割れがある場合もあります)★プラケースは経済的理由により新品に交換できません。予め消耗品としてお考えいただけますと幸いです★その他詳しいコンディションにつきましてはご入札前にご質問欄からお問合せください。あくまで中古盤という性質上、完璧なコンディションをお求めの場合はご入札をお控えくださいますよう、よろしくお願いいたします★
★送料(ユウメール):CD1枚¥180、CD2枚¥215、CD3枚~4枚¥300★郵便料金改定に伴いまして(CD5枚以上は枚数制限無し)及び(LP盤1枚~2枚)は定形外郵便(規格外)での扱いとなります。送料は¥500★