“ジァンジァンのブルックナー全集”として朝比奈ファンの神格化されていた
幻の全集から。
朝比奈隆&大阪フィル(1970s)
ブルックナー:
・交響曲第7番ホ長調 WAB.107(ハース版)
1976年4月14日
神戸文化ホール
ステレオ(セッション)
★オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング
朝比奈隆指揮
大阪フィルハーモニー交響楽団
渋谷の公園通り、西武百貨店に隣接する山手教会の地下に、1969年7月27日から2000年4月25日まで存在していた前衛小劇場「渋谷ジァン・ジァン」。発起人で経営者の演劇人、高嶋進氏は、熱烈なブルックナー・ファンでもあり、朝比奈のブルックナー公演に深く感動した彼は、その朝比奈によるブルックナーの素晴らしさを何とか世に広めたいと考え、交響曲全集を制作することを決意します。
収録は1976年から1978年にかけておこなわれ、完成後、1000セット限定の豪華な全集として発売されて大いに話題となります。その後、追加生産が一切おこなわれなかったために幻の全集とまでいわれ、入手できなかったファンを悔しがらせていましたが、22年後の2000年7月、奇しくも渋谷ジァン・ジァン閉館の3ヵ月後にようやくCD化され、朝比奈ファンだけでなく、ブルックナー・ファンのあいだで大きな関心を集めることとなりました。
CD化にあたっては、このレコーディングのプロデューサー兼エンジニアだった吉野金次氏が、新たにオリジナル・マスターからデジタル・マスタリングをおこなっています。
【宇野功芳氏のライナーノートより】
朝比奈隆、全盛期の記録。
“ジァンジァンのブルックナー全集”として朝比奈ファンの間でほとんど神格化されていたレコードが、このほどやっとCD化(どんなに多くの人が待ち望んでいたことだろう )されることになった。
なぜ、それほどまでに神格化されたのか。それは'76年~'78年という朝比奈隆の全盛期の記録だからであり、ジァンジァンからの限定発売だったためもあるが、何よりも同社社長の高嶋さんが大のブルックナー・ファン、朝比奈ファンであり、レコーディングのときは必ず客席に姿を見せて感動のあまり涙を流していたという事実が挙げられよう。彼は良いレコードを作るためには金に糸目をつけず、《8番》など、録音が完了して指揮者自身も気に入っているのに首を縦に振らず、何百万円も出して採り直しをしたほどである。従ってホールは音響の良い神戸文化ホールを主体とし、、録音技術には最も信頼のおける吉野金次さんを招いて万全を期した。名手、吉野さんとしてもこの全集は入魂の自信作となったのである。
今回のCD化においても彼の手腕は確かで、レコードよりも音が柔らかくなり、しかも分離の良さを増しているのにおどろかされた。
朝比奈の指揮は現在ほど完熟したものではないが、すごい覇気があり、大フィルもまた大阪のど根性というか、やはり現在では失われてしまった初心の情熱にあふれている。《5番》など、録音も含め、僕はいまだにこのジァンジァン盤をベストに推したいと思う。
ブルックナー:
・交響曲第7番ホ長調 WAB.107(ハース版)[67:44]
第1楽章:20:50
第2楽章:23:10
第3楽章:09:34
第4楽章:13:10
録音時期:1976年4月14日
録音場所:神戸文化ホール
録音方式:ステレオ(セッション))
オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング
※朝比奈隆&大阪フィル(1976-78)ブルックナー交響曲全集からの分売です。
解説・データ付き
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