シマノの８，９，１０ｓのハブには合いませんで、９０年台前半のサンツアー規格のカセットハブ用のスプロケットです。

スプラインの形がシマノともカンパとも異なりますので、ご注意ください。ただ、サンツアーのカセットＲハブをたった１本でも持っていれば、この価格、使用環境ははっきりいって天国でしょう。まず１０個ももっていれば一生かかっても使い切れないほど。

ＭＤはマイクロドライブの略で１１Ｔトップギアを１２Ｔにねじ込んでそれがカセットローターにねじ込まれる形式のカセットで、２枚目の写真のようにピンを手前からコンコンととがったもので抜いてやるとバラバラになってくれましてロー２８Ｔを１枚抜くとＭＤ７ｓ規格にもなります。ＭＤ８ｓの規格は３ｒｄ以降がスプラインで６枚分がカセットローターに入る形式でこの部分はサンツアー規格カセットＲハブの通常ギア比（１２、１３トップなど）用の７ｓ規格のものと寸法が共通になっています。７ｓではトップギアが１枚、ＭＤ８ｓではこれにあたるものがトップとセカンドが一体になったものが２枚１セットのものが換わりの役目を果たしてくれまして、３ｒｄ以降はＭＤ８ｓとノーマル７ｓの２nd以降は設計共通です。トップギアが外に１枚つく分だけハブのロックナットの位置が７ｓよりも外側になっているという設計です。

いっぱいあるのはこの１１－１２－１４－１６－１８－２１－２４－２８の８ｓの黒のカセットで、定価の設定は９４年サイスポオールカタログによると２７３０円でした。

ＭＴＢコンポーネントを手がけるようになった成果で変速ポイントなんかもついてましてするする変速してくれて優秀。このカセットとサンツアー規格カセットハブのセット（車輪）としてみればシマノ８ｓ規格と歯の間隔は同じになっていますのでディレーラーはシマノ８ｓ環境のものがあればシンクロの問題はありません。現在ロードの上のほうといいますのが９，１０、１１ｓが標準になってきてしまった今日の流れですが、シティーというマーケットもまた注目でメッセンジャースタイルのピストバイクであるとか、あるいはフラットバーのロードであるとか、比較的シンプルな部品構成（ディスクブレーキやサスなどはいらない）でよく進んでくれて、ギアなんかは変速操作が発進停止が煩雑なのでいらないとか少なくていいですよというカテゴリーがあるようです。やはり都心では盗難がこわい（部品だけ外されてもっていかれる）から決して高価な部品は使わず、毎日の使用に耐える耐久性があって、そこそこ使い勝手がよければいいという感じでしょうか。できれば特価でみたいな。

このサンツアー規格カセットハブは基本的な構成はシマノの標準的なカセットハブと同じ形式（ハブ軸上でハブ用のベアリングが２ベアリングが外位置で周り、カセットローター本体は独立してシェルにボルトオンされてシェルを右からつかんで駆動する。）なのですが、カセットローターをシェルに固定する部分の菊みたいな形の出っ張りがシマノよりも大径でしっかりしていること、カセットローターのスプラインの本数が多いこと、スプロケット自体の歯厚が分厚いことなどの理由でかなりしっかりした踏み応えになっていまして、おそらく９，１０ｓ規格からスタートした世代の人でも一度踏んでもらえば、その確かな剛性感、ドライブトルク伝達効率に驚かれるんじゃないでしょうか。とくに１０ｓというのがまた歯先なんか薄くて、チェンも薄くて、耐久性が落ちてしまっているのは仕方がなく、もちろん本格的な山岳や変化に富んだコースでは多段が味方にはなってくれるんですが、シティーということですとまた違った速度域（たぶん４０キロ以上で巡航することがない）、０から３０キロの間で頻繁に変速操作を行わなくてはならないという理由から変速操作そのものがやや面倒であるということもあり、ギア比なんか少しくらい飛んでいるくらいでちょうどいいともいえて、ＭＤ８ｓの１１－２８またはＭＤ７ｓの１１－２４という構成で十分快適に都心を走り回れるツールになっているとおもいます。

純日本製の良質特価品ロットで、昔の鉄なんで材質がいいし、輸入部品だらけになってきてしまった最近の状況では無理して海外部品を押さえに行くよりかはとりあえずあるというなら今のうちはこんな特価でお買い得な買い物をしておきたいという財テク（？）派のリスみたいな思考の人にもお勧めの１品になっています。この価格だと使った挙句に中古で売ってもなおかつもとがとれるんじゃないかと、、。

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