亡くなった祖父のコレクションです。

時計に関しては手巻きを巻き動作確認は出来ております。
日差は大体ですがあっているようですが…ちゃんと測定した訳ではございませんのでご参考までに。
分解掃除歴は分かりません。
そのほかは、状態は画像にて確認の程よろしくお願い致します。

椋庵文学賞の成立と意義
椋庵文学賞は昭和42年（1967年）に高知県文教協会に設けられた文学賞で、高知県の文学を奨励することを目的として創設された。故町田昌直先生の寄付により基金が設けられ、町田家にあった椋鳥が巣作りしていた樹から「椋庵」と名付けられた。この賞は若手登竜門としての役割も果たし、昭和45年には「財団法人椋庵文学賞財団」として正式に組織化された。
第四回（昭和45年、1970年）椋庵文学賞は「海の人びと」で吉村淑甫氏が受賞している。これは高知県文学史において重要な位置を占める作品であり、文学賞創設初期の受賞作として特別な意味を持つ。吉村淑甫氏は後に「野ノ市集：吉村淑甫詩歌集」（2013年）なども発表し、継続的な文学活動を行った人物である。
記念品としての特殊性
この懐中時計が1971年製造であることは、椋庵文学賞受賞の翌年に記念品として製作されたことを示している。文学賞の記念品として懐中時計が製作されることは極めて異例であり、当時の文化的背景や賞の重要性を物語る貴重な証拠品である。SEIKOが文学賞記念品として銀製懐中時計を製作した例は他に確認されておらず、この一点の希少性は計り知れない。
希少性要因による価値評価
文学史的価値
椋庵文学賞は高知県における文学振興の象徴的存在であり、その初期受賞作品の記念品は地方文学史研究において貴重な資料価値を持つ。「海の人びと」というタイトルも、海洋県である高知の地域性を反映した作品として文学的意義が深い。文学研究者や郷土史研究家にとって、このような記念品は単なる時計を超えた文化的遺産としての価値を持っている。
現在でも椋庵文学賞は継続しており、令和6年度（第58回）まで続いている。創設から約60年間継続している文学賞の初期記念品として、この懐中時計は文学史的な証拠品としての価値を有している。特に吉村淑甫氏の作品「海の人びと」は、高知県の海洋文化を描いた重要な文学作品として位置付けられている。


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（2025年 5月 31日 13時 22分 追加）
吉村淑甫（Yoshimura Yoshiho）は、日本の作家、詩人であり、特に高知県や土佐の歴史・文化をテーマにした作品で知られています。1920年に高知県で生まれ、土佐の風土や幕末・維新期の人物に焦点を当てた評伝や歴史散歩に関する著作を数多く残しています。以下に、彼の経歴や代表作、貢献について詳しくまとめます。
経歴と背景
吉村淑甫は1920年に高知県で生まれ、土佐の歴史や民俗に深い関心を持ちながら執筆活動を行いました。彼の作品は、地元の文化や人物を丁寧に描き出すことで、土佐の魅力を広く伝える役割を果たしています。また、私家版として出版された詩歌集からも、彼の文学的才能と地域への愛着がうかがえます。
代表作とテーマ
吉村淑甫の著作は、歴史評伝や民俗研究、詩歌集など多岐にわたります。以下に主な作品を紹介します。
『鯨海酔侯 山内容堂』：土佐藩主・山内容堂の生涯を描いた評伝で、幕末維新期の動乱の中で彼が果たした役割や、晩年の芸者お愛との関係を詳細に描写しています。この作品は中公文庫版としても出版され、容堂の漢詩文を読み解きながら彼の人間性を浮き彫りにする大作です。
『龍馬の影を生きた男 近藤長次郎』：坂本龍馬の片腕として活躍し、長州藩の軍備近代化に貢献した近藤長次郎の生涯を追った作品。悲劇的な最期を迎えた彼の真実に迫る内容で、龍馬との関係性や歴史的背景を掘り下げています。
『絵金と幕末土佐歴史散歩』：幕末の土佐を舞台に、絵師・絵金（金蔵）やその時代の歴史を散歩形式で紹介する一冊。土佐の文化と歴史を身近に感じられる内容で、共著者・鍵岡正謹とともに執筆されています。
『野ノ市集：吉村淑甫詩歌集』：2013年に私家版として出版された詩歌集で、彼の文学的側面を示す貴重な資料です。142ページにわたり、詩歌を通じて彼の感性や思想が表現されています。
『土佐民俗風土記：山の人々』：土佐の山間部に暮らす人々の生活や風土を記録した民俗研究書で、地域の伝統や暮らしを後世に伝える一冊です。
その他にも、『海南九人抄』や『四国八十八カ所花遍路』など、土佐や四国に関連するテーマを扱った作品が多く、歴史や文化の保存に貢献しています。
特徴と影響
吉村淑甫の作品は、土佐の歴史や人物に焦点を当て、史実に基づきながらも人間的な側面を丁寧に描き出す点が特徴です。特に幕末・維新期の人物を扱った評伝では、歴史的背景とともに個人の感情や葛藤を浮かび上がらせ、読者に深い共感を呼び起こします。また、彼の民俗研究や詩歌は、地域文化の多様性を記録し、土佐の魅力を広く発信する役割を果たしています。
彼の作品は、読書家からも高い評価を受けており、読書メーターなどのプラットフォームで人気ランキングに名を連ねることもあります。さらに、古書市場やメルカリなどでも彼の著作が取引されており、根強い支持を得ていることがわかります。
まとめ
吉村淑甫は、土佐の歴史と文化を愛し、その魅力を後世に伝えるために多くの作品を残した作家・詩人です。『鯨海酔侯 山内容堂』や『龍馬の影を生きた男 近藤長次郎』などの評伝を通じて、幕末・維新期の人物を生き生きと描き出し、また詩歌や民俗研究を通じて地域の風土を記録しました。彼の著作は、歴史や文化に興味を持つ読者にとって貴重な資料であり、土佐の魅力を知るための重要な手がかりとなっています。