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文庫です。 きれいなほうです。
ヴェニスの商人
唾は自分の頭で受けとめる! さあ、お裁きをお願い申し上げます、証文どおりのかたを――。
攻める者が、一転して追われる者に。
サスペンスとアイロニーに溢れる、圧巻の法廷シーン。時代を越えた傑作喜劇。
ヴェニスの若き商人アントーニオーは、恋に悩む友人のために自分の胸の肉一ポンドを担保に悪徳高利貸しシャイロックから借金してしまう。ところが、彼の商船は嵐でことごとく遭難し、財産の全てを失ってしまった。借金返済の当てのなくなった彼はいよいよ胸の肉を切りとらねばならなくなるのだが――。
機知に富んだ胸のすく大逆転劇が時代を越えてさわやかな感動をよぶ名作喜劇。
目次
ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)
解題 福田恆存
解説 中村保男
シェイクスピア劇の執筆年代
年譜
【本文より】
ポーシャ 仕方はあるまい。法の条文に照して、要求の科料、すなわち、この証文に指定してあるかたは、十分に正当なものと認められる。
シャイロック そのとおりでございますとも。おお、分別の権化、正義の身方、まったく立派な裁判官様だ! お見うけするより、ずっと老熟しておいでになる!
ポーシャ では、胸をあけるように。
シャイロック さよう、その胸だ、証文にそうある、そうでございましょう、裁判官様? 「心臓すれすれに」はっきりそう書いてある。……(第四幕第一場「ヴェニスの法廷」)
ロミオとジュリエット
永遠の愛のバイブル。天才劇作家が描く、世界一有名な恋愛劇。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の舞踏会に仮面をつけて忍びこんだが、この家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまった。仇敵同士の両家に生れた二人が宿命的な出会いをし、月光の下で永遠の愛を誓い合ったのもつかのま、かなしい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、現代でもなお広く翻訳翻案が行われている。
世界恋愛悲劇の代表的傑作。用語、時代背景などについての詳細な注解および作品解説を付す。
目次
はしがき
ロミオとジュリエット
注
解説中野好夫
【本文より】
ロミオ 傷の痛みを知らぬ奴だけが、他人の傷痕を見て嘲笑(あざわら)う。
ジュリエット、二階舞台の窓に現われる。
シッ!なんだろう、あの向うの窓から射して来る光は
あれは東、すればさしずめジュリエット姫は太陽だ。
美しい太陽、さあ昇れ、そして嫉妬深い月を殺してくれ。
月に仕える処女(おとめ)のあなたが、主人よりもはるか美しいそのために、
あの月はもう悲しみに病み、色蒼(いろあお)ざめているのです。……
(第二幕第二場「キャピュレット家の庭園」)
じゃじゃ馬ならし 空騒ぎ
パデュアの街に展開される楽しい恋のかけひき「じゃじゃ馬ならし」。知事の娘の婚礼前夜に起った大騒動「空騒ぎ」。機知舌戦の二喜劇。