清水潔の『殺人犯はそこにいる』は、ジャーナリストによる執念の取材と独自調査によって、日本の警察や司法の闇を暴き出した衝撃のノンフィクションです。本書は、北関東で発生した幼女誘拐殺人事件の真相を追い、えん罪の可能性と未解決事件の闇に切り込んだ一冊であり、読者に戦慄と怒りをもたらす問題作です。
物語は、栃木県で発生した「足利事件」を起点に始まります。1990年、幼女が誘拐され、後に遺体で発見されたこの事件では、DNA鑑定を根拠に一人の男性が逮捕・起訴されました。しかし、著者は独自の調査を進めるうちに、このDNA鑑定が不完全であること、また同様の事件が北関東一帯で連続して発生していたにもかかわらず、警察が関連性を否定していたことに疑問を抱きます。そこから始まる執念の取材は、警察や司法が隠蔽してきた「連続事件の可能性」を明るみに出し、えん罪が作られる過程を浮かび上がらせます。
本書の最大の特徴は、著者の粘り強い取材力と、決して妥協しない真実への執念です。新聞記者としての経験を活かし、膨大な資料を分析し、多くの関係者に取材を重ねることで、警察や司法の問題点を暴いていきます。その過程はまるで優れたサスペンス小説のようにスリリングで、読者を圧倒します。しかし、本作がフィクションではなく、現実の事件を扱っていることを考えると、その恐ろしさは格別です。
また、本書が問いかけるのは「えん罪」という日本の司法の重大な問題です。科学的な証拠とされるDNA鑑定の危うさ、警察の面子や組織防衛のために隠蔽される事実、そして無実の人が罪を着せられる構造的な問題が、これでもかというほど浮き彫りにされます。著者は単なる批判にとどまらず、「本当の犯人がまだ捕まっていない」という事実を突きつけ、読者に問いかけます。
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