【1】概要:
・西独SABA社が1950~60年代に製造した180×245mm口径の傑作フルレンジユニット 5898,550,002 を、天然木パイン集成材による後面部分開放型エンクロージャーにセットしたシステムのペアです。
・このユニットはSABAの傑作で「グリーンコーンフルレンジ」として著名なユニットです。
・出品のユニットはコーンの色あせがほとんど無いこと、全体にダメージの無い極めて美しいレア品です。
・Telefunken、Graetz、Blaupunktなどの大型フルレンジユニットとならぶジャーマンビンテージの代表的なユニットです。
・大型コンソール、あるいはスタジオモニターなどに活用されていたものです。
・音は現代的で、家庭用のフルレンジとして使用した場合は当時としてはワイドレンジで、現代でも十分通用する音と思います。
・低音の伸びと量が素晴らしくJAZZのウッドベースが生き生きと良く伸びる音で再生されます。
・特性の実測により、中低域がスムーズで、かつ高域はフルレンジとしてはかなり上まで伸びていることが分かりました。
・音楽ソースはJAZZもクラシックもOKでご機嫌に鳴ります。
・60年以上前製造のユニットとは到底思えないワイドレンジで透明感のある信じがたい高音質です。
・同一システムを購入いただいた方々の感想です。
Hさん「低域の質が高く、量も十分で音楽が生き返るようです。能率が良くEL84(6BQ5)シングルの真空管アンプで十分な音量が得られています」
Mさん「音が良く伸び、また後方にも大きく広がるので部屋が大きくなった感じがします」
Mさん「SABAは初めての体験です。シンバルが実物のように鳴ります。バスドラやウッドベースの響きが本物に近い感じです。一本の大型フルレンジから何故このような音が出てくるのでしょうか」
【2】ユニット、システム仕様:
・型式:SABA 5898,550,002
・口径:180x245mm
・コーン:超軽量グリーンコーン、フィックスドエッジ
・インピーダンス:5Ω
・状態:良好
【3】エンクロージャー:
・型式:後面部分開放型
・サイズ:幅27.6cm、高さ38.6cm、奥行22.5cm
・材質:天地側面は25mm厚の天然木パイン集成材、バッフル、裏板は針葉樹系プライウッドで振動モードを変え不要な振動を抑えています。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのダークウォールナットオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・サランネット:黒のジャージネットによる頑丈なサランネットが付属します。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出し線が接続可能です。
・バナナプラグ、極太ケーブルなどほとんどのタイプのスピーカー端子が接続可能な金メッキ金属削りだしのアダプターが付属します。
【4】音質
・以下の感想は主観ですのでご承知おきください。
・「ヘレンメリル&クリフォードブラウン」が見事に鳴ります。
・ぞくぞくするボーカル再生です。
・アートブレーキ―の「バードランド」盤はモノラルですが、クリフォードブラウンの鮮やかなトランペットソロがさえわたります。
・また線が細いイメージがあったルードナルドソンのアルトサックスがテナーサックスのように太く逞しく鳴ります。
・アートブレーキ―のドラムスは、実は繊細なのですが、これぞというときには爆音で全体を支配します。
・その轟音を負けずに再生していると思います。
・この時代の録音盤にピタリです。
・クラシックとして大きなホールで録音された1957年録音ですが極めて高品質のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・バイオリン、チェロなどの倍音がきれいに再生されます。
・チェロとコントラバスが太く鳴りますので、音楽の重心が下がり重厚で優雅な雰囲気が十分すぎるほど出てきます。
・素晴らしい!
【5】企業紹介
・SABA社は1923年に現在のバーデンヴュルテンベルク州に設立されたドイツのエレクトロニクス企業です。
・SABAは時計メーカーとしてスタートし、その後ラジオメーカーとなり、数年後にレコードレーベルとなりました。
・1931年、SABAラジオタイプS-35を10万台以上生産しました。それは市場で初めてベストセラーになったダイナミックスピーカーを初めて紹介しました。
・第2次大戦後のオーディオに関して、SABAは積極的な活動を行い、多くの種類のラジオ、コンソールステレオシステムを世に送り出しました。
・特に家庭用のシステムは「グリーンコーン」と呼ばれる特徴的な緑色のコーン紙によるユニットが著名で多くの愛好家を生み出しました。
・出品システムのユニットがこれです。
・1960年代以降は、美しいエンクロージャーと音の良いユニットにより多くのシステムを生み出しました。
【6】ほか・スタンドは含みません。
・下記記事の通りビンテージユニットはその構造上オーバダンピングとフィックスドエッジにより、環境やアンプにより低音の量感が不足する場合があります。
・その場合に下記に示しますPHSTを挿入することで音質を損なうことなく低音を増強することができます。
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/34951517.html
・ビンテージとは思えない豊かな低音が出てきます。
・ペアで同梱しますので低音をさらに充実させたい場合使用ください。
・PHSTはケーブル接続時に挿入します。
・従いまして、有無の両方を任意に選択できます。
(2025年 1月 29日 8時 53分 追加)・画像の測定結果はPHSTを装着していないアンプ出力ダイレクト状態のものです。
(2025年 1月 29日 17時 55分 追加)https://geo80002002.livedoor.blog/archives/37640665.html