大型図録本 柿右衛門 作品集 写真集 解説 カラー76点92図 古伊万里 有田焼 色絵磁器 柿右衛門様式 古柿右衛門
中央公論社
西田宏子 著
1977年
78ページ
34×27×2cm
函入 ハードカバー
作品図版フルカラー 解説参考図版モノクロ
※絶版
フルカラー大型図録本、柿右衛門図鑑。函入大型愛蔵版。
赤絵の創始者といわれる柿右衛門の色絵磁器を、海外の資料もふまえてその様式の展開をさぐる。
江戸時代初期から中期(17世紀中期~18世紀初期)を中心に、
柿右衛門の名品76点、92図を収録。全作品の詳細な説明、ほかテキストも充実の一冊。
本巻では柿右衛門の色絵磁器、絵皿、皿、輪花皿、鉢、壺、水注、人形
など柿右衛門の全貌をフルカラー写真で紹介。
厳選された国内外最高峰の優品を網羅して収録。
収録作品の配列は、あらゆる器形を網羅し、作風の展開のさまがわかるように掲載、
フルカラー写真に加えて、巻末には全作品の寸法、全作品の解説。
作品名については、全作品に英文表記あり。また、巻末に英文の論考テキストも収録。
美術館・博物館所蔵などの銘品から、
めったにお目にかかることのできない個人蔵の銘品優品を多数カラーで写真解説したもの。
斯界の研究第一人者による解説論考テキストは、参考作品の写真を多数もちいてその器形、海外の資料もふまえてその様式の展開をていねいに考察。
「右衛門様式色絵磁器にみる花鳥文の展開」一覧表は
柿右衛門様式の色絵磁器の文様のなかでも「鳥」「花と岩・鳥と岩(太湖石)」の組み合わせをとりあげて、その表現作風の変遷をモノクロ写真で整理分類。また、「柿右衛門家に残る土型」では、酒井田家に伝存する土型850点のうち在銘の6点とその型によりつくられた典型的作品もあわせて掲載(モノクロ)土型の銘(製作年・作者名 田中新三郎、酒井田実 ほか)、年度の書き下しなど貴重な資料。
巻末のやきもの風土記は、柿右衛門家をテーマとした窯址訪問記。
十三代酒井田柿右衛門氏を訪問し、十三代酒井田柿右衛門が自ら語る乳白手、濁手の復元、赤絵の難しさについて、十二代柿酒井田右衛門氏とのエピソードなど、こちらも楽しく内容充実の読み物。
監修者、責任編集者ともに昭和後期最高峰の内容を誇り、厳選された掲載作品図版、テキストは内容充実、参考文献としても多く引用されてきた一冊です。
本書は大型本のため、各作品の写真も大きく、細部まで見て楽しむことができる、
陶芸家、茶道具、古陶磁、やきものの絵付け、デザイン、古陶磁、骨董品愛好家等に必携の大変貴重な資料本です。
【目次】
作品カラー図版
概説 清麗な色彩と白の輝き 西田宏子
はじめに 陶工柿右衛門と柿右衛門様式 色絵の創始と柿右衛門様式の誕生 初期磁器とオランダ貿易 柿右衛門様式色絵磁器の展開 柿右衛門様式の完成期 柿右衛門様式色絵磁器にみる花鳥文の展開 柿右衛門様式の人形と唐人物図 ドレスデンの柿右衛門様式色絵磁器 染錦手柿右衛門様式 柿右衛門家に残る土型
作品解説 西田宏子
やきもの風土記24 佐賀の風土のなかから 角田守男
参考文献
作品目録
英文梗概
英文目録 LIST OF PLATES
【凡例】より
*本巻には江戸時代初期から中期(17世紀初期~18世紀初期)を中心に、柿右衛門の作品76点、92図を収録した。作品と図版の数え方は、原則として同一作品で異なる角度から見た図版のある場合、これを一点二図とし、一括して名称を付した。
*収録作品の配列は、あらゆる器形を網羅して編年を行い、作風の展開のさまがわかるようにした。
*巻末には英文による梗概、および図版目録を併載した。
ほか
【概説】より一部紹介
清麗な色彩と白の輝き 西田宏子
はじめに
江戸時代に肥前地方、すなわち現在の佐賀県有田町を中心とする地域で作られた色絵磁器には、古伊万里・柿右衛門・鍋島の三つの様式(本全集23・25巻参照)が知られている。そのなかでも柿右衛門様式の色絵磁器は、色絵技術の創始者としての栄誉を担う陶工洒井田柿右衛門の名とともに、明るく鮮やかな色調と瀟洒な文様で、わが国のみでなく広く海外でも愛好されてきた。ヨーロで(にあって柿右衛門様式の色絵磁器の美しさは、人々の心を把えただけでなく、自分たちの手で同じようなものを作り出そうという意欲をもかき立てたように思われる。一七世紀中葉に日本の色絵磁器がヨーロで(に輸出されるようになると、やがて彼地にも白い肌のやきもので柿右衛門様式の色絵磁器そっくりの作品が現れる。それはしかしながら磁器ではなく、陶器に白い釉をかけ、文様と色彩だけを真似たものであった。一八世紀初頭のヨーロッパにおける磁器の創始を促したのは、各地に興った窯業の隆盛の結果ともいえるが、むしろそれはヨーロッパの人々が柿右衛門様式の色絵磁器を目にした時の感助が、非常に大きかったためとも思われる。
本巻に収められている作品の多くは、かつての輸出品であった。いま私たちの周りには、一七、八世紀にヨーロッパへ渡った柿右衛門様式の色絵磁器をたくさん見ることができる。それは華やかで玲瓏とした雰囲気に満ちた色絵磁器の世界で、これを目の当りにした一七世紀ヨーロッパ人の驚き、喜び、そして憧れの混った深い感動が、伝わってくるようである。この小諭では有田皿山で作られた色絵磁器の展開のなかで、多くの人々の心を把えた柿右衛門様式の色絵磁器が完成してゆく過程を考えてみようと思う。(以下略)
【作品目録】一部紹介、全作品の寸法記載
色絵粟鶉図八角鉢
口径24.3×25. 2cm 救世箱根美術館
色絵花散文皿
口径10.4×14. 1cm
色絵合子
胴径5. 0cm
色絵柘榴文鉢
(以下寸法等略)
色絵牡丹唐草文蓋付鉢 東京国立博物館
色絵棕櫚文瓶
色絵花文瓶 大英博物館
色絵花文壺 ヴィクトリア・アルバート博物館
色絵牡丹文蓋付深鉢
色絵山水図壺
色絵牡丹文壺
色絵菊文壺
色絵双鳥図壺
色絵菊文壺 アシュモレアン美術館
色絵菊文深鉢
色絵菊文壺
色絵菊文壺 梅沢記念館
色絵花鳥図壺 出光美術館
色絵花鳥図八角壺
色絵花鳥図蓋付深鉢 救世箱根美術館
色絵花鳥図深鉢 重要文化財 東京国立博物館
色絵花鳥図瓢形瓶 梅沢記念館
色絵樹下人物図瓢形瓶 ヴィクトリア&アルバート博物館
色絵花鳥文八角壺 出光美術館
色絵人形 大英博物館
色絵布袋水注
色絵人形水注
色絵人形 出光美術館
色絵人形
色絵人形
色絵人形
色絵人形
色絵人形
色絵梅樹人物図六角壺 富士美術館
色絵花鳥文六角壺 ヴィクトリア・アルバート博物館
色絵秋草文八角瓶 アムステルダム国立博物館
色絵秋草文八角鉢 岡山美術館
色絵菊鳥文菊形鉢 アムステルダム国立博物館
色絵花卉文輪花鉢
色絵花鳥団龍文八角鉢
色絵牡丹文輪花鉢
色絵松竹梅図輪花皿
色絵唐子図八角鉢 出光美術館
色絵竹虎図八角鉢 東京国立博物館
色絵柘榴柴垣図皿
色絵鶴図輪花皿
色絵松島図輪花皿
色絵竹梅双鳥図皿
色絵松図輪花皿 ヴィクトリア・アルバート博物館
色絵花卉文輪花皿
色絵菊流水文蓋付鉢 東京国立博物館
色絵双鳳牡丹唐草文皿 東京国立博物館
色絵梅樹鳥文輪花鉢 ヴィクトリア・アルバート博物館
色絵秋草文碗・皿
色絵梅鶯文八角碗・皿
色絵花卉文八角小鉢 ヴィクトリア・アルバート博物館
色絵梅樹文水注
色絵花鳥文水注
色絵葡萄栗鼠文瓢形水注
色絵山水図鉢
色絵藤花文皿
色絵三果文輪花皿
色絵三果文皿
色絵秋草文輪花鉢
色絵花卉文八角鉢 東京国立博物館
色絵山水図皿
色絵梅樹図皿
色絵鹿楓図皿
色絵鶏図四方皿
染付秋草鶉図蓋付鉢
色絵花卉文輪花皿
色絵桐亀甲文輪花皿
色絵松帆掛舟文皿 元禄六年(1693)銘 東京国立博物館
色絵唐花文輪花皿 元禄八年(1695)銘 梅沢記念館
色絵花卉文皿 元禄十二年(1699)銘
色絵龍鳳唐花文輪花皿 元禄十二年(1699)銘 東京国立博物館
【著者について】刊行当時の情報です。
西田宏子
一九三九年(昭和十四年)東京都に生れる。
慶応義塾大学文学部史学科卒。日本の輸出磁器の研究のためにオランダ及び英国に留学。
オックスフォード大学で博士号を受ける。現在、慶応大学文学部講師。
論文「十七世紀欧文文書にみる欧州向け輸出品としての色絵磁器」(「古美術」四六号所収)ほか。
オックスフォードで初めて博士になった日本女性であり、女性の日本美術研究者の草分け的な存在。
根津美術館学芸員を長く勤め、副館長兼学芸部長、同館顧問を歴任。根津美術館に西田コレクションを寄贈。
監修 谷川徹三
編集委員 佐藤雅彦
坪井清足
楢崎彰一
林屋晴三
LIST OF PLATES
Octagonal bowl with millet and quail design, enamelled ware.
D. 24. 3×25.2cm. Hakone Art Museum.
Dishes with floral designs, enamelled ware
D. 10.4×14.1cm.
Covered box, enamelled ware.
Bowl with pomegranate design, enamelled ware
Covered bowl with peony scroll design, enamelled ware.Tokyo National Museum.
Bottle with palm design, enamelled ware
Bottle with floral design, enamelled ware. British Museum, London.
Jar with floral design, enamelled ware Victoria & Albert Museum, London.
Covered bowl with peony design, enamelled ware
Jar with landscape design, enamelled ware.
...
NIPPON TO JI ZENSHU 24
A Pageant of Japanese Ceramics
KAKIEMON WARE
by Hiroko Nishida
Ko-imari, Nabeshima and Kakiemon are varieties of famous enamelled porcelain produced in the Hizen district, now Saga prefecture, in Kyushu. Kakiemon style enamelled porcelain was particularly well-known not only in Japan but in the western countries for its soft colour enamels and fine designs.
Since the term Kakiemon was taken from a potter's name the term is generally used for the potter Kakiemon as well as enamelled porcelain which is attributed to successive potters of the Kakiemon family. In this volume the author uses the term “Kakiemon" for a potter's name, and“Kakiemon style" for enamelled porcelain.
KAKIEMON IN DOCUMENTS
The history of the potter Kakiemon was for the first time mentioned by Kurokawa Mayori in his Kogei-shiryo in 1878.This was the first guide book published by the Japanese government. However,....