希少図録本 日本シュンラン 写真集 図鑑 写真解説 日本春蘭 花物 柄物 斑入り 古い春蘭名鑑番付表
覆輪 縞 虎斑 葉芸 赤花 黄花 素心 型変わり
ガーデンライフ 編
誠文堂新光社 発行
1988年8刷 (1979年初版)
約24x19.5x1.5cm
199ページ
カラー・モノクロ
ハードカバー
※絶版
日本シュンランの花物・柄物の、すでに評価の定まっている名品から、はじめて人目にふれる新花まで、
各地の展示会を撮りあるいて集めた約150枚のカラー写真集。
高度成長期で古典園芸文化も豊かな時代に、春蘭栽培を極めた達人が多く出て栽培方法も確立され一般に広まり、山取りも盛んに行われて新発見の品種、春蘭の花物・葉物ともに、
名品を多数カラー写真で紹介し、各種に発見地、性質や見どころなどの解説を付したもの。
シュンランと蘭鉢との組み合わせも見どころ。
見開きカラー写真と、見開きテキストページが交互に構成されており、
本書は育て方の実用書とは一線を画する内容で、
日本春蘭花物・柄物栽培愛好上級者向けの読み物です。
名花鑑賞の合間には、展示会場をめぐりながらラン友とたのしく語りあうような気分で読めるよう、ラン対談、ラン自慢などを収めています。本書に掲載された作品の大半は各地の展示会で撮影。
名高い愛蘭家の黒崎陽人・増島きみの対談ほか、 日本全国のベテラン愛蘭家による寄稿、
戦前~昭和20年代の春蘭名鑑を日本春蘭会の元老・木下菊次郎のほか、石綿一二三、青山慶が解説。
山中で採取された名品春蘭発見のエピソード、名鑑の見方ほか、春蘭にまつわる知識情報満載。
戦前の春蘭事情についても記憶している人も多く、カラー写真も普及したこの時期に出版された本には特に優れたものが多いです。
数多くの日本全国の春蘭栽培の名人たちの協力を得て、たいへんな労力と費用をかけて丁寧に作られた本。
大変貴重な資料本です。
【執筆者一部紹介】
黒崎陽人
洋画家ル・サロン(フランス官展)会員。フランス美術協会々員フランス芸術家連盟会員。邦画雅号・悟陽山樵。
フランス官展一九六八年サロン・デザルティスト・フランセにて銅賞(Mention Honorable)を受賞。海外展招待。
趣味として東洋蘭を研究培養。著書「東洋蘭」(泰文館発行)「東洋蘭画集」。土佐寒蘭会、紀州愛蘭会、園芸趣味の会他各蘭会の名誉顧問及び顧問。
増島きみ
菊・蘭の古典園芸家として知られる増島徳氏の妻で、同じく愛蘭家、蘭栽培家。
青山慶
「天心」などを見出した著名な愛蘭家。
ほか
【目次】
花物
対談1 日新 多摩の夕映 黒崎陽人 増島きみ
対談2 光琳 玉英 黒崎陽人 増島きみ
対談3 紅天の花 瑞雲香 金鵄殿 瑞晃 福の光 黒崎陽人 増島きみ
対談4 山桜 医王の誉 黒崎陽人 増島きみ
花形のいろいろ
シュンランの殖えかた一覧表 青山慶 (国王殿、御国の花)
日本春蘭花物のふるさと 青山慶 日本地図・分布図
億にひとつの夢 亀谷俊司
名品発見① 紅明 青山慶
榎本さんの赤花 青山慶
対談5 紅明 紅陽 東源 万寿 極紅 黒崎陽人 増島きみ
古い銘鑑① 木下菊次郎
ランの小鉢に大自然を見る 増島きみ
あすを待つこころ 高橋武
対談6 桃源香 黒崎陽人 増島きみ
ランの魅力 小林智逆
対談7 天紫晃 黒牡丹 紫宝 紫天竜 黒崎陽人 増鳥きみ
名品発見② 緋牡丹と桃山錦 青山慶
対談8 月光 京美人 黒崎陽人 増島きみ
対談9 紺青晃 翠苑 大福殿 黒崎陽人 増島きみ
ランとの出会い 元木老人の思い出 平野綏
古い銘鑑② 木下菊次郎
大虹にかける夢 広橋一男
大虹のこと 伊藤勝美
対談10 大虹 桃山錦 紅孔雀 秩父錦 菊翠 黒崎陽人 増島きみ
10年めの花二題 増島きみ
対談11 光悦 黒崎陽人 増島きみ
対談12 日輪 月輪 金青晃 雪月花 南紀 崎陽人 増島きみ
九州天草で日本シュンランを作る 桑原駿介
私が名づけた期待の花 三題 黒崎陽人
対談13 御国の花 日本の花 黒崎陽人 増島きみ
型変わりの花
対談14 胡蝶の舞 越後獅子 黒崎陽人 増島きみ
対談15 高嶺の華 角梅 黒崎陽人 増鳥きみ
柄物
ランに魅せられて 栗塚光夫
柄物のふるさと 青山慶
風狂の人 皆光 茂
古い銘鑑③ 木下菊次郎
古い銘鑑④ 青山慶
輪波の花と黄花のこと 木村邦夫
名品発見③ 赤城山の虎と国王殿 青山慶
古い銘鑑⑤ 木下菊次郎
古い銘鑑⑥ 石綿一二三
古い銘鑑⑦ 木下菊次郎
天草産の日本シュンラン 桑原駿介
銀司晃のこと 伊藤勝美
古い銘鑑⑧ 木下菊次郎
ふしぎな生きもの 松永寿平
対談16 帝冠 黒崎陽人 増島きみ
ランの美をさぐる 青山慶
古い銘鑑⑨ 石綿一二三
古い銘鑑⑩ 青山慶
プロにきくランのこといろいろ 石綿一二三
名品発見④ 紫山香 青山慶
さくいん
【はじめに】より
日本シュンランの展示会は、春を待ちわびるように三月上旬の福井市を皮切りに東京、千葉、長野、埼玉、茨城など各地で盛大に開かれます。それらの会場をまわってみて、展示会に足を運ばれる愛聞家のかたがたの熱心なまなざしに心うたれるものがあります。展示会は一日かぎりのこともあり、長くても二~三日。仕事の関係や遠隔地のためにどの会場にも出向くことのできないかたも多いのではないか――そうしたかたたちに、なんとかこの展示会の感動をお伝えしたい、ということからこの本が企画されました。各地の会場をめぐって、あたかも自分自身がその会場におもむいたような気分――中央ひな壇の入賞花はもとより、名人の手になる参考出品の棚まで、また古典といえる評価の定まった名品から、はじめて人目にふれるような新花まで、ページをめくるごとに、たんねんに一鉢一鉢、鑑賞をつづけてゆく気分に浸れるように――そんな気持ちで写真を撮り集めました。しかし、名品を最上の作で、咲きごろもよくという条件はなかなか整わず、ことに昭和五三年から五四年にかけての暖冬は、花茎が充分に伸びきらずに花開いてしまうという番狂わせもありました。
本来ならこの種の出版物には、評価も定まった銘品のみを収録するところですが、新花も多数掲載したのは今後への期待と、将来、名品として評価を高めたとき、原点として改めてデビュー当時の姿を見ていただければ、という心からです。名花鑑賞の合間には、展示会場をめぐりながらラン友とたのしく語りあうような気分で読んでいただけるよう、ラン対談、ラン自慢などを収めました。本書に掲載された作品の大半は各地の展示会で撮影したものです。会場では持ち主のお一人お一人にお礼をのべる機会もありませんでしたが、たいせつな鉢をお貸しくださったことを心から感謝しています。そうしたご協力なしには、この本は生まれてこなかったのです。可能なかぎり展示会をめぐりその他にも多くのかたたちに情報提供をお願いし、花だよりを耳にすると、たとえ一点でも撮影にゆくようにしたのですが、それでもなお集めることのできなかったものがたくさんあります。大虹、紅明などはやむを得ず、かつて他の本に使用したものを再登場させることになってしまいました。今後も折あるごとに撮りためて、つぎのアルバムに備えたいと思っています。(編集部)
【古い春蘭名鑑】一部紹介
(花物)
昭和58年 全国日本春蘭花物名鑑 全国日本春蘭連合会
昭和6年 会津若松市愛蘭会 長谷川会津園
昭和11年 信濃蘭萬同好会
昭和12年 大日本糸魚川春蘭愛好会
昭和13年 小林晴風園
昭和15年 錦玉園 浦野義広
昭和16年 大日本春蘭愛好会
昭和17年 大日本春蘭愛好会
昭和17年 鳳鳴園 高坂鳳仙
昭和24年 新潟県春蘭協会
昭和27年 関東春蘭協会
【カラーページ】 掲載品種
日新 多摩の夕映 玉英 紅天の花 瑞雲香 市橋瑞雲香 瑞晃 緋牡丹 福の光 金鵄殿 金華山 山桜 天華 医王の誉 筑波の里 富士の夕映 御 前の花 天心 女雛 天女 緋扇 紅梅仙 紅明 紅陽 東源 万寿 極紅 朱鷺 多摩の光 天紅香 東の光 紅帝 桃源香 歌麿 天紫晃 / 黒牡丹 紫天竜 紫宝 月光 京美人 ?冠 黄后 黄金乃月 黄竜 松戸の誉 光寿 百合姫 紺青晃 翠苑 大福殿 玉翠 翠明 青々晃 嵯峨の雪 豆千代 ひなの緑 雪姫 大虹 桃山錦 紅孔雀菊翠 秩父錦 ひな童 光悦 遠山脈 秩父の誉 月輪 金青晃 日輪 雪月花 南紀 御国の花 / 鏡獅子 栄菊 光琳 鯨波 富国の花 玉盃 舞姫 轡虫 姫達磨 胡蝶の舞 / 越後獅子 高嶺の華 角梅 守門山 錦麒麟 安積猛虎 鶴昇 麒麟山 / 静観 武蔵の花 / 甲斐の花 三笠山 春日山 高嶺の花 越路の花 乾徳山 霞の花 / 水戸の花 輪波の花 赤 城の花 赤城山 菖城の花 / 魁山 国の司 / 鏡山 信濃の花 春秋 / 不二冠 / 皇輝 王冠 / 国宝 / 大雪 嶺幽 / 谷殿 / 長見殿 / 明雪 / 銀司晃 / 軍旗 鳳凰殿 帝冠 大和錦 / 月桂冠 / 日光殿 聖晃 / 加茂日進 九州日進 守門竜 錦波 銀河 群千鳥 昇天 世界の図 / 無名