図録本 やきもの・ぎやまん 日本のうつわ展 サントリー美術館所蔵
ひろしま美術館
平成元年
100ページ
28x21x0.8cm
※絶版
サントリー美術館所蔵品から厳選された陶磁器とガラスの名作121点を通して、
奈良時代から幕末に至る、うつわに現われた美の諸相を俯瞰して展観した展覧会の公式図録本。
日本の陶磁全集や数多くの著作物に収録されるレベルの名品の数々。
カラー写真図版に加え、全作品の詳細解説、掲載書籍、日本の陶磁・ガラスについて論考テキスト、歴史年表、地図等の内容も充実の貴重な資料本。
【主催者あいさつより】
このたびサントリー美術館の格別のご厚意により、「サントリー美術館所蔵 やきもの・ぎやまん・日本のうつわ」展を開催するはこびとなりました。
同館は、一九六一年の開館以来、〃生活の中の美″をテーマに、日本の絵画・工芸作品を収集される一方、それらの美術品を今日的な視点からとらえ直すというユニークな展示活動を続けてこられました。一昨年、幸いにもひろしま美術館において、「サントリー美術館名品展 暮らしの中の絢爛と優美 桃山から江戸へ」を開催させていただき、広島の皆様に素晴しいコレクションの一端をご紹介できましたことは、私の大きな喜びとするところです。
今回は、若干視点を変えて、同館所蔵品から厳選された陶磁とガラスの名作121点を通して、奈良時代から幕末に至る、うつわに現われた美の諸相を俯瞰してみたいと思いました。“用と美”の調和とは、つねづね日本文化の特質の核であるといわれております。衣食住と直に関り合う鉢、壺、碗皿、花生などは、まさにこうした特色を遺憾なく伝える日本の工芸を代表する分野であり、用と美の両面から、日々の生活を潤してくれるものでしょう。これらのうつわが、決して歴史的に遺物であるに止らず、今なお私たちの目と心に新鮮な刺激を与え続けてくれることに驚きを禁じえません。本展を機に多くの方々に、一〇〇〇年余にわたり人びとの暮らしと共に息づいてきた陶磁器・ガラス器の名品の数々を、ご堪能いただきたいと願っております。
【サントリー美術館館長 佐治敬三あいさつより】
ヨーロッパを旅しますと、小さな町にも美術館や博物館があり、人々が伝統と文化を誇り愛し、楽しんでいることがよくわかります。私たち日本人の生活もまた、祖先の美しい生活文化の心を大切にすることによって、いっそう豊かに花開くことでしょう。
サントリー美術館は、このような想いのもとに、昭和三六年、サントリー株式会社が創業六〇周年を感謝して設立した美術館です。以来、およそ三〇年の間、『生活の中の美』をテーマとして、日本古来の美術・工芸の蒐集と展覧に力を注いで参りました。なかでも「やきもの」は、近年コレクションの充実に努めてきた分野です。
我国のやきものは、縄文の昔から、調理や貯蔵、あるいは祭祀など、さまざまな用途のものが作られ、時代とともに形や装飾に多様な展開をみせ、世界の中でもひときわ魅力のある陶磁の伝統を築きあげてまいりました。 今回は、サントリー美術館のコレクションの中から、各時代の優品およそ百点を選りすぐり、日本のやきものの展開と変遷を辿りたいと存じます。機能美や装飾美、そしてすばらしい造形美など、日本の陶磁器のさまざまな美の味わいを心ゆくまでご鑑賞願えれば幸いです。
【内容】
主催者あいさつ
サントリー美術館館長あいさつ
作品カラー写真図版
作品詳細解説 寸法、制作年代、解説
日本の陶磁 林屋晴三
日本のガラス小史 土屋良雄
出品目録
日本陶磁略年表
日本陶磁器の主要窯場地図
江戸時代のガラス製作地地図