
Bruce Springsteen Darkness on the Edge of Town ブルース・スプリングスティーン
中古盤
日本国内盤
マネージメントとのゴタツキが発生、その影響を受け3年のブランクがあった後にリリースされた4th作。1978年作品。
新たなる決意、強固な意思表明とでも呼ぶべき勇壮なロックナンバー「Badlands」で、アルバムは力強くスタートします。
しかしながら、作品全体通して得られる印象としては、極めてダークかつヘヴィなもの。
前3作に共通して存在していた、メジャーコード主体の明るくきらびやかなトーンは、本作においては比較的希薄なものとなっています。
ボスのVoパートも、陰のある憂いを帯びた唱法が前面に出ていて、この部分についてもこれまでとはやや趣が異なっていると言っていいでしょう。
邦題『闇に吠える街』は、そういう意味では、本作での彼のスタイルを実に的確に表現していて、素晴らしいタイトルになっているな~と、いつも感心させられたりもしています。
初聴時におけるインパクトとしてはやや弱め、地味で印象に残らないナンバーが多く、特にメガヒットを記録した前作との比較という意味では、若干のパワーダウンを感じさせてしまったという部分は、発表当初にはあったと思います。
その辺りが如実に出てしまったが故に、チャートアクション面での伸び悩みという結果が生じてしまったのは、恐らく間違いのないところでしょう。
ただし、現在でも本作に対する評価というのはファンの間で非常に高いものがあり、ボス自身もライヴで本作からの楽曲をセトリに加えることが多く、双方にとって極めて重要な作品となってなっていることは紛れもない事実。
かく言う僕自身、かつては彼の作品で『Born to Run』に次いで大好きなアルバムでしたから(今なら2ndか『River』の方が好きかな)。
多くのファンが本作を支持するポイントとして僕が個人的に感じているのは、何と言っても冒頭2曲のパンチ力だと思っています。
数段前で「本作はインパクトが弱い」と述べましたが、この2曲に関しては、全く別。ボスのパワフルな面を存分にアピールする強烈なナンバーとなっています。
そして、そこを取っ掛かりとして、後はグイグイと彼のディープな世界観へと引きずり込まれていくのです。
要するに、聴き始めの頃は印象が薄いと感じられてしまった収録各曲も、リピートを繰り返す内にその素晴らしさに気付き始め、結局のところすっかりハマってしまうという、実に奥深い魅力を備えたアルバムであるということ。
勿論、ボスのアルバムは殆ど全てがそういったポテンシャルを秘めたものばかりだとは認めつつも、殊に本作についてはその中毒性が非常に顕著であると、個人的にはそう思っています。
あるいはまた、ディランからの影響を極力抑えつつ、よりロック色を強めたのも本作の特徴であると言っていいでしょう。
彼のリードギターを前面に押し出す楽曲アレンジが増大したのも、作品の大きな魅力のひとつになっていると思います。
とにかく、「いぶし銀」という表現がこれほどマッチするロックというのもそれほど多くは無いでしょう。
もっとも脂が乗りきっていた時期に発表された、ボスの代表作のひとつです。