1970年代の至宝、ドゥカティ単気筒スーパースポーツ最終型の1974年式450DESMO、軽登録です。
ワイドケースデスモの系譜は、最初期の60年代ぽいデザインの奴、次がいわゆるシルバーショットガン、そしてイエローデスモフロントドラム、さらにこの最終74年型イエローデスモでフロントディスクブレーキを採用しています。
シルバーショットガンは古典美。イエローデスモは70年代のカフェレーサーカルチャーを反映した美しさがあります。
個人的にはイエローデスモが最高に好み。はるか昔、コンチネンタルタイヤ広告でイエローデスモとアグスタ750が並走してる写真を見てからです。アトミックデザインの流線型クランクケース、450ならではの巨大シリンダー&ヘッド、美しいタンクにシングルシートと、デザイン最高。伊ボラーニのレコードH型アルミリムも、磨いて見ているだけで惚れ惚れします。
250/350フレームを使った「なんちゃって450」ではなく、写真でわかるように強化リブを持つ450純正フレーム(指差している部分)。また入手時より軽登録だったので、旧車としては維持しやすいです。
入手時の450デスモエンジンが不調になり、ドカ単に特に知見を持っていた旧車専門店「MCAT」の坂部さんに時間を掛けて良品を探してもらい、米国から輸入。ワイドケースの良品エンジンが少なく、排気量ダウンを提案されましたが、どうしても450のあの強烈な加速と乗り味が忘れられず、450スクランブラーの良品エンジンを見つけてもらいました。
さらにエンジン全バラで整備後組み立て。同時に電装系も全て引き直しているので、信頼性は高いです。車体入手からエンジン調達、組み上がりまで長い時間と高いコストが掛かっています。
程度の悪い奴を徹底的にバフがけした「起こし」でないため、写真でわかるようにクランクケースカバーの「MADE IN ITALY」文字のエッジすら潰れていないウブなエンジンです。
ドゥカティシングルエンジン最大の弱点であるエキパイフランジによるシリンダーヘッド削れもなく、問題なく乗れます。振動があるので時折増し締めしたほうがいいですが。
このデスモは普段使い目標に仕上げたため電装は12ボルト化してあり、同時に電装スイッチ等はドカ純正の扱いにくいプアーなものでなく、日本車純正に交換済。このためヘッドライトが明るいだけでなくなにかと信頼性が高くなってます。組み上がりからは伊豆箱根や日光など、高速道路使っての現代車の仲間とのツーリングに普通に使っていましたし夜も乗ってます。そのくらい頑丈だし、走れます。特にこれは最終型でディスクブレーキ採用のため、60年代車よりずっと普段使いしやすいです。
カムシャフトカバーやクランクケースに250cc表記ありますが、シリンダーフィン枚数10枚でわかるように、中身は450。キャブも450デスモ純正のデロルトVHB29Aです。
始動は、キャブ車のキック始動に慣れている人ならすぐなじむでしょう。圧縮上死点すぐ後でキーオン>チョークを引く>わずかにアクセル開けた状態(固定であおらない)でキック>始動したら失火しないよう必要に応じてアクセル少しあおる>様子を見ながらチョークを戻す、です。アイドリングは安定しており、一度始動すればおおむね大丈夫です。
ドカ単ワイドケースは250/350/450ccエンジンがありますが、これまでドゥカティーシングルをワイド&ナローで250、350、450と5台持っていた経験では、450の強烈さがやはり個人的好みです。SRなどとは違う、ダイレクトな味をお楽しみ下さい。
これらを徐々に手放していったものの、このイエローデスモは手放し難く最後まで残しましたが、歳なので断捨離です。
数年前にフロントブレーキシールが破れてから乗っておらず、2020年に廃車して屋根付き保管中。軽自動車届出証明書返納証明書があるのでもちろん、再登録しての公道走行が可能です。
キー1本&書類付き(軽自動車届出済証返納証明書+譲渡証明書)。
金属部分にはそれなりに錆が浮いていますので、気になる方は入手後にピカール等で磨いて下さい。マフラーや車体各パーツは純正およびリプロ品が割と豊富に揃っていて、入手も旧車にしては比較的容易。なので徐々に新品に換えていく楽しみもあります。
●必要な整備
・フロントブレーキ:シール入手の上、中身オーバーホール&パッド交換して下さい。ディスクブレーキなので、特に旧車屋でなくともメンテできると思います。大量に流通した普通のブレンボおむすびキャリパーなので、パーツ入手は簡単なはず。実際シールキットはアマゾンでも安価で売ってます。なんならアマゾンで「ブレンボおむすび」検索すると普通にキャリパー新品売ってるし、丸々換えることすら容易でしょう。
・キャブ清掃:しばらく乗っていないので。
・エンジンオイル交換:オイルストレーナーが貧弱なドカ単気筒車では、エンジンオイル管理は極めて重要です。入手後、エンジン始動前に必ず交換して下さい。その後も早めの交換が結果的に整備費用を下げます。
・バッテリー:搭載していますが、もう死んでます。サイズや交換商品名の参考にして、新品を入手して下さい。
・スピードメーター:純正品(英スミス製)ですが、振動で針が飛んでます。当方は気にせず乗ってましたが、気になる方はメーター屋で修理するか、適切なメーターと換装して下さい。楽天などでもスミスのレプリカメーター(新品)が売っています。
落札後の配送手配は落札者にお任せします。ドアtoドアのアイライン等が楽だとは思います。当方からデポ等への配送はできません。ヤスオクのシステム上、送料は「落札者手配0円」と実情に反する表示になっているのでご注意下さい。
また50年前の旧車のため、NCNRです。