2017年発行
やまと言葉をたどり もの忘れ、認知症を防ごう
監修 高室成幸(ケアタウン総合研究所 所長)
ここ数年、「認知症」という文字がメディアで取り上げられることが飛躍的に増えています。みなさんはどのような印象をもたれますか?
「認知症って自分がわからなくなるのよね。とても長生きしたくない」「認知症の人の自動車運転事故が増えています。怖いです」「徘徊して帰ってこれなくなるんですよね。うちの母もそうでした」
2025年には65歳以上の高齢者は人口の3割になり、そのうちの5人に1人が認知症になると予測されています。予備軍である軽度認知障害(MCI)を含めると、なんと3人に1人(約1000万人)ともいわれています。
その入り口がもの忘れです。もの忘れは、年をとるとだれにでも起きる自然現象です。あなたが記憶力だけが衰えている、自分のいる場所はわかる、もの忘れを自覚しているなら、まだ大丈夫かもしれません。でも、考えるスピードや判断が遅い、自分のいる場所がわからない、2つ以上のことが同時にできない、短期記憶が抜け落ちる、同じ話をくり返すと言われたとなれば危険信号かもしれません。
あなたがなるかもしれないし、あなたの家族や身内がなるかもしれません。それほど身近な病気、それが認知症です。
認知症は治すことは今はむずかしいといわれていますが、早期に発見できるなら生活習慣の改善や薬物療法や非薬物療法で進行を遅らせたり、身近な支援があれば自分なりのペースで暮らしたりすることはできます。
しかし、なにより大切なのは認知症にならないこと。認知症予防は、生活習慣病の改善と身体を動かす有酸素運動が有効とされています。でももっとも大切なのは「心と脳を活性化させる」ことです。
本書は「歳時記にかかわる思い出し漢字テストで認知症を防ぐ」ことをめざしています。私たち日本人は四季のめぐりとともに豊かな暮らしを送ってきました。なつかしいやまと言葉をたどることで日本古来の行事や四季折々の草花、旬の食、そして思い出のなかの「わたし」に再会することができるでしょう。
みなさんの「心と脳」がなつかしさであふれ、脳が活性化することを願っています。