
おそらくこのセットはもう出てこないでしょう。
歴史的名車の1つ、ロイヤルトライアンフの日本向け輸出仕様、しかも同時代の2台セットです。1台は埼玉県某所の医師の一族の蔵から、1台は静岡県某所の旧宅から見つかった個体です。パーツ構成とシリアルナンバーから、いずれも1922年前後の製造と思われます。
英国自転車マニアの方には既知だと思いますが、ロイヤルトライアンフはマーストン・サンビームと並ぶ名車です。日本には当時、警察と逓信省向けに輸入されました。一部は開業医など富裕層にも販売されたようです。このあたりの一次資料もいくつか所有しておりますので、そのうち出品すると思います。
フレームサイズは当時、本国では別注だった最小の21インチとなります。片方の個体には、さらにオプション扱いだったバンドブレーキ(後期型)も付属しています。また、本国ではオプション扱いのオイルバス式チェーンケースが装着されています。両個体とも、上級仕様のインヴァーテッドブレーキレバー仕様です。さらには当時モノのブルックスB28サドルが現存しています。かように画像だけで眼福なのですが、今回はオリジナルの専用ブレーキシュー(FIBRAX 28)のデッドストックもお付けします(このブレーキシューを探す困難さは想像を絶するものがありました)。
当時トライアンフはサンビームと同様、街の自転車店にスペアパーツを供給していませんでした。すべての修理は工場に返送して行っていました。従って、英国本国でもこの時代のトライアンフの専用パーツはほぼヴィンテージ市場に出てきません。当方が2台入手できたのは奇跡です。きちんとお金と時間をかけてリコンディションすれば、素晴らしい産業遺産となることでしょう。
ただ1点注意点があります。両個体とも、フロントハブはトライアンフの特徴とも言える36Hですが、リムは日本製と思われる32Hで組まれています。90°違いに4本を5mm長くして組むと組めるのです。おそらくパーツごとに輸入され、日本の商社(神戸にあった)の提携工場で組み立てられたようです。ちなみに26x1-3/8で36穴のピリオドコレクトのウェストウッドリムを探すのは超困難です(当方ももう10年近く英国のマニアを介して探してます)。
当方の専属メカニックが途中までバラしたものの、病気でリタイアしてしまったので現状販売となります。分けておいてあったパーツはすべて付属します。当然ながらクローズドガレージ保管です。
この車両は、当方の自転車趣味の到達点として、レストアするのを老後の楽しみにしていましたが、急に人生が忙しくなってしまい、また保管していたガレージを引き払わなくてはならなくなったので、心残りはありますがリアルマッコイな愛好家に引き継いでいただきたく出品しました。
このような車両の特性上、それなりのスタート価格にしますことをご了承ください。並みのマニアでは太刀打ちできないレベルの車両です。当然ながら現状優先3Nです。発送は不可です。車両は現在、福島県会津地方のスタジオ内に保管しています。当方都内在住のため、引き取りの際には日程の調整が必要です。
なお、初歩的な質問には回答しません。調べて分からなければ、それはまだこの車両を扱うレベルにはないとご理解いただき、入札をご遠慮ください。
(2026年 4月 21日 9時 34分 追加)ちなみに南東北のスタジオ保管のため、現車確認はできません。ご了承下さい。車両のコンディションは間違いないものです。またご希望の場合、レストアやパーツ調達のアドバイスは継続的に可能です。