【1】概要:
・1950年代のRFT/VEBの20cm口径フルレンジ=L2158 PB、RFT/EGBの10cmツィータ=LP554による2Wayユニットを天然木集成材によるエンクロージャーにセットしたシステムのペアです。
・ウーハー、ツィータともに名器の誉れ高いユニットですので芯ある太く逞しい再生を実現しています。
・高速でハリのある音は1950~70年代のJAZZやクラシックの再生に最適です。
・L 2158 PBフルレンジはシングルでも素晴らしい音ですが、中音のレベルが高い「かまぼこ型」ですので最近のソースを再生するとやや低音、高音が不足して聞こえます。
・またダブルコーンは高域まで良く再生しますが、周波数特性はかなり凸凹になります。
・本システムは以上に対しツィータを付加した2Wayを構成し、最適チューニングにより、滑らかで平坦な特性に改善しています。
・主観ですがコンシューマユーズ(家庭用)ジャーマンビンテージとして最高レベルの音質、迫力のもののひとつ思います。
【2】システムの仕様:
・システムインピーダンス:6Ω
・ウーハー(フルレンジ):200mm口径、型式=L 2158 BP
・ツィータ:100mm口径、型式=LP554
・ユニットの状態:良好
・音が非常に太く実在感があります。
・再生可能周波数帯域:50~18000Hz
【3】エンクロージャー:
・型式:後面部分開放型
・後面にも音が拡散されますのでスケールが大きな音が得られています。
・サイズ:幅27.6cm、高さ38.6cm、奥行22.5cm(入力端子突起含む)
・材質:天地側面は25mm厚の天然木パイン集成材、バッフルはMDF、裏板は針葉樹系プライウッドです。
・板厚、重量が有りますので不要な雑音は抑え込まれ、深くクリアな低音が安定して出てきます。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのウォールナットオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・サランネット:黒のジャージネットによる頑丈なサランネットが付属します。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出し線が接続可能です。
【4】音質
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・一聴してコーンがストレス無しに自由に動いている生き生きした音であることが分かります。
・マイルスディビスの1956年録音のPrestigeの「Cookin'」を聴きました。
・マイルスのトランペットソロ、コルトレーンの硬質なテナーサックスソロがスピーカーの前面に生々しく現れます。
・またポールチェンバースのこの当時の最高のベースが弾むように出てきて音楽をスィングさせています。
・デーブブルーベックの「タイムアウト」は名演かつ名録音ですね。
・ジョーモレロの大口径バスドラの響きが余すところなく再生されています。
・ポールデスモンドのソフトな音色ですが非常に高度なアドリブも素晴らしい音で再生されます。
・総じてアコースティックな音楽全般を透明感あふれる音で再生していると思います。
・点音源ですので位相特性が良く、大編成のオーケストラの再生においても、楽器の分離が良く、かつ奥行が良く出ます。
【5】ほか
・スタンドは含みません。
・マンスリーNews 6月号です。
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/38691020.html
(2025年 6月 7日 21時 51分 追加)・フルレンジユニット単体の周波数特性と、本システムの周波数特性を比較した記事は下記の通りです。
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/38724783.html