本機も特に私のお気に入りのアナログレコードプレーヤーです。
私は故長岡鉄男氏のファンですが、このプレーヤーは長岡式といえるような造りになっています。
長岡式ではアームを鉛板に取り付け、鉛板は特にネジなどでは固定せずその重量によってボードに固定されます。
本機ではメーカー製なので厚くしっかりしたアルミ板をネジで固定しています。
この機種もとても古い機種なので長岡氏がどのように評価していたのかはわかりませんが、その後のQL-7Rなどは高く評価し推奨していました。
本機などより前のプレーヤーは木の箱にターンテーブルとアームを取り付けたような構造でしたが
長岡氏は積層合板を何枚か積み重ね一枚の厚く重いボードにしてターンテーブルを取り付けて使っていました。
長岡氏はビクターのアナログレコード関連機器はプレーヤー、アーム、カートリッジなど高く評価し、リファレンス機としても使っていました。
私もビクター製品は好きなのでメイン機は現在でもTT-81を取り付けた長岡式積層合板プレーヤーを使っています。
ビクターのプレーヤーはこの機種やこのシリーズ機のJL-B44やJL-B55、JL-B77などは積層合板でしたがその後のJL-B41やQL-7Rなどは
生産性やコストなどからオガクズを固めたパーティクルボードに化粧シートなどを貼り付けたちょっと残念な仕上げになってしまいました。
上級機のJL-B77は単売品として販売されたJL-T77ターンテーブルとキャビネットJL-C77にアームUA-77を組み合わせたものでした。
JL-B55も同様の単売品組み合わせタイプでしたが本機JL-B51はプレーヤーシステムとして構成された物です。
しかし、ほとんど単売品組み合わせタイプと同様のとても贅沢な内容でJL-B44やJL-B61と似ています。
当時のビクタープレーヤーはとても機種が多いのですが単純に数字が大きい方がより上級機だったようです。
ちょっとわかりにくいのですが、すぐ上の機種にJL-B55があります。
JL-B77とJL-B44の時にはシリーズ機としてJL-B55がありましたが、これはベルトドライブ機の単売品組み合わせタイプでした。
その後にダイレクトドライブの本機が出たようでこちらの方が本当のシリーズ機といえるでしょう。
型番から55の下位機種になりますが、プレーヤーシステムとしてよりハイCPになっているので実質的には同等あるいはこちらの方が上位といえます。
パーツ単体では販売されなかった物ですがボードキャビネットはほとんどJL-B77と同じでこれはJL-B55の純正組み合わせのJL-C55より上等です。
本機のような本格的なマニュアル機では新品時にはカートリッジは付属していませんでしたが皆さんカートリッジ付きをお望みのようです。
そこで即決で購入された方には本機当時のメインカートリッジMD-1016に希少なシバタ針4DT-5Xが付いた4MD-1Xをお付けします。
MD-1016も人気のZ-1S(MD-1025)もどちらも現存するミタチ音響(GLANZ)製造のOEM品でした。どちらも本体は同じで針を変えることで上級クラスにも対応していました。そのため針には多くのバリエーションがありました。付属の針はMD-1016のプレミアム版4MD-1Xのシバタ針仕様の4DT-5X。テンションワイヤー付きの接合針です。
ノブ裏に4DT-5Xのシールが付いた純正針です。使用時間はわかりませんが現状シバタ針らしい繊細で高分解能の素晴らしい音が出ています。
MD-1016はZ-1系同様人気が高くこのカートリッジを最高とされるマニアの方も居られるほどです。
さらに即決で購入された方には現行の最高性能、音質といえるゴムシートもお付けします。東京防音の振動吸収ゴム、ハネナイト製 THT-291です。https://www.piano-bouon.jp/products/tht-291
http://speakercraft.asablo.jp/blog/cat/reference/?offset=5
長岡氏の後継者とされる炭山アキラ氏も絶賛されています。定価6500円とちょっと高額ですが価格に見合った効果が期待できます。本機の当時はまだゴムシートによる音の違いがあまり考慮されていませんでした。その中でパイオニアがJP-501をプレーヤー付属品として開発し、長岡氏がこれを高く評価して単売品として発売する事になったようです。JP-501はとても素晴らしいゴムシートでしたが販売終了となり残念でしたが現在ではこのTHT-291やオヤイデ製の優れた製品があります。炭山アキラ氏は『SL-1200シリーズは「THT-291と組み合わせることで完成する」といっても過言ではないほどの相性の良さを聴かせてくれたものです。』と仰っています。このゴムシートは私も特にお勧めします。中古品ですが使用はごく僅かのようでとても綺麗、元箱付きです。本機の付属ゴムシートも厚く丁寧に作られていますがやはり性能や音質はTHT-291が断然優れています。形状は若干違い、径が僅かに小さくなりますが使用には特に問題ありません。 私の絶対お勧めの組み合わせです。即決価格は少し高額にはなりますが絶対に損はさせません。
最近ではシリーズ機のJL-B44の良さが認められたのか人気機種になっています。本機のターンテーブル部はJL-B44とほとんど同じ物と思います。
こちらはキャビネットボードは上級機と同じなのでより長岡式プレーヤーに近くなりました。高級感もさらに増していますね。
当時の価格からしても高級機といっていいでしょう。
使用モーターは松下製と思っていましたが日本電産製のようです。とはいえDDの本家テクニクス機に採用されているのですから松下の関連は伺われます。
同じ系統のモーターはテクニクスを初めヤマハや東芝、日立など多くのメーカーに採用されました。
本機は複数台入手したうちの、動作に問題なく特に程度の良いものをクリーニング、メンテナンスしたものです。
前のオーナー様はとても大切に扱われて居られたと見え傷など痛みはほとんどなく動作も問題ありませんでした。
アームは取り外して軸部をクリーニング、感度は良好です。金属部もコンパウンドや金属磨きクロスなどで磨いてピカピカです。
もちろんアームリフトもグリスを交換して動きも良好でゆっくりスムーズに降下します。
モーター軸受けは古い油をふき取り新たに注油しました。回転調整ボリュームは信頼できるクリーニング/接点復活剤を複数使い分けて使用。
低圧使用でスパークのクリーニングが無い事で抵抗の増えてしまう回転切り替えスイッチも接点クリーニングして問題ありません。
タバコのヤニで茶色く汚れる事の多いプレーヤーですが本機はかなり綺麗でした。さらに全体を特殊なクリーニングワックスなどで磨きました。
もちろん私はタバコは吸わないのでその後も匂いなどありません。
このシリーズ機でよく問題になるスイッチボタンは奇跡的にほとんどキズはありません。
ほとんどの当機のボタンはグリスの劣化で固く動かなくなって、ひっこんたまま戻らなくなってしまいます。
皆さんそのボタンを固い物でコジて引っ張り出そうとします。それでほとんどのこのシリーズ機のボタンがキズだらけになっているのです。
スイッチの動きはやはり微妙でしたがクリーニングと注油でスムーズに問題なく動作します。
動きが悪くなったら無理にコジたりしないでミシン油など低粘度の油をボタンの隙間などから注油してください。
年式なりのキズ、スレなどは僅かにありますが全体的にとても綺麗と思います。
その他プラッター、アームなどの金属部も磨いてピカピカです。取り外せるヒンジなどは外してネジ1本1本まで磨きました。
少し面倒ですが、プラッターのストロボパターンも磨いてワックスをかけてあるのでくっきりと表示します。
ダストカバーはコンパウンドで磨き、特殊なクリーニングワックスで仕上げたのでかなり綺麗かと思います。
このカバーはほかの機種と比べても特に重く美しい高級仕様のダストカバーです。
今ではほとんど使われなくなったアクリル製です。後のポリカーボネイト製などでは車のヘッドライトのレンズのように光線で黄ばんだりしてしまいます。
詳細は画像をよくご覧になってご検討ください。写真は下手で申し訳ありませんが多めにupしておきました。
その他、回転も安定してストロボスコープも33回転、45回転も問題なく止まり、回転調整もスムーズに行えます。
脚のインシュレーターゴムは僅かに劣化していましたが使用には問題は無いと思います。
付属品はゴムシート、サブウェイト、社外品EPアダプター、自作のアース線、定評あるカナレ製の新品RCAケーブルになります。
ゴムシートはクリーニングして保護剤をかけてあります。
取扱説明書はありませんがターンテーブル部がほとんど同じJL-B44とアームが同じJL-B41の説明書のコピーをお付けします。
さらに即決で購入された方には上述のカートリッジMD-1016+シバタ針4DT-5X(4MD-1X)シェル付きと東京防音 THT-291をお付けします。
全て私のお勧めの最高の組み合わせです。この機会に是非即決で購入される事をお勧めします。
オート機構など全く無いマニュアル式ですので慣れた方なら問題ないでしょう。
アナログプレーヤーが初めての方はアームのバランスのとり方や針圧の掛け方アームの高さの合わせ方
カートリッジの取り付け方など一般的なプレーヤーの使い方をよくお調べになってからお使いください。
このプレーヤーはとても古くビクターでしたらその後のQL-7Rなどは人気は高くなりますが
写真ではわからないような実物を実際手にとってみるとこちらのほうがずっと高級感があります。とても豪華な積層合板ボード式の存在感ですね。
ビクターはもともと日本ビクター蓄音器といったくらいでレコードプレーヤーの専門会社だったんですね。
この機種の頃には松下製のDCモーターを採用したJL-B44などや自社製のACモーター(JL-B61/TT-61など)やDCモーターを開発採用し
その後のメインモーターとして自社機はもちろんヤマハやマイクロなどにOEM供給する事になります。
DD本家の松下にならって短期間に試行錯誤した後に各社に多数供給できるモーターを開発したのだと思います。
短期間に多種のモーター採用の機種があるのはプレーヤー専門会社としての意地があったんでしょう。
この機種はクォーツロックになる前の機種ですので回転が安定しないのではとお気になさる方も居られるかと思いますが
私が多数のプレーヤーを使ったところでは全く問題ないと確信します。
クォーツロックでないと音が変化するとかクォーツの方が音が良いとかはありません。
クォーツなら調整がいらないというだけです。
ストロボが安定して止まらないと気にされる方も居られるかと思いますが、ストロボは電源の50Hzまたは60Hzの明滅を利用しているので目安にすぎません。
実際には電源周波数はその地域の電力使用量によっては微妙に変化するのです。
発電所はその変化をできるだけ少なくする努力はしていますがクォーツ並みにする事はできません。
DCサーボモーターですからプラッターの回転数は電源周波数には影響されません。周波数で変化するのはストロボの明滅周期です。
この変化を回転の変化ととらえて頻繁に回転調整をすればボリュームが痛んでしまいます。
本機は音に拘る方には特にお勧めできる名機といえるでしょう。現在ではこれほど気合の入った製品はちょっと考えられませんね。
同様の製品を作ったらいったいいくらになるでしょうか。とても丁寧な仕上げと貴重な天然木材からすると20万くらいは軽く超えそうです。
レコードプレーヤーは本機のようにしっかりと重く丁寧に作られていれば、まず良い音がするものです。
機能的で美しいアームは良い音がするものです。
トレース性能を向上させたTH方式アームはウェイトを軸上からわざと下げてあります。
この後のUA-7045系アームによく見られるウェイト下がりではありません。
重く、堅牢なキャビと高性能アーム、高い回転性能のフォノモーターが高級カートリッジの能力も良く引き出してくれます。
レコードプレーヤーはオーディオ製品の中では特に繊細でその取り扱いには熟練が必要かと思います。
私は今でもレコードを聴くことがメインで多くのプレーヤーを使用してきました。
やはりオーディオマニアでしたらレコードを聴きましょう。
メカ部分がほとんどのアナログレコードプレーヤーはオーディオ機器の中では本当に特別な物と思います。
リサイクル業者の方などご自身で全くプレーヤーを扱う事のないオーディオとは無関係な方が梱包を行うとプラッター、ゴムシート
アームなどをロクに固定もせず送られてしまい本当に呆れる事が多いです。
いくら細かく説明してもわからないのですね。この点私は趣味でプレーヤーを扱って来ましたので梱包、発送に関しては安心してお任せください。
プラッター、ゴムシートなどは取り外して同梱します。
アームはテープなどで固定して緩衝材も使います。ただし、段ボール箱や緩衝材はリサイクルを使いますのでご了承ください。
□配送は送料のお徳なおてがる配送ヤマト運輸宅急便(EAZY)、大きさは140サイズになると思います。
□新規の方、悪い評価がある方は即決で落札されても落札者様都合でキャンセルさせて頂く場合があります。
落札後連絡がとれず受取連絡もされない方がいます。新規の方、悪い評価の多い方は入札前に質問欄から必ずご連絡ください。
□動作しない、音が出ないなど重大な初期不良には対応します(商品到着後7日まで)。
とても古い商品です。その後の故障などについてはご容赦ください。
中古商品になります、あまりに神経質な方、購入意思の無い方、完璧を求める方の入札はお控えください。
さらに画像があります。