御存知!European Jazzのルーツ的名盤 巨匠Duke Jordan ”Duke Jordan Trio名義”大傑作「Flight to Denmark」
初期リマスター紙ジャケット仕様版 国内盤中古でございます。
盤共に非常に状態の良い中古でございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い、Duke Jordan(P)、Mads Vinding(B)、Ed Thigpen(Ds)となります。
1974年11月25日/12月2日 デンマーク・コペンハーゲン”Sound Truck”での制作となります。
後の隠れ大傑作”Two Loves”と同じ製作期日・スタジオという事ですが、こちらが【本編】というもの。
されど、そもそもが非常に実りある制作となっており、二枚分の制作を見越した録音の感がございます。
六十年代はフリージャズ全盛~クロスオーヴァー前夜という感があり、ジャズが難解化。
またロック音楽の台頭そして六十年代から七十年代前半はその多様化という時代。
また「Milesの造るジャズがジャズの未来となる」とまで言われた偉人Miles Davisが「何故若者はロック音楽に熱狂するのか?」と
嫉妬交じりでロック音楽に接近。
Duke Jordanの様なスイング系ジャズ・ミュージシャンは脇に追いやられる事となります............................
1970年代に入り、デンマークのジャズ愛好家の出資で”SteepleChase”レーベル設立。
Duke Jordanにアプローチし契約、制作に招かれたという経緯がございます。
そもそもDuke Jordanはスイング系とは言えど案外泥臭さがなく飄々とした演奏スタイル、そしてメロディアス重視。
今作ではその感覚を強調。Duke Jordan特有のメロウな感覚を重視する感がございます。
次作”Two Loves”はその続編と見做される作品ではございますが、躍動感を重視した音楽性。
そもそも制作が同じものという事もあり、”陰陽”という好対照な二枚組的な感覚がございます。
Duke Jordanのみならず、Mads Vinding/Ed Thigpenの演奏も非常な聴きものでございます。
そもそもヨーロッパにはソウルやブルーズがない代わりにクラッシック音楽が存在。
上記二名もそのクラッシック音楽の感覚からジャズを観ている演奏感覚があり、非常に端正なもの。
Duke Jordan自身もジャズ巨匠レベルではあっても案外泥臭くない感覚の希少な演奏者、その感覚が前作同様上手く融合した感がございます。
後々に大きく注目を浴びる「ヨーロピアン・ジャズ」の重要なルーツという感がございます。
制作・録音が北欧という事があるのでしょうか?ピアノの音質に硬さが見られるとの批評もございます。
されどクラッシック音楽絡みのヨーロピアン・ジャズのルーツである今作。
また、北欧ジャズ系の巨匠名手故Jan Johansson(HR/HM、プログレ系で御馴染みJohansson兄弟の父)の演奏感に繋がる感があり、
非常に興味深いものでございます。
ジャズが難解化し更にはロック音楽に接近、またその難解系ジャズがロック系ファンに持て囃されるという時代。
されど「世が如何移り変わろうとも、私は私」と飄々と美しいフレーズを紡いでいくDuke Jordan。
「美しいものを美しく奏でる」という信念の持ち主という感がございます..............................................
今作制作数年後にはかのScott Hamiltonが登場。
かの「モダン・ジャズ復興運動」の旗手となるWynston Marsalis登場の呼び水となるという興味深い時期でございます........................................
こちらはオリジナル曲順仕様となっております.............................
この機会に是非。